AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2008年10月24日(金)

OCEANS 12月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・・・などなど。
30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、
少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。
そんな皆さまの“駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さんの質問にお答えするのは、“人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に救いの手を差し伸べてくれるハズ!
では皆さん、ご一緒に! 教えてっ、マエストロ!
 
 
今月のテーマ
“男ヂカラ”

[今月の質問]
毎月「オトナ相談室」を拝読しております。実は私は未婚。オーシャンズのような子供を持った家庭を作りたいと願っているのですが、肝心の結婚相手が見つかりません。これまでに3度、結婚を申し込んだことがあるのですがすべて惨敗。どうしても最後にはフラれてしまうんです。私の同年代の友人たちがほぼ全員結婚しているのですが、その後離婚をしたカップルがすごく多いんです。そんななか、私は“焦り”を感じずにはいられません。こんな私は、結婚はおろか、結婚した後もその関係をうまく持続していくことができるのでしょうか。また、結婚後に温かい家庭を築いていくうえで、大切なことは何でしょう。そもそも、結婚の前と後に男性に求められる条件とは、異なるものですか。(34歳・愛知県在住・医療会社勤務・S・Oさん)

 
 

Q.晩婚や離婚は当たり前。そんななか、結婚をしたくてもできない人々が急激に増えてきているようです!これって、深刻すぎません?一体どうなってるんですかっ!
 てめぇ、このやろう!そんなことをオレに聞くなっ!てめぇで考えやがれ!
 と言いたいところだが、まぁ、重要な問題だ。せっかくだから、腰を据えて考えてみようじゃねえか。
 確かに今、結婚をしたくてもできない、そんな時代であることは事実のようだ。「(注1)婚活」という言葉が生まれたことが、まさにその証左。結婚に対する積極的な活動。そんなことは当たり前だと言いたいが、社会の変化がそれを余儀なくさせた。結婚というものが生きていくうえで必要な“必需品”から、あればあったで生き方を彩る“嗜好品”へと変わったのだ。そして、男性と女性それぞれの価値観も変化し、結婚を満たす条件がぐんと難しくなった。しかし、だからといって、それほど難しいことではないように思える。古今東西、受け身でいては結婚などできようもない。問題は、端的に言えば“男の力”が弱くなってきていることにある。もちろん「年収」などの細かな条件はあろうが、「婚活」には、もっと根本的な“男ヂカラ”を早急に高める必要がある。
 そして、これはなにも「婚活」をする男性、つまり結婚予備軍だけに限った話ではない。既に結婚している男性も同様だ。未婚・既婚を問わず、“男ヂカラ”を高めることは、この現代社会において重要な課題であると考えたほうがよい。

Q.なるほど“男ヂカラ”ですか!でも、マエストロ、未婚・既婚問わずというのは、どうしてなんでしょう?
 ばか野郎っ!お前は、本当に何もわかっていないな。あきれて物も言えん!そもそも結婚とは何か?「婚活」という言葉の誤った理解は、「結婚=ゴール」としてしまうことだ。言うまでもなく、結婚はゴールではない。結婚とは、長い人生における第2のスタートラインに立ったにすぎないのだ。結婚とは簡単なものではない。しかし、「結婚生活の安定した持続」は「結婚」よりも明らかに困難である。つまり、「婚活」はもちろんであるが、結婚後いかにその生活を安定して維持していくかという目的を忘れてはならない。そのための“男ヂカラ”でもある。「婚活」という言葉に踊らされているばかりでは、多くの男性が、この真の目的を見失うことになる。

Q.なるほど、結婚するのは簡単。難しいのは結婚生活の維持だ、と。では、改めて、既婚・未婚に限らない“男ヂカラ”とは、何でしょう?
 結婚とは単なる「日常の営み」の連続だ。そして、結婚相手とは「共同生活者」だ。あえて言うなら、“男ヂカラ”の真価は結婚してからの、毎日の生活で問われることになる。そして、“男ヂカラ”とは、誤解を恐れずに言えば「強い男」になることにほかならない。時代は変わっても「女性は強い男に憧れる」。これは、生物学的な原則と言ってもいい。だが、現代の男の多くは、その強さに欠ける。そして、ときにその強さを「優しさ」と混同しているのだ。
 結婚生活を「日常の営み」とするならば、生活していくうえでの「役割分担」は最も大事なことだ。言うまでもなく、家事や育児のすべてが妻の役割ではない。妻が炊事をするなら、夫は掃除に洗濯。私とてゴミ出しからトイレの掃除、いろいろ役割を担う。生活していくうえで必要な仕事は分担して当然。妻が専業主婦だろうが共働きだろうが、そんなことは別問題である。
 しかしながら、それが男の優しさだと思っているとしたら勘違いも甚だしい。あるいは、それを相手の顔色を窺い、機嫌を取るためにやっているという輩には、ひと言。ばか野郎っ!である。そんなものは、「まやかしの優しさ」にすぎない。私に言わせれば、「夫婦ごっこ」をしているにすぎないのだ。“男ヂカラ”とは、まずこの「まやかしの優しさ」をなくすことから始まる。家事や育児には、必要であるから参加する。それ以上でもそれ以下でもない。

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(→)実はマエストロ、平日でも休日でも時間があれば早朝にジョギングをして汗を流すことが多いとか。仕事は健康な体があってこそ、と語るとおり、ジョギングにも全力投球で励む姿からは、並々ならぬ生命力を感じずにはいられません。運動不足に不摂生と負の連鎖に悩んでいる我々も、ぜひともマエストロを見習いたいものです!

