AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年02月06日(火)

MEN'S EX 3月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.10 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
2人の気分の紺ジャケット

本連載6回目('06年11月号)で「『Be Buffalo Forever!』の名を冠したジャケットを作ろう」企画が持ち上がったのをご記憶でしょうか?
4ヶ月の時を経て、この度遂に完成の運びと相成ったわけですが、いやはやお2人のこだわりが詰まった1着は、実に見事な出来映えでした。当然、今回の対談テーマはそれ。
お2人は今日も舌好調です!

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■Be Buffalo Forever!の別注ジャケット■
 
■(写真右)赤峰幸生氏
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたシャツ
・1940年代の英国製ヴィンテージスカーフ
・ジョン・スメドレーのニット
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたウールパンツ
・エドワード グリーンのシューズ
 
 
 
■(写真左)菊池武夫氏
・CA4LAの帽子
・40カラッツ&525のコットンプリントシャツ
・アンセ・ムーレのスカーフ
・ロダのカシミアチーフ
・Gスターのブルージーンズ
・カチンのアリゲーターシューズ

 

菊池武夫×赤峰幸生×M.E. 夢のコラボジャケット完成!
40カラッツ&525にて限定20着!8万9250円

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モーリス・ロネをイメージした、トリプルネームジャケットです
今回のジャケットのテーマは「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネ。ドロップしつつも美しいショルダーライン、浅めのベントや短めの着丈など、当時のパリの雰囲気を見事に再現した1着です。玉縁ポケットで、袖口のボタンは3つ。2月6日(火)より、タケ先生のお店「40カラッツ&525」にて、限定20着のみ展開されます。8万9250円(ビー バッファロー フォーエバー!/40カラッツ&525 tel03-3408-8562)

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生地はエンブレム社のコットンリネンを使用
アイルランドはエンブレム社のコットンリネン(コットン55%、リネン45%)。ヘビーウェイトすぎずでも打ち込みはしっかりしていて、着るほどに味が出ます。

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夢のコラボジャケットのスペシャルタグです
今回のトリプルネームタグ。上の帽子マークがタケ先生の「40カラッツ&525」、中央が赤峰さんの「Y.AKAMINE」、下に「Be Baffalo Forever!」の名前が入ります。

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■長いプロセスを経てようやく完成しました■

お2人のこだわりが満載です
◇上・上中 最初にテーマを決め、打ち合わせを重ねてディテールや生地などを決めていきました。
◇下中 菊池さんオススメのパリの生地屋に、赤峰さんと生地を探しに行きました。
◇下 パリの生地展、プルミエールヴィジョンにて。今回使用したエンブレム社のジム・コンウェイ社長と赤峰さんの2ショット。
 
 

■いいバランスで出来上がったと思います
M.E.  昨年の11月号で、「連載のタイトル『Be Baffalo Forever!』をブランド名にしたジャケットを作りましょう」という企画が持ち上がり、その後お2人の力を結集して着々と作業を進めていただいたジャケットがこの度遂に完成しました。いろいろとこだわりが詰まった1着になったかと思いますが、まずは実際に袖を通した感想を伺いたいと思います。
菊池  本当にいいバランスに仕上がったと思いますよ。そもそもこのジャケットを作るにあたって、みんなで打ち合わせを何度か繰り返し、最終的にフランス映画の「死刑台のエレベーター」をテーマにしようと決めて進めていったのですが、そのあたりの雰囲気はしっかりと表れていますね。例えば着丈は短いんだけど、今風にピチピチしているんじゃなくて、どことなくゆったりした感じがあるところとかね。あとはポケットの位置をやや低くして、ベントを浅くしたのもポイントです。全体のバランスは非常によくまとまっていると思います。
赤峰  菊池先生のおっしゃるとおりですね。テーラード感を保つことのできるギリギリのレングスが絶妙です。しかも、ゆったりとした感じに見えるんだけど、肩にキチッとハマっているから非常に吸い付きもよくて、肩甲骨のあたりの線がちゃんとキレイに出ています。最近のジャケットは、これくらいの着丈になるともうちょっと肩が中に入ったりしているんですけど、これはフレンチの流れを汲んでいるからドロップショルダー気味に仕上がっていますよね。
菊池  それってまさしく今の僕の気分なんです。ゆとりがあるっていうのかな。今の男のエレガンスって、なんでもかんでもイタリアに向かっちゃってますけど、そうした流れに対するひとつのカウンターとして今回のジャケットはあると思います。
赤峰  着丈がちょっと短くて、ベントは浅め。肩のラインはややドロップ気味だけど、意外に硬直的で存在感があって、なおかつ腰にかけては少し絞り感もある。まさしく'60年代のフレンチアイビーの現代版アレンジといったところですよね。
菊池  ドロップサイズも6から7の間ぐらいじゃないですか。今の細身のものってだいたい8ぐらいでしょ。だからシルエットもだいぶ違いますよ。カジュアルにジャケットが出来上がっているっていうのかな。ストンと落ちたシルエットは一見するとダサく映るかもしれませんが、そういった雰囲気ってしばらくなかったから今になって凄くカッコよく見えるんですよね。
赤峰  クラシコイタリアだとか、肩パッドのないアンコンジャケットといった流れがあって、その後はタイトフィットが隆盛を極めている状況が続く中で、改めてこのジャケットを手に取ると、適度なゆとりが感じられて不思議と新鮮さを覚えるっていうのはあります。まさにモーリス・ロネ(『死刑台のエレベーター』の主演俳優)のイメージで、フレンチシックに着こなしたい1着ですよね。

