AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2008年10月24日(金)

OCEANS 12月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・・・などなど。
30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、
少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。
そんな皆さまの“駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さんの質問にお答えするのは、“人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に救いの手を差し伸べてくれるハズ!
では皆さん、ご一緒に! 教えてっ、マエストロ!
 
 
今月のテーマ
“男ヂカラ”

[今月の質問]
毎月「オトナ相談室」を拝読しております。実は私は未婚。オーシャンズのような子供を持った家庭を作りたいと願っているのですが、肝心の結婚相手が見つかりません。これまでに3度、結婚を申し込んだことがあるのですがすべて惨敗。どうしても最後にはフラれてしまうんです。私の同年代の友人たちがほぼ全員結婚しているのですが、その後離婚をしたカップルがすごく多いんです。そんななか、私は“焦り”を感じずにはいられません。こんな私は、結婚はおろか、結婚した後もその関係をうまく持続していくことができるのでしょうか。また、結婚後に温かい家庭を築いていくうえで、大切なことは何でしょう。そもそも、結婚の前と後に男性に求められる条件とは、異なるものですか。(34歳・愛知県在住・医療会社勤務・S・Oさん)

 
 

Q.晩婚や離婚は当たり前。そんななか、結婚をしたくてもできない人々が急激に増えてきているようです!これって、深刻すぎません?一体どうなってるんですかっ!
 てめぇ、このやろう!そんなことをオレに聞くなっ!てめぇで考えやがれ!
 と言いたいところだが、まぁ、重要な問題だ。せっかくだから、腰を据えて考えてみようじゃねえか。
 確かに今、結婚をしたくてもできない、そんな時代であることは事実のようだ。「(注1)婚活」という言葉が生まれたことが、まさにその証左。結婚に対する積極的な活動。そんなことは当たり前だと言いたいが、社会の変化がそれを余儀なくさせた。結婚というものが生きていくうえで必要な“必需品”から、あればあったで生き方を彩る“嗜好品”へと変わったのだ。そして、男性と女性それぞれの価値観も変化し、結婚を満たす条件がぐんと難しくなった。しかし、だからといって、それほど難しいことではないように思える。古今東西、受け身でいては結婚などできようもない。問題は、端的に言えば“男の力”が弱くなってきていることにある。もちろん「年収」などの細かな条件はあろうが、「婚活」には、もっと根本的な“男ヂカラ”を早急に高める必要がある。
 そして、これはなにも「婚活」をする男性、つまり結婚予備軍だけに限った話ではない。既に結婚している男性も同様だ。未婚・既婚を問わず、“男ヂカラ”を高めることは、この現代社会において重要な課題であると考えたほうがよい。

Q.なるほど“男ヂカラ”ですか!でも、マエストロ、未婚・既婚問わずというのは、どうしてなんでしょう?
 ばか野郎っ!お前は、本当に何もわかっていないな。あきれて物も言えん!そもそも結婚とは何か?「婚活」という言葉の誤った理解は、「結婚=ゴール」としてしまうことだ。言うまでもなく、結婚はゴールではない。結婚とは、長い人生における第2のスタートラインに立ったにすぎないのだ。結婚とは簡単なものではない。しかし、「結婚生活の安定した持続」は「結婚」よりも明らかに困難である。つまり、「婚活」はもちろんであるが、結婚後いかにその生活を安定して維持していくかという目的を忘れてはならない。そのための“男ヂカラ”でもある。「婚活」という言葉に踊らされているばかりでは、多くの男性が、この真の目的を見失うことになる。

Q.なるほど、結婚するのは簡単。難しいのは結婚生活の維持だ、と。では、改めて、既婚・未婚に限らない“男ヂカラ”とは、何でしょう?
 結婚とは単なる「日常の営み」の連続だ。そして、結婚相手とは「共同生活者」だ。あえて言うなら、“男ヂカラ”の真価は結婚してからの、毎日の生活で問われることになる。そして、“男ヂカラ”とは、誤解を恐れずに言えば「強い男」になることにほかならない。時代は変わっても「女性は強い男に憧れる」。これは、生物学的な原則と言ってもいい。だが、現代の男の多くは、その強さに欠ける。そして、ときにその強さを「優しさ」と混同しているのだ。
 結婚生活を「日常の営み」とするならば、生活していくうえでの「役割分担」は最も大事なことだ。言うまでもなく、家事や育児のすべてが妻の役割ではない。妻が炊事をするなら、夫は掃除に洗濯。私とてゴミ出しからトイレの掃除、いろいろ役割を担う。生活していくうえで必要な仕事は分担して当然。妻が専業主婦だろうが共働きだろうが、そんなことは別問題である。
 しかしながら、それが男の優しさだと思っているとしたら勘違いも甚だしい。あるいは、それを相手の顔色を窺い、機嫌を取るためにやっているという輩には、ひと言。ばか野郎っ!である。そんなものは、「まやかしの優しさ」にすぎない。私に言わせれば、「夫婦ごっこ」をしているにすぎないのだ。“男ヂカラ”とは、まずこの「まやかしの優しさ」をなくすことから始まる。家事や育児には、必要であるから参加する。それ以上でもそれ以下でもない。

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(→)実はマエストロ、平日でも休日でも時間があれば早朝にジョギングをして汗を流すことが多いとか。仕事は健康な体があってこそ、と語るとおり、ジョギングにも全力投球で励む姿からは、並々ならぬ生命力を感じずにはいられません。運動不足に不摂生と負の連鎖に悩んでいる我々も、ぜひともマエストロを見習いたいものです!

Q.結婚したり、付き合ったりして生活をともにすると、ふたりの価値観の違いが浮き彫りに・・・・。こんな話をよく聞きます。そんなときはどうすれば?
 てめぇ、この野郎!オレは「家族サービス」なんて言葉は大嫌いだ!「仕方なしにやっている感」が強く「ありがたく感じろ」、と言っているようなものではないか。だから、家族と過ごす時間が負担に感じられてしまうのだ。原因は己にある。家族と過ごす休日の時間を、妻や子供と同じように自分も楽しめばいい。自分が楽しめれば、それはサービスではない。「仕事で疲れているから休日は寝かせてくれ」なんていうのは言語道断。世の多くの男性には、家が仕事に奔走するための休息の場。しかし、本来は逆。いや、むしろ、その両方が勝負の場であってほしいと思う。毎日を充実して過ごすためには、どちらにおいても全力投球することは、豊かな人生を過ごすことにつながる。「家族サービス」なんて考えは改めて、休日は自分も家族と一緒になって楽しむことだけを考えろ。趣味に費やす時間が取れないなら、家族との時間を使える、新しい趣味を作ればよい。休日を「楽しみ尽くす」ことは、己を高めることに直結する。これは、結婚前でも同様だ。「楽しみ」に対して消極的になってはいけない。楽しいことを追求しなくなったら、生きている意味がない。“男ヂカラ”とは、貪欲に楽しみを追求することでもある。そうやって普段から自分を積極的に極めていく姿勢が、“男ヂカラ”を高めていくうえで必要不可欠なのだ。

