AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年02月24日(土)

OCEANS 4月号 連載#13 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



グレーの“粋”

 今年1月、次の秋冬に向けた服飾見本市(注1)ピッティウォモに行ってきた。クラシックには流行りという概念はないが、旬というものはある。メーカー主導とはいえ、時代性として少なからず意識し、柔軟な姿勢で取り入れることを推奨したい。では、その具体的な内容であるが、イタリアを中心に世界中のメーカーが集うピッティの会場で、注目すべきは(注2)グレーであった。ライトからミディアムまで、(注3)明るいトーンのグレーがこれほどに目立ったことは、かつてないようにも思われる。これは今季の春夏にも通じるトレンドだ。スタンダードなカラーゆえに、着こなしは比較的、容易に思われるが、黒やネイビーに比べて、ごまかしのきかないカラーであることに留意したい。まず、グレーは無彩色であるがゆえに、光の当たり具合やドレープにより、素材感が際立って見える。だからこそ、グレーは(注4)上質な素材であることが他の色以上に求められる。かつて、日本ではグレースーツと言えば、ネズミ色スーツと揶揄されたこともあるが、質のいい素材のピュアなグレーは実にエレガントだ。そして、質のいいグレースーツやジャケットは、旬でありながら10年以上着続けられることも魅力的だ。
 上質なグレーのスーツやジャケットを手に入れたなら、次は着こなし方が課題。日本人はとかく、(注5)単品へのこだわりが強い。しかし、スーツやジャケットを着たときのエレガントな見せ方のポイントは、ズバリ色合わせのみ。点ではなく線で見せる、つまり、どのように色を繋げるかということだ。無難なのは黒。ただし、グレーに合わせる場合、黒の分量は少なめに。全体が重くならないようにしたい。そこで、おすすめしたいのは茶だ。その際はグレーと茶のトーンが揃うように心がけたい。自然に色が繋がっているようなハーモニーが、エレガントに見える秘訣。赤や青などアクセントカラーを差し込むなら一色だけ、しかも小さな面積で。ビジネスシーンはもちろんだが、この春夏にはグレーをベースにしたスポーティな着こなしもおすすめだ。今回は参考になるように、2パターンをご覧いただこう。
 

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ドレスマインドを宿した、リゾートでのシックな着こなし
ダブルブレストのジャケットは、赤峰氏がディレクションを手がけるプライベートブランド、Y.アカミネの2007年春夏コレクションからの一着。素材はウールのようにソフトな手触りを得られる平織りのコットン。ラペル幅が広めで、着丈はやや短く、ドロップはきつめ。また、玉縁ポケットで、白の貝ボタンを採用している。イタリアンカラーの白シャツをインナーに、パンツは茶のコーデュロイ。足元はストール マンテラッシのスエードスリッポン。ジャケットのライトグレーのトーンに対して、パンツと靴の茶のトーンを揃え、キレイなグラデーションを作っているのがポイントに。

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ダブルブレストのスーツは、ポロシャツを合わせて脱力で!
フィレンツェのテーラー、リベラーノ リベラーノにて8年ほど前に仕立てた6ボタンダブルブレストのスーツ。素材は英国のテキスタイルメーカー、ウィリアムハルステッド社のキッドモヘア。グレーのオーセンティックな一着は、長く使える現役選手、そんな見本でもある。インナーのポロシャツは、シーアイランドコットン製。かつて赤峰氏がディレクションしていたグレンオーバーのもので、28年ほど前から愛用。カラートーンを合わせているとともに、素材感のハーモニーも絶妙。手にはペルソールのサングラス、足元は右と同じスエードのスリッポン。

(注1) 「ピッティウォモ」
毎年1月と6月にイタリアのフィレンツェにて催されるメンズの国際服飾見本市。クラシコ・イタリア協会に属するメーカーを筆頭に、クラシックからストリートまで、世界中のメーカーが集う。それに伴い、世界中のバイヤーも勢揃い。次のメンズファッショントレンドが模索される場所なのだ。


(注2) 「グレー」
1月のメンズミラノコレクションでもグレーが主流。つまりこのグレーのトレンドは今年の秋冬まで続くということ。2006年6月号の本誌でも、「都市型グレースーツ」を特集。