■カーディガンのようにさらっと羽織る
M.E.  生地にもこだわりました。赤峰さんとは一緒にパリの生地展や生地屋巡りもしましたよね。
赤峰  アイルランドのダブリンにある「エンブレム社」ってところの、コットンリネンを使用しています。ラルフ ローレンやジョルジオ アルマーニにもデリバリーしている生地屋ですよ。ここの社長は昔から知っていましてね。かれこれ30年前でしょうか。彼が日本に初めて売り込みに来たときに最初に買ったのが僕でして、彼とはそれ以来の付き合いなんです。アイリッシュリネンの中には糊で固めたようにハードなものもありますけど、ここの生地は割りとソフトなフィニッシュになっているのが特徴です。
菊池  アイリッシュリネンだからか、やっぱり少し光沢がありますよね。コットンリネンだと普通はそんな感じはしないんだけど、これはいい具合にツヤが入ってる。そしてなんといってもカジュアルに見えますよ。ウールだとこうはならなかったでしょう。
赤峰  普段着感があるのは断然こっちでしょうね。で、そのほかの利点としてはリネン100%だとシワが出やすいけど、コットンが入ることによってそれが目立たなくなりますよね。
菊池  そうです。だからこれはシワが目立ちにくいうえに、麻のタッチも残ってますから、そういう面でよかったんじゃないかと思います。
赤峰  バリエーション的にはいろいろな合わせ方ができると思うんですよね。オーソドックスに考えれば、僕のようにグレイパンツに合わせるというのもあるし、一方で菊池先生のようにデニムとのコンビネーションで合わせる手もある。着こなしの選択技は相当多いと思います。
菊池  いや、本当にレンジは広いですよ。色もネイビーで合わせやすいですし。実をいうと、最初の頃はわりと明るめの色を探していたんですけど、'50年代の雰囲気にするのであれば、落ち着きがあっていろいろと着こなしやすい色ということでこれにしました。
赤峰  まさにオールマイティー。カーディガンを着ているような気分で、さらっと羽織ってみるといいのではないでしょうか。

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今回も愉快な対談となりました
今回は「40カラッツ&525」のバーカウンターで対談。その際、カメラマンからの「カメラを意識せずに会話してください」というオーダーに対し、菊池先生の第一声は「赤峰さんは何座ですか?」。これには一同大爆笑でした(笑)。