Q.必要なことを“必要だから”する。でも、「家族サービス」を負担に感じる男性は多いとか。でもこれ、「強い男」には、不可欠ですよねっ!
 結婚すれば、確かにそれまでの関係性ではなくなる。文字どおり「共同生活者」になるからだ。しかし、結婚とはそういうものだ。双方に言えるのは、すべてのことについて「お互いさま」という自立した気持ちを持つこと。お互いが助け合って、はじめて生活が成り立つ。結婚後、価値観の違いに悩むのは、他人同士なのだから当たり前。むしろ、価値観の違いがあってこそ、面白みがる。違いは、認め合い、擦り合わせ、そして共有する。そのためのケンカならば大いにすればよい。しかし、最後には必ず男が女に謝る、そんなケンカならしないほうがまし。女が間違っていると思うなら、そう強く諭せばよい。どちらか片方の我慢が続くようであれば、長続きはしない。価値観の違いを認めない相手には、そこで諦めずに、認めさせる努力をするべきだ。最近ではすっかり見られないが、女性を育てる、というのも男の役目。互いに高め合える関係が理想だ。デリケートな気配よりも、それを前提とした男らしい牽引力を養え。亭主関白な立ち居振る舞いとは限らない。ときには怒鳴る。女に対して、感情に剥き出しにして主張をしてみろ。“男ヂカラ”には見せかけの優しさなど不要だ。既婚・未婚にかかわらず、本当に相手の女性を思うなら、それが当然だろう。信頼は安心感は、そんな関係の中で育まれるのだ

Q.もし、「イイ女」に出会ったら・・・・・。いったい、どう対処すれば?それが心配でなりませんっ!
 てめぇは、本当にばかなのか?いや、大バカやろうだな。まぁ、とはいえ世の中にはイイ女は山ほどいる。あえて言うなら、心配するのは、お前がその女性との肉体関係を求めてしまっているからではないか。肉体関係だけが男女の関係ではない。それが目的になってしまえば、その関係は長続きせずすぐに終わってしまう。それでは、せっかくのイイ女が台無しだ。そうではなく、本当にイイ女が現れたなら、友人として長く付き合っていけばよい。性別を問わず友人の数は“男ヂカラ”に比例する。友人とは、己を高める肥やしとなる。そういう意味では“男ヂカラ”を高めるために、どんどんイイ女、そしてイイ男を見つけなさい
 結婚生活とは、山あり谷あり。旅のようなものである。立ち止まることも、道に迷うことも、ときには道を間違えることもあるだろう。しかし男である以上、あなたは進むべき道を、常に前に立って示すように努めなさい。それは、自分本位でという意味ではない。あなたの夢や理念、そして信条は、女性にあなたの背中を見せることで示しなさい。独身の方であってもそう。普段からそう心がける。“男ヂカラ”とは、そうやってあなたの背中に宿るのである
 
 
(注1) 「婚活」
家族社会学者の山田昌弘氏と少子化ジャーナリスト白河桃子氏による造語。就職活動を意味した「就活」と同じく、結婚のための積極的な活動を「婚活」と称した。共著『「婚活」時代』(ディスカバー・トゥエンティー・ワン)が詳しい。

 
 

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−近ごろのマエストロ−
パリで「プリミエール ビジョン」、ミラノで「ミラノ ウニカ」の生地展に行ってきた。かれこれ30年は通い続けているが、今回はこれまでにない変革期にあると感じた。今後は地球規模で捉えた、オーガニックなものとエスニック(=民族的)なものとが軸となっていく予感がした。非工業化、非効率化されたもの、つまり、手織・手編・手染・手縫・手紡といった“時間をかけて手仕事で作り上げた本物”が求められる。早くて安い、そんな無味乾燥なファッションの対極。世界全体で消費が停滞しているからこそ、安易な買い物をやめ、こういった本物を見極めることが大事だ。

■皆さんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッションetc.・・・・・・、日ごろ読者の皆さんが抱える悩み、疑問など、相談したいことを何でも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!インターネットの場合は[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、「NEWS」から投稿してください。郵送の場合はハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G「オトナ相談室」への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 オーシャンズ編集部「オトナ相談室係」まで。

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2008年10月10日(金)

MEN'S CLUB 11月号 ハンサム男の作り方 [MEN'S CLUB掲載記事]

4時間目:「日本人に似合うジャケットスタイルのコツ」

ネイビージャケットの知的活用術
ジャケパンの極意は色と素材のハーモニーにあり
スーツの着こなしには自信があってもジャケパンになると頭を悩ませてしまうという方が多いようです。
そこで4時間目では、赤峰幸生さんに日本人に似合うジャケパンの着こなしをレクチャーしていただきました。
ジャケットはネイビーがマストです!

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ジャケパンスタイルではネイビー×グレイが基本
・ブレザー 3万9900円(フームプリュス/阪急百貨店メンズ館 TEL06・6361・1381)
・シャツ 1万6800円(ポール・スミス・ロンドン/ポール・スミス ジャパン TEL03・3486・1500)
・パンツ 3万450円(ラファエル カルーゾ)
・ポケットチーフ 3990円(アルマニャック/パンツも共にH POLE代官山 TEL03・3464・6480)
・ネクタイ 1万3650円(アカミネ ロイヤルライン/インコントロ TEL03・3447・1891)
・靴 8万6100円(クロケット&ジョーンズ/トレーディングポスト青山本店 TEL03・5474・8725)

ビジネスシーンに適して、日本人に似合うのは2ボタンのネイビーブレザー。オーソドックスなグレイウールパンツを合わせて、ハンサムなビジネススタイルを完成させます。

組み合わせワザ1
胸ポケットには白のリネンチーフを挿す
ネイビー無地のブレザーは単調になりがちなため、ポケットチーフを活用してメリハリを。白のリネンチーフをスクエアに折りたたんで入れるTVホールドが基本となります。

組み合わせワザ2
赤峰さん流のVゾーンは白シャツに茶系ネクタイ
ネイビーブレザーにはさまざまなシャツを合わせられますが、やはり基本となるのは白無地のシャツ。そしてブラウンが地色のネクタイを合わせると上品かつ華やかさが出せます。

組み合わせワザ3
時流に合わせて着丈はやや短めを
手を伸ばして裾の内側に指を曲げて入れ、第2関節に触れるくらいが適正の着丈。今ならそれよりも2センチくらい短めでも構いません。全体のバランス感は着丈で決まります。

組み合わせワザ4
ミディアムグレイのウールパンツが相性よし
ビジネスシーンならパンツはグレイのウール以外に考えられない、と赤峰さん。ポイントとなるのはグレイのトーン。チャコールよりも明るいミディアムグレイが基本です。