(注3) 「明るいトーン」
グレーはトーンによって、さまざまなカテゴリーに分かれる。特にトレンドとして浮上しているのは、ライトグレーからミディアムグレー。チャコールまではいかないミディアムダークまでの、比較的明るめのトーン。


(注4) 「上質な素材」
特に注目すべきは、モヘアやシルクの混紡されている素材。シャイニーなグレーが、春夏にふさわしい清涼感を演出し、シックな雰囲気を醸し出す。


(注5) 「単品へのこだわり」
スーツやジャケットを購入する際には、どのように着こなすのかを頭の中でイメージすることが重要だ。ブランドのネームに惑わされがちだと単品を選んでしまう!とは赤峰氏の指摘。

 
 
 

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写真集「Dressing in the Dark」を見ると、映画のシーンからメンズスタイルが考察できる。グレーの着こなしで参考となるのは、左のジョージ・クルーニーの着こなし。グレージャケットに白シャツが、シンプルでシック。

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写真集「ALBUM ANTONIONI」より。参考にしていただきたいのは、椅子に座っているジャック・ニコルソン。グレーのこなしではないものの、脱力しながらもエレガンスをキープしているのが洒脱。

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

赤峰氏がプロデュースする「きもの」のスミズーラ会を紹介!

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ニッポンの男ならしっかり着こなしたい「きもの」。ということで、今月は赤峰氏がセレクションする「きもの」スミズーラ会「柳裳苑」を読者だけに特別ご紹介!3月11日、12日に東京はホテルニューオータニの芙蓉の間にて開催。会場では洋服と同じ色あわせで、氏が考える王道の5つのコーディネートが楽しめます。紋付き袴、おめし、つむぎ等を全国各地から調達。また、帯や雪駄にいたる小物まで用意し、皆さまのご来場を心よりお待ちしています。(ホテルニューオータニ)

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2007年02月11日(日)

朝日新聞 be on Sunday 日曜ナントカ学 『スーツはすぐれもの』に紹介されました [朝日新聞掲載記事]

弊社の代表赤峰の一部コメントと画像が、朝日新聞 be on Sunday ('07年2月11日付)の日曜ナントカ学:「スーツはすぐれもの」に株式会社オンワード樫山大沼勉専務・英国羊毛協会会長Mr.アークロイド氏らと一緒に日本の紳士服業界を代表して、ご紹介いただきました。

団塊世代の定年退職を目前にニッポンのサラリーマンの制服:スーツに変わるファッション提案についてコメントさせていただいています。また、近年赤峰も参加しているジェントルマンズサミットを主催しておられるテーラーケイドの山本祐平さんのコメントも合わせて紹介いただきました。

是非ご一読ください。




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2007年02月09日(金)

インコントロ“X”第4期開講のお知らせ [INCONTRO NEWS]

'07年3月から新たに第4期インコントロ“X”(赤峰私塾) をスタートいたします。
3月6日(火)迄、順次お申し込みをお受けしています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

詳細はこちらをご覧下さい。>>

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2007年02月06日(火)

MEN'S EX 3月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.10 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
2人の気分の紺ジャケット

本連載6回目('06年11月号)で「『Be Buffalo Forever!』の名を冠したジャケットを作ろう」企画が持ち上がったのをご記憶でしょうか?
4ヶ月の時を経て、この度遂に完成の運びと相成ったわけですが、いやはやお2人のこだわりが詰まった1着は、実に見事な出来映えでした。当然、今回の対談テーマはそれ。
お2人は今日も舌好調です!

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■Be Buffalo Forever!の別注ジャケット■
 
■(写真右)赤峰幸生氏
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたシャツ
・1940年代の英国製ヴィンテージスカーフ
・ジョン・スメドレーのニット
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたウールパンツ
・エドワード グリーンのシューズ
 
 
 
■(写真左)菊池武夫氏
・CA4LAの帽子
・40カラッツ&525のコットンプリントシャツ
・アンセ・ムーレのスカーフ
・ロダのカシミアチーフ
・Gスターのブルージーンズ
・カチンのアリゲーターシューズ

 