■当時のパリの気分を思い出して作った
菊池  今回はフレンチテイストに仕上げましたけど、やっぱりフランスの服ってイギリス的な要素だったり、イタリア的な要素だったりをバランスよく取り入れた中庸の上手さってのがあると思います。さっきもいいましたが、なんとなく今の僕の気分としてはあんまり尖った感じじゃなく、だけどコーディネーションが成立しているっていうのがいいんですよね。
赤峰  わかります。いってしまえば、究極の普通ってやつですよね。シンプルであればあるほど、そのもの本来の美しさが現れてくる。そういった部分を、今回我々はゆったり感だったり、リラックス感というイメージで捉えてみたわけですよ。
菊池  そうそう。だらんと着た感覚を表現しました。で、そういうアンニュイでスローな感じがあるところとなると、やっぱりフランス、それもパリだと思うんですよ。
赤峰  デカダンな雰囲気がありますね。小難しい哲学の話を延々と夜通しやり合って、それでも解決しないからまた翌日もやっちゃうのはパリならではですよ。だからこそ文化とかアートといったものが根付くんでしょう。
菊池  このジャケットを作るにあたって「死刑台のエレベーター」をイメージしたっていいましたけど、あれって音楽はマイルス・デイビスですよね。もちろん彼はアメリカ人ですし、ジャズ自体もアメリカのニューオーリンズから生まれているんですが、それでも「死刑台のエレベーター」の音なんてすごくアンニュイでフランス的。
赤峰  たとえ同じ曲でもパリで聴くと途端にアートっぽくなるっていうのはありますよね。そうさせてしまう力がパリにはあるんでしょうね。
菊池  ただ、ことファッションに関していうなら、最近のパリにはそういった魔力みたいなものはほとんどないですよね。フランスの影響を受けているファッションってほとんど出てきてないと思いますよ。
赤峰  確かにありませんね。振り返ってみると、僕なんかも若い時分にパリに行き始めたときは、カルチェラタンとかに行ってはクリエイティブな匂いを嗅ぎ回っていた思い出はありますよ。そういった意味で今回のジャケットは、当時のパリの気分を思い出して作ったともいえます。
菊池  ですね。かなり満足のいく形で出来上がったと思います。
 
 

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赤峰さん的紺ジャケットの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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この色合わせが気分です

フレンチタッチなジャケットには濃いめのオレンジを合わせるのが赤峰さんの気分。で、スカーフを。

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胸の膨らみがエレガント

胸の膨らみをもたせた豊かな曲面を描くドレープが、スタイリングを効果的に演出してくれます。

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こんな着こなし方もあります

スカーフを出して、シャツの襟も無造作にロールさせる。赤峰さんの得意とする着こなしテクです。

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菊池さん的紺ジャケットの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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バッジをアクセントに!

レイ・ペトリさん(スタイリスト集団「Buffalo」を率いた人)のレプリカバッジをアクセントに。

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中には派手プリントのシャツ

カジュアルにこなしたい菊池さんは、曰く「プリントシャツでいかれた感じに」コーディネート。

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こだわりのディテール

ポケット位置が低く、ベントは浅め。菊池さんのこだわりがしっかり表現されたジャケットです。

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Be Baffalo Forever! クリスマスパーティーは大盛況のうちに終わりました [MEN'S EX 掲載記事]

三代さんをゲストに迎えた本連載での対談をきっかけに、みんなで盛り上げようという目的で、クリスマスパーティを12月13日、表参道のモントークにて開催しました。
パーティに来てくださったかたがたをパチリ!

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パーティの主役4名です
左から、バセット ウォーカーの三代彰郎さん、赤峰さん、タケ先生、M.E.編集長の松尾。パーティの主役4名です。300名は優に超えるゲストのかたがたが遊びに来てくださり、イベントは大盛況。とっても楽しいひとときを過ごせました。

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(←)日本の本格靴シーンを牽引するお2人です
靴特集の度にお世話になっているギルド・オブ・クラフツの山口千尋さん(右)と、ユニオンワークスの中川一康さん(左)。山口さんはドーメル、中川さんはバタクのビスポークスーツ。

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(→)40カラッツ&525のMD山口貴光さんです
パーティの企画を練ってくれた40カラッツ&525の山口貴光さん(右)には、マフィアをテーマにご登場いただきました。左は、アクセサリーデザイナーのロジャーさん。

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(←)ファッション界の重鎮 吉田十紀人さんも!
トキトのデザイナー、吉田十紀人さん。トキトのカシミアジャケットに、エルメスのカシミアマフラーを合わせた、フレンチエレガンスを感じさせる大人の上質スタイル。

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(→)注目のカッター、有田一成さんも!
自身のお店「テーラー&カッター」をオープンし、今最も注目されているカッター、有田一成さん。スーツはもちろん、自分のところで仕立てたもの。有田さんを見れば一目瞭然ですが、ムードたっぷりなスーツを得意としています