組み合わせワザ5
黒ではなく、茶の靴を選ぶのが赤峰さん流
黒靴は無難ではあるものの、ネイビーブレザーに合わせると地味すぎる、と赤峰さん。茶靴であれば着こなしに華やかさが加わります。ネクタイとの色合わせもポイントです。
 

◆◆ネイビーとブラウンの色合わせからスタート!!
 ビジネススタイルにジャケパンを加えるとバリエーションが増えます。しかし、ジャケパンはスーツよりも着こなしの習熟度が問われ、ハードルが高く感じられるもの。そこでファッション業界の重鎮である赤峰さんに着こなしのコツを伝授していただきました。
「ビジネスシーンに適したジャケットは、ネイビージャケットがおすすめです。日本人の肌の色にも合い、好感度が圧倒的に高いからです。イタリアやイギリスでも、お洒落な人ほどネイビージャケットの着こなしにこだわっています。しかし、ネイビージャケットは着こなし次第で、凡庸な印象になってしまいがち。だからこそ、スーツ以上に色合わせと素材合わせを吟味すべきです。まずは茶靴を合わせることからスタートしましょう。茶靴ならネイビージャケットを品よく、華やかに見せられます。次はシャツ。ネイビージャケットにはピンクが合うのでトライしてほしい。最後は素材合わせ。次ページ(下の着こなし例)をご覧いただければおわかりになりますが、フランネルのジャケットなら、ネクタイと靴は起毛感のあるアイテムで素材感を揃え、パンツとベルトは揃えない。すべてを揃えるのは野暮。素材合わせもメリハリが肝要なのです」
 

色と素材の合わせ方でレベルアップ!!
ネイビージャケットは何にでも合わせやすいことが長所。しかし、だからこそ、何を合わせるかによって着こなしの習熟度も明らかになるのです。
ここでは赤峰さんがおすすめするネイビージャケットの着こなしを2とおり紹介。
ポイントになっているのは、色と素材の合わせワザです。

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上級編「素材の相性を吟味するとレベルが上がる」
◆ネクタイは起毛感のあるウールを選ぶ
◆ポケットチーフ代わりにプラスティックの眼鏡を出す
◆ベルトはスムースレザーの茶で靴との素材感を変える
◆フランネルに合う足元は起毛した茶のスエード

・ジャケット 19万9500円(ベルベスト/チョークストリーム目白 TEL03・5982・7388)
・シャツ 1万7850円(ゲラルディ/H POLE TEL03・3464・6480)
・パンツ 2万7300円(ダ パルマ アルモンド/トゥモローランド TEL03・5456・4630)
・ネクタイ 9975円(フェアファックス/フェアファックスコレクティブ TEL03・3497・1281)
・メガネ 3万5700円(ペルソール/ブリンク TEL03・5775・7525)
・ベルト 2万7300円(アリストクラティコ/アリストクラティコ東京店 TEL03・5766・2523)
・靴 3万3600円(42ND ロイヤルハイランド/42ND ロイヤルハイランド TEL03・3477・7498)

=Material===
素材の風合いで秋冬の季節感を取り入れる

素材感を合わせたほうがお洒落と思いがちですが、ことジャケットとパンツに関しては別。
紡毛素材同士を合わせると思いのほか野暮ったい印象に。フランネルのジャケットを選んだらパンツは梳毛素材でメリハリをつけたいところ。このように素材感を変えることで調和が保てます。

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【ウールタイ】
ネクタイは色に加え素材も吟味する
ネイビージャケットが紡毛のフランネルなら、ネクタイをウールにすると素材感の調和が図られて、秋冬の季節感が出せます。

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【梳毛パンツ】
パンツはさらりとした梳毛でメリハリをつける
ジャケットの起毛感に合わせて、パンツも紡毛素材を選びがち。しかし、それはトゥーマッチ。梳毛で変化をつけたほうがベター。

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【スエードシューズ】
スエードの起毛感が紡毛ジャケットに似合う
靴は紡毛ジャケットの素材感と揃えるとお洒落な印象が増します。ブラウンスエードが適役。ベルトはスエードで揃えないこと。
 
 
 
 

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応用編「Vゾーンの色合わせが攻略のカギ」
◆ネクタイはピンクと色がつなげられる赤のドット
◆茶系シルクのポケットチーフをパフドで挿す
◆あえて下のボタンだけを留めるのが高等テクニック
◆靴は華やかさを加える

・ブレザー 12万5200円、シャツ 2万7600円、ネクタイ 1万3650円(すべてアカミネロイヤルライン/インコントロ TEL03・3447・1891)
・パンツ 3万9900円(アリストクラティコ/アリストクラティコ東京店 TEL03・5766・2523)
・ポケットチーフ 2800円(アンソニーマウリー/チョークストリーム目白 TEL03・5982・7388)
・ベルト 1万2600円(42ND ロイヤルハイランド TEL03・3477・7498)
・靴 8万9250円(チャーチ/渡辺産業プレスルーム TEL03・5466・3446)

=Color===
ピンク×グレイ×ブラウンをネイビーに合わせる

ネイビーとピンクは相性のよい色合わせです。赤ドットのネクタイを合わせると同系色であるピンクのシャツが引き締まります。さりげなくブラウンシューズをコーディネートすることで黒靴では出しえない華やかさを演出することができるのです。

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【ピンクシャツ】
優しくて上品なピンクをシャツで取り入れる
ジャケットのネイビーとシャツのピンクは、相性のよい色合わせ。淡いピンクなら派手には見えず、品のよさが醸し出せます。

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【グレイパンツ】
パンツはグレイのなかでもミディアムトーンを選ぶ
ネイビーとの相性のよさはもちろん、ピンクやブラウンとも美しいカラーハーモニーとなるのがミディアムグレイの魅力です。

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【ブラウンシューズ】
ピンクシャツの場合は靴はブラウン
シャツと靴は離れた位置関係ですが、色合わせが大事。ピンクシャツなら、同じ暖色系のブラウンの靴を合わせましょう。

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2008年10月06日(月)

MEN'S EX 11月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 vol.01 [MEN'S EX 掲載記事]

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「モヘアスーツをもっと着よう」

真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授します。第1回は、「モヘアスーツ」。夏だけの素材にあらず、というお話です。

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Q モヘアってなんですか?
アンゴラ山羊の毛のことです
「モヘア山羊はアンゴラ山羊の毛のことで、一般的に南アフリカに生息しているキッドモヘアの毛を使用します。縦に色糸、横に生成りの糸を使っているシャンブレー織りのものが基本。モヘアは100%ではなく、ウールと混紡・混織したウールモヘアが一般的です」

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Q 生地の特徴は?
シワになりにくく、非常にタフな素材です
「張りとコシ、落ち感という、生地において大切な3要素が備わっていて、シワになりにくく、クリースも取れにくいのが特徴。非常にタフで、平気で10年は着られます。3プライの糸(2プライのものも)で織られるのが一般的で、適度な光沢を備えています。」