Q.結婚したり、付き合ったりして生活をともにすると、ふたりの価値観の違いが浮き彫りに・・・・。こんな話をよく聞きます。そんなときはどうすれば?
 てめぇ、この野郎!オレは「家族サービス」なんて言葉は大嫌いだ!「仕方なしにやっている感」が強く「ありがたく感じろ」、と言っているようなものではないか。だから、家族と過ごす時間が負担に感じられてしまうのだ。原因は己にある。家族と過ごす休日の時間を、妻や子供と同じように自分も楽しめばいい。自分が楽しめれば、それはサービスではない。「仕事で疲れているから休日は寝かせてくれ」なんていうのは言語道断。世の多くの男性には、家が仕事に奔走するための休息の場。しかし、本来は逆。いや、むしろ、その両方が勝負の場であってほしいと思う。毎日を充実して過ごすためには、どちらにおいても全力投球することは、豊かな人生を過ごすことにつながる。「家族サービス」なんて考えは改めて、休日は自分も家族と一緒になって楽しむことだけを考えろ。趣味に費やす時間が取れないなら、家族との時間を使える、新しい趣味を作ればよい。休日を「楽しみ尽くす」ことは、己を高めることに直結する。これは、結婚前でも同様だ。「楽しみ」に対して消極的になってはいけない。楽しいことを追求しなくなったら、生きている意味がない。“男ヂカラ”とは、貪欲に楽しみを追求することでもある。そうやって普段から自分を積極的に極めていく姿勢が、“男ヂカラ”を高めていくうえで必要不可欠なのだ。

Q.必要なことを“必要だから”する。でも、「家族サービス」を負担に感じる男性は多いとか。でもこれ、「強い男」には、不可欠ですよねっ!
 結婚すれば、確かにそれまでの関係性ではなくなる。文字どおり「共同生活者」になるからだ。しかし、結婚とはそういうものだ。双方に言えるのは、すべてのことについて「お互いさま」という自立した気持ちを持つこと。お互いが助け合って、はじめて生活が成り立つ。結婚後、価値観の違いに悩むのは、他人同士なのだから当たり前。むしろ、価値観の違いがあってこそ、面白みがる。違いは、認め合い、擦り合わせ、そして共有する。そのためのケンカならば大いにすればよい。しかし、最後には必ず男が女に謝る、そんなケンカならしないほうがまし。女が間違っていると思うなら、そう強く諭せばよい。どちらか片方の我慢が続くようであれば、長続きはしない。価値観の違いを認めない相手には、そこで諦めずに、認めさせる努力をするべきだ。最近ではすっかり見られないが、女性を育てる、というのも男の役目。互いに高め合える関係が理想だ。デリケートな気配よりも、それを前提とした男らしい牽引力を養え。亭主関白な立ち居振る舞いとは限らない。ときには怒鳴る。女に対して、感情に剥き出しにして主張をしてみろ。“男ヂカラ”には見せかけの優しさなど不要だ。既婚・未婚にかかわらず、本当に相手の女性を思うなら、それが当然だろう。信頼は安心感は、そんな関係の中で育まれるのだ

Q.もし、「イイ女」に出会ったら・・・・・。いったい、どう対処すれば?それが心配でなりませんっ!
 てめぇは、本当にばかなのか?いや、大バカやろうだな。まぁ、とはいえ世の中にはイイ女は山ほどいる。あえて言うなら、心配するのは、お前がその女性との肉体関係を求めてしまっているからではないか。肉体関係だけが男女の関係ではない。それが目的になってしまえば、その関係は長続きせずすぐに終わってしまう。それでは、せっかくのイイ女が台無しだ。そうではなく、本当にイイ女が現れたなら、友人として長く付き合っていけばよい。性別を問わず友人の数は“男ヂカラ”に比例する。友人とは、己を高める肥やしとなる。そういう意味では“男ヂカラ”を高めるために、どんどんイイ女、そしてイイ男を見つけなさい
 結婚生活とは、山あり谷あり。旅のようなものである。立ち止まることも、道に迷うことも、ときには道を間違えることもあるだろう。しかし男である以上、あなたは進むべき道を、常に前に立って示すように努めなさい。それは、自分本位でという意味ではない。あなたの夢や理念、そして信条は、女性にあなたの背中を見せることで示しなさい。独身の方であってもそう。普段からそう心がける。“男ヂカラ”とは、そうやってあなたの背中に宿るのである
 
 
(注1) 「婚活」
家族社会学者の山田昌弘氏と少子化ジャーナリスト白河桃子氏による造語。就職活動を意味した「就活」と同じく、結婚のための積極的な活動を「婚活」と称した。共著『「婚活」時代』(ディスカバー・トゥエンティー・ワン)が詳しい。

 
 

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−近ごろのマエストロ−
パリで「プリミエール ビジョン」、ミラノで「ミラノ ウニカ」の生地展に行ってきた。かれこれ30年は通い続けているが、今回はこれまでにない変革期にあると感じた。今後は地球規模で捉えた、オーガニックなものとエスニック(=民族的)なものとが軸となっていく予感がした。非工業化、非効率化されたもの、つまり、手織・手編・手染・手縫・手紡といった“時間をかけて手仕事で作り上げた本物”が求められる。早くて安い、そんな無味乾燥なファッションの対極。世界全体で消費が停滞しているからこそ、安易な買い物をやめ、こういった本物を見極めることが大事だ。

■皆さんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッションetc.・・・・・・、日ごろ読者の皆さんが抱える悩み、疑問など、相談したいことを何でも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!インターネットの場合は[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、「NEWS」から投稿してください。郵送の場合はハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G「オトナ相談室」への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 オーシャンズ編集部「オトナ相談室係」まで。

Posted by インコントロ STAFF at 00時00分   コメント ( 0 )

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赤峰さん的秋冬の着こなしテク

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朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘Vゾーンの色は足さずに拾う’』2012年11月17日(土)掲載

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