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(←)M.E.のメインモデル、マルセルも!
本誌のメインモデルのマルセルと、モデルでマルセルの彼女のリサさん。美男美女カップルで遊びにきてくれました。マルセルも日本語で「今日は楽しいネー!」。

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2007年01月24日(水)

OCEANS 3月号 連載#12 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



モヘアスーツの「粋」

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 クラシックとは流行に左右されないこと。だから、スーツに関して言えば、若干のバランスを変えることはあっても、いつの時代も基本的なデザインは決まっている。では、スーツを仕立てる際の一番のカンドコロは何か?それは生地である。デザインうんぬんではなく、まずは生地ありき。着こなしも、生地から着想を得ることが多い。
 今回、着用している(注1)モヘアスーツも然り。生地はロンドンのリージェントストリートにある反物屋にて手に入れた(注2)ウィリアム・ハルステッド社のデッドストック。このモヘア生地に出会ったのは、およそ6年前。アメリカ映画「北北西に進路を取れ」に出演していたケーリー・グラントのイメージが真っ先に浮かんだ。彼のモヘアスーツの着こなしがあまりにも粋であったのだ。モヘアのよさは、独特のシャリ感と光沢感に尽きる。ギラギラとした光沢ではなく、ナチュラルで控えめであるがゆえにエレガントであり、セミフォーマルに通じるドレッシーな雰囲気を漂わせる。それで清涼感も伝わるから、春夏のスーツとしても最適なのだ。
 私はこのモヘア生地を手に入れ、馴染みの(注3)リベラーノ リベラーノに持ち込み、(注4)赤峰モデルとして仕立てた。テーラーのリベラーノ氏とは長年の付き合いにより、あうんの呼吸でやりとりができる。そのような関係は一朝一夕には成り立たないが、作り手と着手、または売り手と着手のコミュニケーションは、とても重要である。さまざまなお店で買い物をするよりも、特定のショップを行きつけとして、さらに特定の定員と馴染みになるのがいい。そうすれば、自分のワードローブを把握してもらえ、アドバイスも的確に得ることができる。服の主治医のような相手を見つけてほしいと思うのである。私にとって、リベラーノ氏はまさにそういう関係にある。モヘア生地を持ち込み、仕立てを依頼すると、まずは着こなし、さらにはどんなシーンで着るのが粋か、などと話しが広がっていく。だから、仕上がりにブレがなく、いつでも満足ができる一着となるのだ。スーツを新調するときは、店員とコミュニケーションを密に。そして、生地に着目して選ぶこと。それが粋な着こなしに通じる。
 
 
(注1) 「モヘア」
アンゴラ山羊の毛を原料にした素材で、春夏用のスーツ地として用いられる。独特のナチュラルな光沢感と、涼しげな織り上がりが持ち味。


(注2) 「ウィリアム・ハルステッド社」
1825年創業、英国の老舗ファブリックメーカー。モヘアの生地はとりわけ高い評価を得ている。


(注3) 「リベラーノ リベラーノ」
赤峰氏が全幅の信頼を寄せる、フィレンツェに店を構えるテーラー。赤峰氏は年に数回、現地を訪れ、6、7着のスーツを仕立てている。


(注4) 「赤峰モデル」
赤峰氏がリベラーノ リベラーノにて製作するオリジナルモデル。基本の3ボタン段返りであるが、ラペルがややナロー。パンツの股上はやや深めになっている。

 
 

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1959年公開、アルフレッド・ヒッチコック監督作品
「北北西に進路を取れ」のワンシーンより。
右の男性は、主人公ロジャー・ソーンヒルを演じるケーリー・グラント。ブルーのモヘアスーツの粋な着こなし例。

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モヘアスーツの応用範囲は広い。Vゾーンのこなし方次第で、ビジネスシーンはもちろん、パーティシーンに対応するドレッシーな雰囲気も醸し出す。

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これ見よがしにならない着こなしの赤峰氏流の法則
ブルーのモヘアスーツに合わせているのは、ブルーストライプのシャツとネイビーに赤と白のストライプを配したタイ、そして赤のチーフ。全体はブルートーンでまとめ、赤の中でもイタリア語で「血」を意味するサングエイと呼ばれる鮮やかな赤の1色のみをアクセントカラーとして加えている。また、Vゾーンをストライプ×ストライプで着こなす場合、シャツはストライプの間隔が狭く、タイは間隔が広いものを合わせること。それが、メリハリを上手に利かせるコツ。足元はオーセンティックな黒のストレートチップ。それで、セミフォーマルに通じるシックな着こなしが完成する。