菊池武夫×赤峰幸生×M.E. 夢のコラボジャケット完成!
40カラッツ&525にて限定20着!8万9250円

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モーリス・ロネをイメージした、トリプルネームジャケットです
今回のジャケットのテーマは「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネ。ドロップしつつも美しいショルダーライン、浅めのベントや短めの着丈など、当時のパリの雰囲気を見事に再現した1着です。玉縁ポケットで、袖口のボタンは3つ。2月6日(火)より、タケ先生のお店「40カラッツ&525」にて、限定20着のみ展開されます。8万9250円(ビー バッファロー フォーエバー!/40カラッツ&525 tel03-3408-8562)

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生地はエンブレム社のコットンリネンを使用
アイルランドはエンブレム社のコットンリネン(コットン55%、リネン45%)。ヘビーウェイトすぎずでも打ち込みはしっかりしていて、着るほどに味が出ます。

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夢のコラボジャケットのスペシャルタグです
今回のトリプルネームタグ。上の帽子マークがタケ先生の「40カラッツ&525」、中央が赤峰さんの「Y.AKAMINE」、下に「Be Baffalo Forever!」の名前が入ります。

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■長いプロセスを経てようやく完成しました■

お2人のこだわりが満載です
◇上・上中 最初にテーマを決め、打ち合わせを重ねてディテールや生地などを決めていきました。
◇下中 菊池さんオススメのパリの生地屋に、赤峰さんと生地を探しに行きました。
◇下 パリの生地展、プルミエールヴィジョンにて。今回使用したエンブレム社のジム・コンウェイ社長と赤峰さんの2ショット。
 
 

■いいバランスで出来上がったと思います
M.E.  昨年の11月号で、「連載のタイトル『Be Baffalo Forever!』をブランド名にしたジャケットを作りましょう」という企画が持ち上がり、その後お2人の力を結集して着々と作業を進めていただいたジャケットがこの度遂に完成しました。いろいろとこだわりが詰まった1着になったかと思いますが、まずは実際に袖を通した感想を伺いたいと思います。
菊池  本当にいいバランスに仕上がったと思いますよ。そもそもこのジャケットを作るにあたって、みんなで打ち合わせを何度か繰り返し、最終的にフランス映画の「死刑台のエレベーター」をテーマにしようと決めて進めていったのですが、そのあたりの雰囲気はしっかりと表れていますね。例えば着丈は短いんだけど、今風にピチピチしているんじゃなくて、どことなくゆったりした感じがあるところとかね。あとはポケットの位置をやや低くして、ベントを浅くしたのもポイントです。全体のバランスは非常によくまとまっていると思います。
赤峰  菊池先生のおっしゃるとおりですね。テーラード感を保つことのできるギリギリのレングスが絶妙です。しかも、ゆったりとした感じに見えるんだけど、肩にキチッとハマっているから非常に吸い付きもよくて、肩甲骨のあたりの線がちゃんとキレイに出ています。最近のジャケットは、これくらいの着丈になるともうちょっと肩が中に入ったりしているんですけど、これはフレンチの流れを汲んでいるからドロップショルダー気味に仕上がっていますよね。
菊池  それってまさしく今の僕の気分なんです。ゆとりがあるっていうのかな。今の男のエレガンスって、なんでもかんでもイタリアに向かっちゃってますけど、そうした流れに対するひとつのカウンターとして今回のジャケットはあると思います。
赤峰  着丈がちょっと短くて、ベントは浅め。肩のラインはややドロップ気味だけど、意外に硬直的で存在感があって、なおかつ腰にかけては少し絞り感もある。まさしく'60年代のフレンチアイビーの現代版アレンジといったところですよね。
菊池  ドロップサイズも6から7の間ぐらいじゃないですか。今の細身のものってだいたい8ぐらいでしょ。だからシルエットもだいぶ違いますよ。カジュアルにジャケットが出来上がっているっていうのかな。ストンと落ちたシルエットは一見するとダサく映るかもしれませんが、そういった雰囲気ってしばらくなかったから今になって凄くカッコよく見えるんですよね。
赤峰  クラシコイタリアだとか、肩パッドのないアンコンジャケットといった流れがあって、その後はタイトフィットが隆盛を極めている状況が続く中で、改めてこのジャケットを手に取ると、適度なゆとりが感じられて不思議と新鮮さを覚えるっていうのはあります。まさにモーリス・ロネ(『死刑台のエレベーター』の主演俳優)のイメージで、フレンチシックに着こなしたい1着ですよね。