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Q 夏の素材のイメージがありますけど・・・・・
1年を通して着られる素材です
「モヘアはシャリ感があるので特に日本では夏用素材のイメージがありますが、本来は年間を通して着られる素材で、実際、私は1年を通して最も着用している素材です。ドレスコードのあるオフィシャルな場には、私はモヘア混のスーツを着用して出掛けます」

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Q 最も有名なモヘアは?
ドーメル社のトニックです
「ドーメルが1957年に開発したトニックです。縦糸に梳毛、横糸にアルパカとキッドモヘアを使った服地で、2つの天然繊維が3プライで撚り合わされています。この生地が完成したときに、ジントニックで祝杯をあげたことからこの名がついたのは、有名な話です」
 

■あまり知られていないモヘアの魅力とは?
M.E.  新連載、よろしくお願い致します。継続こそ最大の力なりということで、赤峰さんが今日まで蓄積されてきた洋服のイロハを、本連載を通じてたっぷりご伝授いただければと思います。
赤峰  よろしくお願いします。
M.E.  第1回目のテーマはモヘアです。
赤峰  モヘアはアンゴラ山羊の毛のことで、主に南アフリカに生息しているキッドモヘアの毛を使用しています。シャンブレー織りで、そうでないものもありますが、縦に色糸、横に生成りの糸を使っているものが多いですね。
M.E.  なるほど。
赤峰  モヘアは毛自体に張り感と独特の光沢感があります。業界用語でいうところの張り、コシ、落ち感も備わっていて、特に3番目の、生地が縦に落ちて行きたがる特性を持っているのがポイントです。今日着ているスーツの生地は、アカミネロイヤルラインの3プライモヘアなんですが、これは英国式の紡績方法(フライヤー精紡機)で、空気を含ませながら糸を撚ったものなので、糸に丸みが生まれ、よりいっそうの張りとかコシが生まれるんです。そのモヘア生地の便利な特徴はなんだと思います?
M.E.  シワになりにくい、ですか?
赤峰  そうですね。さらに言及すると、シワが取れやすいということです。それとクリースが取れにくいこと。ですので、海外への出張時には必ずモヘアスーツを持参します。出張前にきちんとプレスしていけば、トランクに入れて持って行ってもプレスをし直す必要がないので、大変重宝しています。

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本物のモヘアスーツは10年間着たって全然平気。
非常にタフな素材なんです。


(←)赤峰さんご着用のアイテムは、スーツ、シャツ、タイすべてアカミネロイヤルライン。
3プライのモヘア混スーツは、モヘア60%、ウール40%。シューズはニュー&リングウッド。

■モヘアスーツは夏だけのアイテムにあらず
M.E.  赤峰さんは一年を通してモヘアスーツを着るんですか?
赤峰  もちろんです。生地の重さはシーズンによって使い分けますが、一年を通して着ます。日本では春夏しかやっていないところが多いですが、それは赤峰的にはおかしいと思います。冬だからフランネルのスーツを着てパーティに行くかといえば、フラノはスポーティな素材で、そういうところで着る素材ではないですから。パーティのときは白と黒の糸の、グレイのモヘアスーツ。赤峰にとっての基本の基です。
M.E.  ドレスコードのスーツですか?
赤峰  モヘアのスーツをきちんと着るのが、ドレスコードの代表的なスタイルであると私自身は思っています。パーティには粋な感じが必要じゃないですか。かと言って黒を着るほどではないときに、非常にいいと思います。日本でも海外でも、オフィシャルな場に出るときには必須の1着です。
M.E.  耐久性はいかがですか?
赤峰  非常に高いですね。私が今日着ているスーツなんて、10年着ても全然平気です。普通の生地だったら2〜3年着たら膝が抜けてしまいますけど、これは全然へたりません。張り感があるので形崩れもしにくいですし。
M.E.  お好きなモヘアのタイプは?
赤峰  ヨーロッパでは1mあたりの重さで生地を表すのですが、私は430gくらいのものが好きですね。一般的には280〜290gですが、これは夏用の話。ほかに大きく330〜340g、380gとありますが、380gはほしいかな。430gは夏着るには暑いですけど、冬場は非常に快適です。混率は、一般的にはモヘア30%、ウール70%が多いですが、これもモヘアは40%〜50%入っていてほしい。アカミネロイヤルラインのは、モヘア60%、ウール40%です。このくらいになると、かなりの張り感が生まれてシャキッとするというのかな、着用すると背筋が伸びる感じがします。
M.E.  最後にもう一度メッセージを。
赤峰  モヘアスーツは、フランク・シナトラ、ピーター・セラーズ、ジャン・ギャバン、マストロヤンニなど、各国の往年の洒落者が好んで着ていましたし、日本でも信濃屋の白井さん、UAの鴨志田さん、バタクの中寺さんといった本当に服が好きな人たちが、一年を通して着ています。もっとモヘアスーツを楽しんでほしいですね。
 
 

◆赤峰塾長がオススメするモヘア生地はコレ!◆

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ドーメル トニック2000
'57年当時のトニックのオリジナルの製法を今風にアレンジして織った、ウール70%、モヘア30%の服地。横にウールとモヘアのブレンド糸を使用。325g/m

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ウィリアム ハルステッド カンデブーモヘア
英国のミルでモヘアといえばここ。南アフリカの希少なカンデブーモヘアを使用し、かなり張りのある生地に仕上がっています。モヘア60%、ウール40%。390g/m

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アカミネロイヤルライン 3プライモヘア
赤峰さんのディレクションで縦糸を2プライ、横糸を3プライにして国内で織った、モヘア60%、ウール40%の服地。素晴らしい打ち込みのよさが自慢。435g/m

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カルネット タオロ2
伊ビエラの服地メーカーが、英国で織らせたモヘア。発色の美しさがポイントの、サマーキッドモヘア。モヘア55%、ウール45%。ミドルウエイトの350g/m

 
 
 
 
 

◆赤峰塾長がオススメするモヘアスーツはコレ!◆

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しっかりした打ち込みで仕立て栄えするモヘアカシミア
サマーキッドモヘア60%、カシミア40%による英テーラー&ロッヂの非常にラグジュアリーな生地は、打ち込みの良さ◎。3ピーススーツで42万4000円(オーダー価格)/バタク(バタク)

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フィレンツェの名門からモダンなウールモヘア
赤峰さんの親友、アントニオ・リヴェラーノ氏のプレタ。ウール85%、モヘア15%で、ミドルウエイト。37万8000円/リヴェラーノ&リヴェラーノ(ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館)

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赤峰イズム満載の国産モヘアウールを使用
赤峰さんの親友、アントニオ・リヴェラーノ氏のプレタ。ウール85%、モヘア15%で、ミドルウエイト。37万8000円/リヴェラーノ&リヴェラーノ(ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館)