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今月の赤峰ワードロープ [OCEANS掲載記事]

'40年代ヴィンテージのウールギャバジンブルゾン

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マエストロ赤峰氏のワードローブからピックアップした今月のアイテムは、フランスのとあるビンテージショップにて購入したウールギャバジン素材のブルゾン。フランスの前衛芸術家や映画監督として知られるジャン・コクトー全盛の、'40年代のデッドストック。着丈が短く、リブが長めで、胸のフラップが飾り。フレンチらしいクチュール感な香りが漂う。ラコステのポロシャツ、リーバイスのデニム、足元にはエスパドリーユを合わせて、春先にスポーティに着こなすのが赤峰氏流。

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2007年01月06日(土)

MEN'S EX 2月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.9 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
映画に見るマフィアの着こなし

「アンタッチャブル」や「ゴッドファーザー」シリーズを例にとるとよくわかりますが、昔のマフィアには、着こなしにしても、生き様にしても、そこには惚れぼれするようなカッコよさがありました。実際、お2人も大いに影響を受けたといいます。となれば当然、話が盛り上がらないわけがなく・・・・・。

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■(写真右)菊池武夫氏
・ボルサリーノの帽子
・グッチのサングラス
・グッチのシャツ
・レプリカのペイントタイ
・ベルヴェストのサキソニーフラノの3ピーススーツ
・ベーメルズのスエードプレーントゥ
 



■(写真左)赤峰幸生氏
・シャルベの肉厚ポプリン地のオーダーシャツ
・シンプソンの'50年代のヴィンテージタイ
・'40年代のサヴィル・ロウ仕立てのヴィンテージコート
・デッドストックのフラノ地で仕立てたリヴェラーノ&リヴェラーノのスーツ
・ベレッタ(もちろんモデルガンです)
・フローシャイムのインペリアルシリーズのウイングチップ



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今回の撮影の舞台となったのは、広尾のリストランテ「ラ・ビスボッチャ」。
イタリア政府が公認するだけあって、店内の雰囲気は本場そのものです。それにしても、エスプレッソを飲みながら会話に興じるお2人の佇まいはホンモノ感ありすぎです(笑)。