■カーディガンのようにさらっと羽織る
M.E.  生地にもこだわりました。赤峰さんとは一緒にパリの生地展や生地屋巡りもしましたよね。
赤峰  アイルランドのダブリンにある「エンブレム社」ってところの、コットンリネンを使用しています。ラルフ ローレンやジョルジオ アルマーニにもデリバリーしている生地屋ですよ。ここの社長は昔から知っていましてね。かれこれ30年前でしょうか。彼が日本に初めて売り込みに来たときに最初に買ったのが僕でして、彼とはそれ以来の付き合いなんです。アイリッシュリネンの中には糊で固めたようにハードなものもありますけど、ここの生地は割りとソフトなフィニッシュになっているのが特徴です。
菊池  アイリッシュリネンだからか、やっぱり少し光沢がありますよね。コットンリネンだと普通はそんな感じはしないんだけど、これはいい具合にツヤが入ってる。そしてなんといってもカジュアルに見えますよ。ウールだとこうはならなかったでしょう。
赤峰  普段着感があるのは断然こっちでしょうね。で、そのほかの利点としてはリネン100%だとシワが出やすいけど、コットンが入ることによってそれが目立たなくなりますよね。
菊池  そうです。だからこれはシワが目立ちにくいうえに、麻のタッチも残ってますから、そういう面でよかったんじゃないかと思います。
赤峰  バリエーション的にはいろいろな合わせ方ができると思うんですよね。オーソドックスに考えれば、僕のようにグレイパンツに合わせるというのもあるし、一方で菊池先生のようにデニムとのコンビネーションで合わせる手もある。着こなしの選択技は相当多いと思います。
菊池  いや、本当にレンジは広いですよ。色もネイビーで合わせやすいですし。実をいうと、最初の頃はわりと明るめの色を探していたんですけど、'50年代の雰囲気にするのであれば、落ち着きがあっていろいろと着こなしやすい色ということでこれにしました。
赤峰  まさにオールマイティー。カーディガンを着ているような気分で、さらっと羽織ってみるといいのではないでしょうか。

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今回も愉快な対談となりました
今回は「40カラッツ&525」のバーカウンターで対談。その際、カメラマンからの「カメラを意識せずに会話してください」というオーダーに対し、菊池先生の第一声は「赤峰さんは何座ですか?」。これには一同大爆笑でした(笑)。

■当時のパリの気分を思い出して作った
菊池  今回はフレンチテイストに仕上げましたけど、やっぱりフランスの服ってイギリス的な要素だったり、イタリア的な要素だったりをバランスよく取り入れた中庸の上手さってのがあると思います。さっきもいいましたが、なんとなく今の僕の気分としてはあんまり尖った感じじゃなく、だけどコーディネーションが成立しているっていうのがいいんですよね。
赤峰  わかります。いってしまえば、究極の普通ってやつですよね。シンプルであればあるほど、そのもの本来の美しさが現れてくる。そういった部分を、今回我々はゆったり感だったり、リラックス感というイメージで捉えてみたわけですよ。
菊池  そうそう。だらんと着た感覚を表現しました。で、そういうアンニュイでスローな感じがあるところとなると、やっぱりフランス、それもパリだと思うんですよ。
赤峰  デカダンな雰囲気がありますね。小難しい哲学の話を延々と夜通しやり合って、それでも解決しないからまた翌日もやっちゃうのはパリならではですよ。だからこそ文化とかアートといったものが根付くんでしょう。
菊池  このジャケットを作るにあたって「死刑台のエレベーター」をイメージしたっていいましたけど、あれって音楽はマイルス・デイビスですよね。もちろん彼はアメリカ人ですし、ジャズ自体もアメリカのニューオーリンズから生まれているんですが、それでも「死刑台のエレベーター」の音なんてすごくアンニュイでフランス的。
赤峰  たとえ同じ曲でもパリで聴くと途端にアートっぽくなるっていうのはありますよね。そうさせてしまう力がパリにはあるんでしょうね。
菊池  ただ、ことファッションに関していうなら、最近のパリにはそういった魔力みたいなものはほとんどないですよね。フランスの影響を受けているファッションってほとんど出てきてないと思いますよ。
赤峰  確かにありませんね。振り返ってみると、僕なんかも若い時分にパリに行き始めたときは、カルチェラタンとかに行ってはクリエイティブな匂いを嗅ぎ回っていた思い出はありますよ。そういった意味で今回のジャケットは、当時のパリの気分を思い出して作ったともいえます。
菊池  ですね。かなり満足のいく形で出来上がったと思います。
 