今月のおさらい

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 シワになりにくく クリースも取れにくい モヘアスーツは、海外出張でも大変重宝
 形崩れしにくく 非常にタフな 赤峰的モヘアスーツは、10年間でも着られます
 モヘアは夏だけの 素材ではなし。 ウエイトのある生地なら 真冬でも着用可能です
 重さ380g/m以上。 モヘア40%以上の混率が 赤峰的モヘアの 基本クリア条件です

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MEN'S EX 11月号別冊付録 メガネ達人総力取材!「俺が最近買った“新定番メガネ”」 [MEN'S EX 掲載記事]

“新定番メガネ”とひと口に言っても、そのラインナップは膨大。そこでメガネ選びには一家言ある業界の達人の皆様に、最近買った新定番は何かをリサーチ。各人、目からウロコの審美眼をおもちゆえ、大いに参考にしてください。


インコントロ代表 赤峰幸生さんの“新定番メガネ”は・・・・・・
999.9(フォーナインズ)の「TW−31T」です

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(→)リムレスフレームの名品
TW-31T

“新定番”の所似
造形で主張せず顔に馴染ませます
ツーポイントのリムレスフレームは自然に馴染むので、顔の印象を変えることなく愛用できるのが大きな利点のひとつです。フォーナインズのお家芸である逆Rヒンジは機能的な部分はもちろん、その繊細な意匠が実にエレガントな雰囲気を醸し出してくれます。4万9350円/フォーナインズ(フォーナインズ)
 
 

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(←)※服装との組み合わせを考えてメガネの色を選ぶ
※タイの色とメガネ、シューズをコーディネート
※グレイのスーツで全体を引き締める

 
■着用する服とのマッチングを重視
 ここ数年フォーナインズを愛用しているという赤峰さん。
「それまではブランドありきの考え方でしたが、今はナチュラルに表現できるものが好きですね。やはり日本製のシビアな物作りは心地よいです。特にフォーナインズは服やファッションに対しての意識が高いところが好きですね」
 いくつかお持ちのフレームの中でも新定番として推していただいたのがこのリムレスフレームのタイプです。
「デザインに対してうるさい能書きがない点がいいですね。過度に誇張せず名脇役として馴染むところが気に入っています。着る物とのコーディネートが大切なので、実は色のないメタルは今まで買ったことがありません。時計のベルトやタイなどとのマッチングを加味して、メガネを楽しむことを重視しています」
 メガネだけが浮くことのない見事な馴染みっぷり、参考にさせていただきます!
 
 

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プラスティックフレームを場面ごとに使い分けるのが赤峰さん流です
赤峰さんご持参のコレクション(の一部)。フォーナインズのNP-41やNP-43をはじめ、ペルソールのサングラスなど、シチュエーションや服装で使い分けているそう。

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メンズファッションの巨匠(マエストロ)は服飾界の生き字引!
イタリア語で「出会い」の意味をもつ、株式会社インコントロの代表取締役社長。昨年より新ブランド「アカミネロイヤルライン」のディレクターとしてダンディズムを追求する大御所であります。

グレイ×ブラウンで成熟した大人のスタイリングを構築!
ドーメルのトニック生地を使ったスーツに、ストライプのシャツとイタリア生産のタイをコーディネート(すべてアカミネロイヤルライン)。珍しい茶色のチーフはシャルベ、靴はシルバノ・ラッタンジ。小物をすべてブラウン系にした統一感ある着こなしです。

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2008年10月03日(金)

08FW Akamine Royal Line サンプルセール開催のご案内 [サンプルセール]

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08F/W OCT. SAMPLE SALE

いつもブログをご高覧いただき有難うございます。
2008年秋冬のSAMPLE SALEを下記日程で、当社オフィス(白金台)にて行います。
皆様のご来場をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

 ◆出品アイテム◆
 COAT、SUITS、JACKET、KNITS、SHETLAND CARDIGAN(英国製)、SHIRTS、TROUSERS、MUFFLER(英国製)、TIES

 ◆取り扱い素材(一部の例です)◆
 ・圧縮フランネル、アイリッシュバスケット(COAT)
 ・モヘアトニック、ヘビードライマットウーステッド(SUITS)
 ・モールスキン、クラブストライプ(JACKET)
 ・シェファードチェック、ガンクラブチェックスポーツタイプ柄(SHIRT)
 ・ヘビーコーデュロイ、モールスキン(TROUSERS)
 
 ◆日時◆
 10/16日(木)、17日(金) 10:00〜20:00

 ◆場所◆
 株式会社インコントロ(オフィス兼ショールーム)
 港区白金台5-5-7 ガーデンコート白金台301
 【MAP
 
 *シャツの素材バリエーションも豊富に揃えております*


(サンプルアイテムですので、サイズや数量に限りがございます。予めご了承ください。)


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2008年09月24日(水)

OCEANS 11月号 「パパ男」改造計画 【知】 [OCEANS掲載記事]

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■OC的流儀■感動して知のフィールドを広げる!
“知の巨人”に聞く!感動力の高め方

素晴らしい男=「パパお男」になるためには、常に知的好奇心が旺盛で“知のフィールド”を広げていくことに貪欲でなければなりません。そして、そのために不可欠なことは“心をふるわせる=感動すること”。しかしながら、現代人はそうやって感動することが少なくなってきています。だからこそ、今改めて“感動力”を高める必要があるのです。
ということで、本誌にて「オトナ相談室」を連載中の赤峰幸生氏とスペシャルゲストに松山猛氏を招き、感動力の高め方について伺いました。
“知の巨人”が語る、歯に衣着せない“言葉”には、感性を呼び覚ますヒントがいっぱいです!

 
 