■昔からマフィアには不思議と惹きつけられた
菊池  いやぁ〜、赤峰さん、バッチリですね。付け髭に拳銃を構えた姿はもうそのまんまって感じですよ(笑)。
赤峰  いやいや。そういう菊池さんだって随分と貫禄があってカッコイイですよ。なんだか、映画版「アンタッチャブル」のアル・カポネの雰囲気に似ていますよね。
菊池  ロバート・デ・ニーロが演じたあの役ですね。
赤峰  そう、デ・ニーロの雰囲気ピッタリですよ。そのプリントのタイなんか、ずばりそのものって感じですし。だいたい昔のタイってテカテカに光ったレーヨンでできているんですよね。決してシルクばかりではない。
菊池  まぁ、僕の場合はそもそもマジメなものに惹かれない性質でして、偽悪的というのかな、一見すると悪いんだけど実はいいヤツだってところに魅力を感じるんですよ。だからなのか、ダーティーヒーローのイメージがあるマフィアには昔から不思議と惹きつけられましたね。
赤峰  わかります。日本の任侠もそうですが、マフィアにはある種の男の美学があります。僕の場合、なんといっても(注1)ロバート・スタックがエリオット・ネスを演じたTVシリーズの「アンタッチャブル」の影響が強いです。
菊池  うん、あれは面白かった。フランク・ニティやアル・カポネといったイタリア系マフィアの姿が印象的でね。映画版に比べてもはるかにリアリティがありましたよ。そういえば今日の赤峰さんの着こなしにはどことなくその時代の匂いがしますね。
赤峰  1930年代の大恐慌の頃のニューヨークのイメージが好きで、それを1回やりたかったんです(笑)。
菊池  あぁ、わかります。
赤峰  少年時代からマフィア的な生き方に憧れていて、それでこの仕事を始めるようになると、イタリアに行く機会も多いじゃないですか。実際、15年ほど前にはシチリア島の(注2)コルレオーネ村にも行きましたよ。やっぱり向こうは本場だけあってマフィアの存在は欠かせませんよね。マフィアを語らずしてイタリアを語るなって感じです。そうそう、“マフィオーゾ”っていう言葉もあるんですよ。
菊池  へぇ、どういう意味ですか?
赤峰  「マフィア的精神」と訳すみたいで、要するに日本の武士道やヨーロッパの騎士道に通じるスタイルのことを表す言葉だそうです。
菊池  なるほど。規律やルールがちゃんとあって、無粋なことはしないといった生き方はお互いに通じるものがありますね。マフィアにしても武士にしてもそうですが、常に死と隣り合わせの中で緊張感をもって生きるというのはやっぱりカッコいいですよね。
赤峰  アメリカにゲイ・タリーズという作家がいて、彼の代表作にマフィアの興亡を描いた「汝の父を敬え」という本があるんですけど、これなんかはそういったマフィア道みたいなことが書かれていて面白いですよ。たとえ悪事を働くにしてもちゃんと一本筋の通ったことをやれって。
菊池  悪の美学と、それに基づいたルールみたいなものがありましたよね。だからそれを破ったときは恐ろしかった。人の女に手を出した奴は、殺された後に口に魚を入れられるとかね。でも、これもまたひとつのルールなんですよ。どういう理由で殺されたのか、わかるわけですから。
赤峰  ただ、残念ながら現代ではそういった、いわゆるマフィア道を堅持している人たちは多くないと聞きます。なんといっても今の時代は目先の損得だけを考えて動きますからね。それこそ(注3)サルヴァトーレ・ジュリアーノのように義侠心で立ち上がることもない。
菊池  圧政から貧しい農民を救ったって話ですよね。今の時代には恐らくないでしょうね。どの世界を見渡しても、流儀とか、スタイルといったものは崩壊してしまって、目的さえ達成できればなんでもありの状態になっていますから。おかしなことですよ。
赤峰  これは服についても同じことがいえますよね。目先の流行ばかりを追ってしまって、本当のクラシックを踏まえたうえでのカッコよさというのがなくなっているように思います。
菊池  そうです。ただ流行りだからといって闇雲に服を着ていてはダメ。本来の正当なスタイルに対して仁義を切るというのか、そこを知らないで本当のカッコよさというのは身につかないですよ。

■カッコよさというのはスレスレの生き方に宿る
赤峰  マフィアといえば、カポネもニティも、みんなイタリアからの移民ですよね。やっぱり当時は貧しくて働き口がないから、手先の器用なヤツはブルックスブラザーズの工場に入って職人になったり、顔のいいヤツはハリウッドスターになったり、それでもどうしようもないワルがマフィアになっていったわけです。
菊池  ハリウッドだと、フランク・シナトラとかね。彼はスターでもありましたけど、マフィアとのつながりも密接でした。「ゴッドファーザー」に出てくるジョニー・フォンテーンという歌手は、シナトラがモデルですよ。
赤峰  あとは、(注4)ジョージ・ラフトも半分マフィアみたいな俳優でした。
菊池  今はどうか知りませんが、当時のハリウッドは闇社会と分かちがたく結びついていましたからね。
赤峰  実際にそうでなくても、ハンフリー・ボガートだったり、ジャン・ギャバンだったり、マフィア的な佇まいをもっていることがひとつのカッコよさであり、スターになる条件でした。
菊池  日本では鶴田浩二や高倉健といった人たちかな。強面なんだけど、ストイックで渋い感じがいいです。
赤峰  決して流されない生き方をしていることが魅力なんでしょうね。しかもそういったマインドというのは、おのずと服の着こなしなどにも自己主張といった形で表れていましたよね。
菊池  それこそ1920年代、'30年代というのは、社会全体がわりとドレスアップしていた時代で、普段でもきちっと帽子をかぶっていたりしていたんですけど、マフィアの場合、ニティやカポネに代表されるようにどこか堅気ではない、だけど妙にカッコいい着こなしがありましたね。
赤峰  そういった意味では現在はほとんどわからないですよね。イタリアなんかでも、マフィアがもう普通の感じですから。
菊池  僕が若い頃、確か18歳ぐらいのときかな、六本木によく行っていたジャズクラブがあったんですよ。生演奏を聞かせてくれるところでね。僕はまだ子供なんだけど、粋がってスーツなんか着て(笑)、カウンターに座っていたら、隣にあの安藤昇さん(渋谷に本拠を構えていた伝説の暴力団「安藤組」の組長)の命を狙っていたというヒットマンがいて。
赤峰  ほう、どんなかたでした?
菊池  スカーフェイスで凄く怖い顔をしてるんですよ。で、ひと言もしゃべらない。話し掛けられても一切返事しないんです。あれは怖かったですね。身にまとっている雰囲気が明らかに違いました。ほら、スレスレのところで緊張感をもって生きることって現代ではほとんどないじゃないですか。ましてや命のやり取りをするなんて考えられない。けど、僕が見たヒットマンのようなホンモノの人はいつも死に直面しているわけですよ。そうした世界で自分の意志を貫いて生きていく姿には何か強い力があるし、そこにはどうしようもなく惹きつけられるものがあるんですよね。
赤峰  そう考えると、カッコよさというのはスレスレの生き方に宿るってことなんでしょう。でも、現代のように、目先の損得をばかりを考えていてはなかなかそうした生き方ができない。我々がマフィアや任侠の世界に対して憧れるのは、男としての自分に決定的に何かが欠落していて、それに対する羨望が大きな原因なのではと、僕なんかは思うんですよ。
菊池  うん、恐らくそういうことでしょうね。
 