 

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赤峰さん的紺ジャケットの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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この色合わせが気分です

フレンチタッチなジャケットには濃いめのオレンジを合わせるのが赤峰さんの気分。で、スカーフを。

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胸の膨らみがエレガント

胸の膨らみをもたせた豊かな曲面を描くドレープが、スタイリングを効果的に演出してくれます。

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こんな着こなし方もあります

スカーフを出して、シャツの襟も無造作にロールさせる。赤峰さんの得意とする着こなしテクです。

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菊池さん的紺ジャケットの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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バッジをアクセントに!

レイ・ペトリさん(スタイリスト集団「Buffalo」を率いた人)のレプリカバッジをアクセントに。

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中には派手プリントのシャツ

カジュアルにこなしたい菊池さんは、曰く「プリントシャツでいかれた感じに」コーディネート。

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こだわりのディテール

ポケット位置が低く、ベントは浅め。菊池さんのこだわりがしっかり表現されたジャケットです。

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Be Baffalo Forever! クリスマスパーティーは大盛況のうちに終わりました [MEN'S EX 掲載記事]

三代さんをゲストに迎えた本連載での対談をきっかけに、みんなで盛り上げようという目的で、クリスマスパーティを12月13日、表参道のモントークにて開催しました。
パーティに来てくださったかたがたをパチリ!

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パーティの主役4名です
左から、バセット ウォーカーの三代彰郎さん、赤峰さん、タケ先生、M.E.編集長の松尾。パーティの主役4名です。300名は優に超えるゲストのかたがたが遊びに来てくださり、イベントは大盛況。とっても楽しいひとときを過ごせました。

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(←)日本の本格靴シーンを牽引するお2人です
靴特集の度にお世話になっているギルド・オブ・クラフツの山口千尋さん(右)と、ユニオンワークスの中川一康さん(左)。山口さんはドーメル、中川さんはバタクのビスポークスーツ。

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(→)40カラッツ&525のMD山口貴光さんです
パーティの企画を練ってくれた40カラッツ&525の山口貴光さん(右)には、マフィアをテーマにご登場いただきました。左は、アクセサリーデザイナーのロジャーさん。

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(←)ファッション界の重鎮 吉田十紀人さんも!
トキトのデザイナー、吉田十紀人さん。トキトのカシミアジャケットに、エルメスのカシミアマフラーを合わせた、フレンチエレガンスを感じさせる大人の上質スタイル。

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(→)注目のカッター、有田一成さんも!
自身のお店「テーラー&カッター」をオープンし、今最も注目されているカッター、有田一成さん。スーツはもちろん、自分のところで仕立てたもの。有田さんを見れば一目瞭然ですが、ムードたっぷりなスーツを得意としています

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(←)M.E.のメインモデル、マルセルも!
本誌のメインモデルのマルセルと、モデルでマルセルの彼女のリサさん。美男美女カップルで遊びにきてくれました。マルセルも日本語で「今日は楽しいネー!」。

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2007年01月24日(水)