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今回の対談では「感動力の高め方」がテーマです。まずは、最近、感動したことを教えてください。
赤峰氏(以下、敬称略)  8月に東京国立博物館での企画展「対決 巨匠たちの日本美術」を観て、感銘を受けました。中世から近代までの日本美術史に名を刻む巨匠たちをふたりずつ組み合わせ、名作を対決させる形で紹介しているのですが、まず、催しを企画した人の意図に感動したのです。
松山氏(以下、敬称略)  僕はその催しは見逃しましたが、対決させることで個々をより際立てたのですね。
赤峰  展示内容の中では、特に(注1)宗達(注2)光琳の対決が素晴らしかった。有名な作品ですが、従来の“作品を観る視点”を変えたことに面白さがある。つまり対決形式によって、従来の作品が新鮮なものに変わりました。思わず夢中になって鑑賞しましたよ。
松山  僕は時計についての評論を生業のひとつとしています。もともと、自分が時計に魅せられて、興味を持ったことについて知識を蓄えることが好きだから、時計についての執筆やコメントを依頼されるようになったのです。今、興味を向けていることは着物。最近は着物周りのものが気になっています。京都文化博物館で開催された日本人の“飾る”という情熱にスポットを当てた企画展「KAZARI 日本美の情熱」は実に感動しました。僕は京都で生まれ育ったこともあり、実は中学生のころから骨董に興味を持ちました。(注3)東寺で行われる骨董市には今でも訪れます。骨董は私の商売ではないから、“自分が気に入り、身近に置いておきたいと思う”、が私の選択基準です。
赤峰  自分の好奇心をとことん追求することは、自然な行為でもあり、知識を高め、感動力を高めることに通じます。私の場合そのひとつが服であり、たまたまそれを生業としているというわけです。
松山  服で思い出しました。昔のことですが、ドイツの「ラコ」というタイに魅せられたことを覚えています。20歳のころ、とても惹かれましたが、高価で手に入れられなかった。
赤峰  ありましたね、ラコ。神戸の元町にある輸入ネクタイの専門店、元町バザーに置いてありました。
松山  今はいたるところに物があり、そしてそれがどこででも手に入る。情報が多すぎます。だから、感動しにくい。お手本となるような、理想の人がいない、とういことにも理由はあるようです。
赤峰  そう。ファッションでは身近な人がお手本であり、憧れでした。私は叔父貴の(注4)清水幾太郎がそうでした。丸善で仕立てたネイビーのブレザーを着ていて、子供心ながらに格好いいと感動していましたよ。
松山  僕にとっての憧れの大人は父でした。中学2年生のときに亡くなったのですが、父の姿は脳裏に焼き付いています。年に2回、仕立屋が家に着てスーツをあつらえるのですが、父が最後に仕立てたスーツは僕が選んだ(注5)バーズアイの生地でした。
赤峰  当時は映画からも影響を受け、そのたびに心をふるわせたものです。
松山  そう。今より映画は情報価値が高かった。スクリーンに映った(注6)ハンフリー・ボガートの腕元に目が留まり、それがアンティーク時計に興味を持ったきっかけでした。その後にアンティーク時計を手に入れて、壊れたので店に持っていったのです。店主が「いい機械が入っているから大事にしろ」と言って、中を見せてくれました。とてもきれいでね。感動しました。それからバックアップのためにと何本かのアンティーク時計を購入して、蒐集がはじまったのです。時計以外でも、服を見るために映画を観たということもありましたね。石原裕次郎、(注7)天地茂など。麻生太郎さんは天地茂を意識した着こなしではないかな。(注8)ジャン・ギャバンが演じるギャング映画も父に連れていってもらった。映画の帰りには洋食屋に寄るのですが、その味にはいつも感動していました。こういったごく日常のなにげないことに、心をふるわせていましたよ。
赤峰  映画はやはり映画館で観なければダメですね。過去の名作を観る手段としては仕方のないことなんだけれど、家でDVDを観るだけでは魅力が半減する。映画館に足を運ぶ、その行為も映画鑑賞に含まれている。簡略化することだけが、すべてじゃない。昔と今の生活の違いはそういったゆとりというか、情緒、つまり「間(ま)」があるかどうかだと思います。先日の北京オリンピックのデジタル花火なんて、情緒のかけらもなかった。やはり本来の日本の花火には、一発一発に「間」があって、余韻を楽しめる。だからこそ感動につながるのだと思う。
松山  デジタルの音楽だってそう。アナログのレコードには独特な音の“揺らぎ”がありました。完璧な音ではないのですが、それが人間的で、心地よく耳に入ってくるのです。正確すぎることはともすれば息が詰まるような錯覚に陥ることもある。
赤峰  私たちが求める「幸せ」にはふたつある。技術の進歩がもたらす「便利な幸せ」と、昔ながらの「便利ではない幸せ」がある。それらに優劣はないが、今の時代に生きるならやはり両者をバランスよく享受していくことが理想です。しかし、今、後者の幸せがどんどんなくなってきている。目を向ける機会すらなくなっているという事態なのです。

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感動しにくい時代と言うことなのですね。では、その原因は何でしょうか?
松山  コミュケーションの取り方が変わってきましたね。人と人が話さなくなった。
赤峰  パリのサン ジェルマン・デ・プレの有名な(注9)カフェ・ドゥ・マゴ。そこで語り合った人々なんかに憧れもあって、私もジャズ喫茶で顔を突き合わせてお互いに目と目を見ながら会話するということに夢中になったことがありました。でも、今はメールで終わり。ブログなんていうものもあるけれど、誰かよく知らない人が何かに感動したからって、気持ちが伝わってこない。
松山  以前バーに行って、隣の席に座っている人が面白い話をしているから、話に加わろうとしたら、変な人だと思われてしまった(笑)。なんだか寂しいですね。
赤峰  ヨーロッパでは汽車の中で、知らない者同士が会話しているのは日常の風景。江戸前なら、相席という文化もあります。
松山  僕は京都から東京に出てきたのですが、東京は下町を知らないとダメだと思ってよく下町に繰り出しました。飲み屋で隣の人と話したり、お酒を見知らぬ人からごちそうになったり、些細なことでも、そこに感動の種は落ちていたように思います。
赤峰  長屋という文化もありました。
松山  現代の高層マンションは立体的な現代版の長屋ですよ。しかし、昔とは勝手が随分と違う。組合内でも携帯電話の番号は教え合わない。個人情報だから、と。隣に誰が住んでいるかもわからない。連絡先もわからない。怖いですよ。でも、それが当たり前。物騒な世の中だからでしょうが、他人に関心がないと思えてなりませんね。もっとおせっかいであってもいいと思う。
赤峰  昔はね、いい顔つきをしたオヤジが街中に多かった。
松山  そう。自分もそんなふうになりたいと思う、格好いい大人が本当に多かった。
赤峰  理念を持っていて生きている大人がいた。その人なりの「生き様」を持っていた。それに比べて今は他人からの評価ばかりを気にしている。「あなたの人生のコンセプトは何ですか?」と問いかけたくなる。
松山  『(注10)平凡パンチ』をはじめ、さまざまな雑誌作りに携わり企画を手掛けました。自分の興味が向く企画ばかりでした。若い人に、「松山さん世代がいろいろな面白いことをやり尽くしたから、今は面白いことがない」と言われることがあります。しかし、それは間違い。今の時代にも興味深いことは山ほどある。ただ、それに気がつかなくなってきているだけ。
赤峰  感性が鈍っている。それはコンクリートに囲まれた都会で暮らす弊害でもあると思います。私は東京生まれの東京育ちですが、果たして東京で暮らすことが幸せなのか、疑問に思います。感性が鈍っている、感動しなくなっていると自覚のある人には、田舎暮らしをすすめたい。都会にはない感動がいっぱいありますよ。
松山  25年ほど前、信州で2年暮らしたことがあります。子育てをするようになって、子供が土を知らないことに気がつき、本物の自然に触れさせたいという思いが理由のひとつでした。自然との接点は人間にとって大切。それが長く失われると、五感が鈍ってくる。感動を得ることが少なくなったというのは、たしかに都会病とも言えるかもしれません。私はさまざまな場所を旅しましたが、そこで改めて人間はどんな人種でも基本はまったく同じ姿だと感じました。生活習慣や宗教が違っても、人間のすることはさほど変わらない。女性を好きになり、子供を作り、子供を育てる。歴史が始まって以来、そういう営みが続いている。この当たり前の営みの中に、感動があることを多くの人が忘れがちだと思うのです。
赤峰  「生きる営み」。朝があり、昼があり、夜がある。自分が生を受けて、この世に存在することのありがたみを感じることは、まさに感動の源泉ではないでしょうか。