 

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(注1) 「ロバート・スタック」
1919年米国生まれ。'59年スタートのTVシリーズ「アンタッチャブル」でエリオット・ネス役を好演して大人気を博した。晩年はガンに侵され、2003年に心臓発作で死去。

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(注2) 「コルレオーネ村」
シチリア島の中心地パレルモの南にあるマフィアの聖地。アル・パチーノが主演した映画「ゴッドファーザーPARTV」の舞台としてあまりにも有名。現在は観光地に。

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(注3) 「サルヴァトーレ・ジュリアーノ」
1940年代のシチリアで、支配層からの搾取に苦しむ農民を救うために立ち上がった義賊。その生涯はマイケル・チミノ監督により「シシリアン」として映画化された。

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(注4) 「ジョージ・ラフト」
1903年米国生まれ。二枚目俳優として活躍。主な出演作は「暗黒街の顔役」、「お熱いのがお好き」、「皆殺しのバラード」、「007/カジノ・ロワイヤル」など。'80年没。

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菊池さん的マフィアの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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サングラスはフェリーニ風で

グッチのサングラスは菊池さんが敬愛する映画監督、フェデリコ・フェリーニのイメージで着用。ボルサリーノの帽子と合わせて'50年代風にコーディネートしています。

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朱色のタイでグンと艶やかに

グレイの3Pスーツに白のシャツ、そして胸元を彩る朱色のタイが全体を艶やかな印象へと導いてくれます。こういう色使いの上手さが、菊池さんの着こなしを支えているのです。

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チェーンをさらりとつけて

グレイに映える、シルバーのチェーン。通常なら懐中時計をつけるのでしょうが、菊池さんはあえて何もつけません。ちなみにメーカーは、指輪と同じ「マーズ」のものです。

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赤峰さん的マフィアの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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肩から掛けて闊歩します

1940年代にサヴィル・ロウで仕立てられたヴィンテージのウールコート。ライニングはすべてムートンで、防寒性はかなりのものです。袖を通さず肩から掛けるのが赤峰さん流。

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オールドスタイルでコーディネート

スーツは'50年代のデッドストックのフラノ地で、シャツも'50年代モデルの復刻版。でもってネクタイも'50年代のヴィンテージ。徹底したオールドスタイルが見事です。

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ヴィンテージをリペアしてご愛用

「オールド・アメリカンスタイルを意識」と赤峰さん。1950年代のフローシャイムインペリアルのウイングチップは、ユニオンワークス・中川さんの手によってリペア済みです。

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MEN'S EX 2月号記事 Q“カッコいい靴の履き方を知りたいのですが・・・・・” [MEN'S EX 掲載記事]

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解説 インコントロ代表 赤峰幸生さん
A「ヨーロッパの紳士よろしく、決して屈まず手の位置まで足をもってくるのが鉄則です」