OCEANS 3月号 連載#12 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



モヘアスーツの「粋」

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 クラシックとは流行に左右されないこと。だから、スーツに関して言えば、若干のバランスを変えることはあっても、いつの時代も基本的なデザインは決まっている。では、スーツを仕立てる際の一番のカンドコロは何か?それは生地である。デザインうんぬんではなく、まずは生地ありき。着こなしも、生地から着想を得ることが多い。
 今回、着用している(注1)モヘアスーツも然り。生地はロンドンのリージェントストリートにある反物屋にて手に入れた(注2)ウィリアム・ハルステッド社のデッドストック。このモヘア生地に出会ったのは、およそ6年前。アメリカ映画「北北西に進路を取れ」に出演していたケーリー・グラントのイメージが真っ先に浮かんだ。彼のモヘアスーツの着こなしがあまりにも粋であったのだ。モヘアのよさは、独特のシャリ感と光沢感に尽きる。ギラギラとした光沢ではなく、ナチュラルで控えめであるがゆえにエレガントであり、セミフォーマルに通じるドレッシーな雰囲気を漂わせる。それで清涼感も伝わるから、春夏のスーツとしても最適なのだ。
 私はこのモヘア生地を手に入れ、馴染みの(注3)リベラーノ リベラーノに持ち込み、(注4)赤峰モデルとして仕立てた。テーラーのリベラーノ氏とは長年の付き合いにより、あうんの呼吸でやりとりができる。そのような関係は一朝一夕には成り立たないが、作り手と着手、または売り手と着手のコミュニケーションは、とても重要である。さまざまなお店で買い物をするよりも、特定のショップを行きつけとして、さらに特定の定員と馴染みになるのがいい。そうすれば、自分のワードローブを把握してもらえ、アドバイスも的確に得ることができる。服の主治医のような相手を見つけてほしいと思うのである。私にとって、リベラーノ氏はまさにそういう関係にある。モヘア生地を持ち込み、仕立てを依頼すると、まずは着こなし、さらにはどんなシーンで着るのが粋か、などと話しが広がっていく。だから、仕上がりにブレがなく、いつでも満足ができる一着となるのだ。スーツを新調するときは、店員とコミュニケーションを密に。そして、生地に着目して選ぶこと。それが粋な着こなしに通じる。
 
 
(注1) 「モヘア」
アンゴラ山羊の毛を原料にした素材で、春夏用のスーツ地として用いられる。独特のナチュラルな光沢感と、涼しげな織り上がりが持ち味。


(注2) 「ウィリアム・ハルステッド社」
1825年創業、英国の老舗ファブリックメーカー。モヘアの生地はとりわけ高い評価を得ている。


(注3) 「リベラーノ リベラーノ」
赤峰氏が全幅の信頼を寄せる、フィレンツェに店を構えるテーラー。赤峰氏は年に数回、現地を訪れ、6、7着のスーツを仕立てている。


(注4) 「赤峰モデル」
赤峰氏がリベラーノ リベラーノにて製作するオリジナルモデル。基本の3ボタン段返りであるが、ラペルがややナロー。パンツの股上はやや深めになっている。

 
 

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1959年公開、アルフレッド・ヒッチコック監督作品
「北北西に進路を取れ」のワンシーンより。
右の男性は、主人公ロジャー・ソーンヒルを演じるケーリー・グラント。ブルーのモヘアスーツの粋な着こなし例。

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モヘアスーツの応用範囲は広い。Vゾーンのこなし方次第で、ビジネスシーンはもちろん、パーティシーンに対応するドレッシーな雰囲気も醸し出す。

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これ見よがしにならない着こなしの赤峰氏流の法則
ブルーのモヘアスーツに合わせているのは、ブルーストライプのシャツとネイビーに赤と白のストライプを配したタイ、そして赤のチーフ。全体はブルートーンでまとめ、赤の中でもイタリア語で「血」を意味するサングエイと呼ばれる鮮やかな赤の1色のみをアクセントカラーとして加えている。また、Vゾーンをストライプ×ストライプで着こなす場合、シャツはストライプの間隔が狭く、タイは間隔が広いものを合わせること。それが、メリハリを上手に利かせるコツ。足元はオーセンティックな黒のストレートチップ。それで、セミフォーマルに通じるシックな着こなしが完成する。

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今月の赤峰ワードロープ [OCEANS掲載記事]

'40年代ヴィンテージのウールギャバジンブルゾン

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マエストロ赤峰氏のワードローブからピックアップした今月のアイテムは、フランスのとあるビンテージショップにて購入したウールギャバジン素材のブルゾン。フランスの前衛芸術家や映画監督として知られるジャン・コクトー全盛の、'40年代のデッドストック。着丈が短く、リブが長めで、胸のフラップが飾り。フレンチらしいクチュール感な香りが漂う。ラコステのポロシャツ、リーバイスのデニム、足元にはエスパドリーユを合わせて、春先にスポーティに着こなすのが赤峰氏流。

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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MEN'S CLUB 11月号 ハンサム男の作り方

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坂田真彦 Masahiko Sakata

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OCEANS 5月号 連載#14

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