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本対談にて初対面した両氏。赤峰さんは東京生まれの東京育ち、松山さんは京都生まれの京都育ち。お互いに日本文化への思いが深く、対談の中で意見が一致することがしばしば。4日違いの8月生まれで、同じ獅子座であることでも“ただならぬ”シンパシーを感じ合っていました。
 
 
 
では、感動力を高めるうえでの身近で具体的な方法を教えてください。
赤峰  やはり本を読むこと、これは欠かせない。近頃は活字離れが進んでいるようですが、本には感動を呼び起こす要素が多い。おすすめの本はたくさんあるけれど、私が何度も読み返すのは(注11)夏目漱石の『こころ』。一読をおすすめしたい本の代表です。(注12)塩野七生の『人びとのかたち』も付け加えたい。映画を観ることの勧めでもあります。
松山  あえて選ぶなら(注13)久生十蘭。そして(注14)ヘミングウェイ。へミングウェイの著作は私を旅へ向かわせたきっかけでもあります。
赤峰  私もヘミングウェイには影響を受けました。常宿にしていたというヴェネチアの(注15)ホテル グリッティ パレスにも、好奇心から何度か宿泊したことがあります。
松山  ヘミングウェイの足跡を辿った(注16)『パパ・ヘミングウェイ』もおすすめの本です。旅は僕たちの価値観を変えてくれる。感動力を高めるためには、有効な手段ですね。

お二人が好奇心の赴くままに訪れ、そして心から感動された「旅」について教えてください。
赤峰  イタリアは何度も訪れている国です。ミラノやローマのような大都市ではありませんが、忘れられないのは(注17)トリエステ。感動的な都市でしたね。同じイタリアでも、ここまで多文化が混ざり合う場所も少ない。詩人ウンベルト・サーバの本屋は一見の価値があります。
松山  僕は、奇才(注18)ガブリエレ・ダヌンツィオに興味を抱き、彼の暮らしていた家を見るためにイタリアのヴィットリアーレを訪れました。非常に思い出深い旅でしたね。
赤峰  いろいろな場所に赴く旅もいいですが、過去に行ったことのある場所へ再び行くという旅もおすすめしたい。昔と今では感じるものが違う。その違いを実感することにも大いに意義があります。
松山  そういう意味では早く行ったほうがいい場所もある。オーストリアのザルツブルグは素晴らしい景観の街ですが、3年ほど前に再訪したときはマクドナルドができていた。一概にマクドナルドが悪いわけではないが、かつての趣はありません。
赤峰  アメリカによる(注19)グローバリゼーションですね。あと、東京の下町も様変わりしている。かつての情緒や風情は急速に失われています。
松山  日本はヨーロッパと比べて、歴史的建造物へのリスペクトが少ない。常にスクラップ&ビルドを繰り返している。もっと日本の文化に誇りを持ってしかるべきです。日本から影響を受けた文学や芸術も世界には数多い。(注20)ゴッホの『梅の注花』がまさにそう。歴史を紐解けば、私たちの住む日本には世界に誇る文化が溢れていることがわかります。
赤峰  しかし、そこに人々はそこに気づかない。だからこそ、感動力を高める必要がある。旅での非日常は感動を呼び起こすきっかけになります。また、己を知る体験でもある。つまり、価値観、そして生き方を変えるきっかけとなる。だからこそ、もっと旅をしたほうがいい。仕事に追われているばかりでなく、しっかり休んで旅に出るのです。

お二人の生きていくうえでの心構え、座右の銘のようなものがあれば教えてください
松山  「迷いの中に悟りがあり、悟りの中に迷いがある」。平たく言い直すと、頭の中で考えることはタダ、請求書は送られてこない。人間、どこで暮らしていても思考を巡らせることはできる。その行為をどんどん楽しんでほしい。私自身、どうしたらもっと人を楽しませることができるかを、これからもずっと考えいていこうと思います。
赤峰  先ほども言葉に出しましたが、「生きる営み」に尽きます。家族と過ごす、毎日のなにげない生活ほど素晴らしいものはないでしょう。そして、普段の生活の中にこそ、得難い感動が潜んでいると思います。映画を観たり、本を読んだり、旅をしたり。それらも感動力を高めるための有効な方法。ただし、それ以上に普段の生活で見つける感動のほうが、よりリアルに、心をふるわせます。冒頭でお話した「対決 巨匠たちの日本美術」のように、見慣れたものを少し違う角度で見てみる。そんなちょっとした行為が感動の種を見つけるきっかけになると思うのです。自分とは何か、家族とは何か、そうやっていつも問い続けることを忘れないでください。感動力とは、あなたのすぐそばにあるものを使って簡単に高めることができます。誰にでもできる、決して難しいことではないのですから。
 
 
 
(注1) 「宗達」
俵屋宗達。生没年不詳。尾形光琳が私淑し「琳派」の祖ともいわれるほどの江戸時代初期の大画家。「風神雷神図屏風」ほか3点が国宝に指定されている。風神雷神図のような装飾的大画面だけでなく、水墨画の名作も世に残している。江戸時代後期〜明治時代にかけては評価が低く、光琳の絵のほうが上だと見做されてきたが、現在では光琳勝るとも劣らないほどに評価が高い。


(注2) 「光琳」
尾形光琳。1658年〜1716年。江戸時代の画家、工芸家。後に「琳派」と呼ばれる背景に金銀箔などを用いた装飾的大画面を得意とする画派の代表的画家。その非凡なデザイン感覚は「光琳模様」という言葉を生み、現代に至るまで日本の絵画や工芸、ヨーロッパの印象派にまで大きな影響を与えた。


(注3) 「東寺で行われる骨董市」
京都の東寺で開催される弘法市のことで、祖師空海入寂の3月21日を期して、毎月21日に御影堂で行われる。当初は年に1回行われていたものが、1239年以降は、毎月行われるようになった。


(注4) 「清水幾太郎」
1907年〜1988年。社会学者、評論家。赤峰氏の叔父にあたる。優れた日本語の書き手としても知られその著書は多数。学習院大学では教授を務めた。当時、皇太子時代の今上天皇が外国訪問のため皇太子の出席日数が足りなかった際、外国訪問を授業の代わりとして単位を与えるとする案が出たが、これに対し「他の学生が苦労して単位を取得しているのに、皇太子だけを特別扱いする訳にはいかない。それならば聴講生になってもらえばよい」と反対したというエピソードは有名。


(注5) 「バーズアイ」
文字通り「小鳥の目」という意味で、円の中に点が入った一種の水玉模様を全体に散りばめた織り柄。
 

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(注6) 「ハンフリー・ボガート」
1899年〜1957年。ニューヨーク出身のハリウッド映画俳優。ボギーの愛称でも知られる。代表作は『カサブランカ』。トレンチコートに煙草がトレードマーク。


(注7) 「天地 茂」
1931年〜1985年。1965年、三島由紀夫の依頼により、美輪明宏主演舞台『黒蜥蜴』で明智小五郎役を演じ、これが大当たりの役となる。ハードボイルドの代表的なスターであり、ニヒルな眉間のしわで“マダムキラー”の異名を持った。

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(注8) 「ジャン・ギャバン」
1904年〜1976年。フランスの映画俳優。歌手としても活躍。一癖も二癖もあるならず者やお尋ね者を得意とし、ギャング映画に数多く出演。深みのある演技と渋い容貌で絶大な人気を誇り、1954年にはジャック・ベッケル監督の『現金に手を出すな』に主演し、後にギャバンの代表作とも言われるほどの名演を見せる。日本の特撮作品『宇宙刑事ギャバン』の名前は、彼から取られている。

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(注9) 「カフェ・ドゥ・マゴ」
1920年代に文学者や芸術者、左翼知識人のたまり場となったパリのカフェ。第二次大戦の兆しが見え始めたころ、人々が政治的な議論をしに集まり、サルトルやカミュなどを筆頭に実存主義者の根城になったという。その後、ピカソやヘミングウェイにも親しまれた。


(注10) 「平凡パンチ」
1964年、平凡出版(現マガジンハウス)から創刊。ファッション、情報、風俗、グラビアを扱う男性向け週刊誌として、人気を博す。

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(注11) 夏目漱石の『こころ』
1867年〜1916年。日本の小説家、評論家、英文学者。『吾輩は猫である』、『三四郎』、『坊ちゃん』で広く知られ、森鴎外と並ぶ明治・大正時代の大文豪と称される。写真の『こころ』は友情と恋愛の板ばさみになりながらも結局は友人から恋人を奪ったために罪悪感に苛まれた「先生」の遺書を通して、明治人の利己を追う代表的な作品。

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(注12) 塩野七生の『人びとのかたち』
1937年生まれ。東京都出身の作家。1963年からイタリアへ渡り、1968年に帰国すると執筆を開始。雑誌『中央公論』掲載の『ルネサンスの女たち』で作家デビューを果たす。現在はイタリア永住権を得て、ローマ在住。ローマ帝国興亡の歴史を描いた全15作の『ローマ人の物語』が有名。同作で司馬遼太郎賞の受賞、イタリア政府より国家功労勲章受章、文化功労者に選出される。『人々のかたち』は、自身に多大な影響を与えた映画を題材に、人生の奥深さというものを語る力作。


(注13) 久生十蘭
1902年〜1957年。北海道函館市出身の小説家。推理もの、ユーモアもの、歴史もの、現代もの、 時代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手がけ、博識と技巧で「多面体作家」、「小説の魔術師」と呼ばれた。「黒田騒動」(1624年に福岡藩主の黒田忠之とその側近と筆頭家老などの間に生まれた軋轢から10年に及ぶお家騒動)に巻き込まれ破滅に向かう人間像を描いた『鈴木主水』で、1952年に第26回直木賞を受賞した。

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(注14) ヘミングウェイ
アーネスト・ヘミングウェイ。1899年〜1961年。アメリカの小説家・詩人。カジキと闘う孤独な老漁師サンチャゴの物語を描いた『老人と海』は、1954年にノーベル文学賞受賞のきっかけとなった作品として有名。また、彼を語る上で外せないのが釣りから狩り、ボクシング、闘牛を楽しむアメリカ的で男らしいライフスタイル。世界中から「パパ・ヘミングウェイ」の愛称で今なお親しまれる20世紀を代表する人物。

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(注15) ホテル グリッティ パレス
ヴェネチアの旧市街中心地にある高級ホテル。共和国時代の統領アンドレア・グリッティの居住館として1525年に建設され、バチカン市国の大使館としても使用されていた歴史を持つ。英国ロイヤルファミリーやウィンザー公、モナコのプリンセスなどの著名人が顧客として名を連ねていたことでも有名。


(注16) 『パパ・ヘミングウェイ』
著者であるA.E.ウォッチナーは、ヘミングウェイの親友。この作品では、ほかでは見られないヘミングウェイの素顔に迫った伝記。日本では1967年に早川書房から出版された

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(注17) トリエステ
旧オーストリア領、第一次世界大戦によりイタリア領となった都市。第二次世界大戦後に南部はユーゴスラビアが占領した経緯もあり、トリエステにはイタリアとオーストリア、そしてユーゴスラビアなどの多文化が入り混じる。現代イタリア三大詩人の一人として知られる、ウンベルト・サーバが生まれ育った場所。

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(注18) ガブリエレ・ダヌンツィオ
1863年〜1938年。イタリアの詩人であり作家、劇作家。ファシスト運動の先駆とも言える政治的活動を行ったことでも知られる。16歳にして処女詩集の『早春』を出版した。ファシズムの創始者とされるムッソリーニとの親交も深く、多大な影響を与えた人物とされている。


(注19) グローバライゼーション
従来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模で複数の社会とその構成要素の間での結びつきが強くなることに伴う、社会における変化やその過程。この言葉はさまざまな社会的、文化的、商業的、また経済的活動において用いられる。使われる文脈によっては、世界の異なる部分間の緊密なつながりを意味する場合もあれば、負の側面、つまり工業や農業といった産業が世界規模での競争にさらされることで維持不能になるなどの搾取の要素を指す場合もある。グローバリゼーションの進展については賛否両論があり、現在さまざまな分野においてその功罪が議論されている。

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(注20) ゴッホの『梅の開花』
1853年〜1890年。オランダで生まれ、主にフランスで活動したポスト印象派の代表的画家。現在でこそ高い評価を得ているが、不遇の生涯を送っており、生前に売れた絵は「赤い葡萄畑」のたった一枚だけであったとういう。「梅の開花」は1887年に彼が描いた作品で、日本の浮世絵に影響を受けたとされるもの。1887年の作。

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松山 猛 [OCEANS掲載記事]

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■Profile■
関西を中心にフォークソングの作詞などを手掛け、代表作に「帰ってきたヨッパライ」などの作詞、「イムジン河」の訳詞など。東京に移住後は「平凡パンチ」、「ポパイ」、「ブルータス」などでライター、編集者としても活躍。フジテレビ系「ワーズワースの庭で」、「ワーズワースの冒険」レギュラー出演なども。また趣味人としても知られ、特に時計の造詣が深く、現在は機械式時計のご意見番でもある。

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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MEN'S EX 4月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.22

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MEN'S EX 5月号 菊池武夫と赤峰幸生が選んだ 古今東西お洒落な男 BEST5

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