今さらいうまでもないことですが、玄関で靴を脱ぎ履きする日本とは異なり、朝起きてからベッドに入る寸前まで靴を履いているヨーロッパの人たちとは、靴の脱ぎ履きにおいて決定的な違いがあります。実際にイタリアに住んで学び、数々の映画から学んだ赤峰さんに、お話を伺いました。
「例えば道で靴紐がほどけてしまったとき、日本人は屈んで靴紐を結び直しますが、ヨーロッパの男たちは、屈み込んだりは絶対しません。どうするかというと、自分の手が届く高さまで足を上げるわけです。これは、履くときも脱ぐときも一緒です。その際、紐を1本ずつキュッと締め上げていき、脱ぐときは紐を1本ずつきちんと緩めてから、踵を手で押さえてシュポッと外します。細かいことかもしれませんが、私は屈んで靴紐を結ぶことは絶対にしません」

[履き方] 手の届く位置まで足を上げます

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ヨーロッパの人たちは日本人とは異なり、靴を履くとき決して屈んだりはしません。足を自分の手の届く高さまでもってきます。足を置けるものであれば、椅子でも台でもなんでも構いません。その上で紐を1本ずつしっかり締め、最後にキュッと整えてから結ぶのが彼らの流儀。

[脱ぎ方] 紐をしっかり緩めてから脱ぎます

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これまた足を自分の手の届く高さまでもってきます。その際、絶対にしてはならないのは、紐をしっかり緩めずに力を入れて無理やり靴を脱ごうとすること。「これはスマートではありません」と赤峰さん。「1つずつしっかり緩めてから、踵を押さえて靴を脱ぎましょう」。

[ついでにカッコいい脚の組み方も伝授!]

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腕を組むときはつま先を下に向けるのが鉄則です

ヨーロッパの人たちは、食事中は絶対に脚を組みません。それはマナー違反とされていて、食事中は常に足をきちんと揃えるのがお約束です。食事が終わって寛ぐときは、足を組んでも構いません。が、その組み方にも、エレガントなのとそうでないのがあるそうです。
「上の脚は後ろに引きめにして、膝下から足のつま先までが直線で伸びるよう、つま先を地面に向かせるのがコツです。つま先を上に向けてしまいがちですが、それはNGです」

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2006年12月28日(木)

Men's EX Christmas Party!! [INCONTRO NEWS]

今月13日、表参道モントークにてMEN'S EX主催、Be Buffalo Forever Night! Christmas Party が行われました。

読者の皆様とファッション界を盛り上げていこうということで、年の瀬にもかかわらず約430名の方がご参加下さり大盛況で幕を閉じることが出来ました。
お忙しい中、御来場下さいました皆様に心より御礼申し上げます。

尚、Partyの模様は2007年2月6日発売のMen's Ex3月号にて詳しくお伝えする予定ですので、合わせてご覧頂ければ幸いです。


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会場風景


業界の方、読者の方々がいりみだれ、熱気で溢れた会場内。

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乾杯!!


意気のあったタケ先生とまずは乾杯!!

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本日の主役お二人とバセットウォーカーの三代さん


右にいらっしゃるのが12月号にもゲストとして取材協力頂きました、バセットウォーカーの三代彰郎さん。
会場となったモントーク(JUNグループ)のご提供など、おしみなくご協力頂き有難うございました!

本年度も大変お世話になり有難うございました。

来年も宜しくお願い致します。
良い新年をお迎え下さいませ。

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2006年12月24日(日)

OCEANS 2月号 連載#11 [OCEANS掲載記事]

King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」

 

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スキーをイメージした休日の上品脱力スタイル

マエストロ曰く、「箱根の富士屋ホテルに行く着こなし」。ハンドニッティングのノルディックセーターに合わせているのは、フランスの王道ブランド、シャルベにてビスポークしたガンクラブチェックのシャツ、ニューヨークの古着屋で購入したグレーコーデュロイのリーバイス501、そして今はないフランスのジャンバディというブランドの黒のローファー。写真では見えてないが、ソックスは赤のカシミア。効かせるのは1色だけ、という着こなしの決め事を徹底して守り、ソックスも赤を選んでいる。いつもながらカラーのハーモニー、素材感のハーモニーが素晴らしい。粋なニットの着こなしのよき参考例。
 

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ハンドニットの「粋」

 これまでにもクラススポーツの粋について何度か話をしてきました。狩猟、ヨット、テニス、ドライブなど、それぞれのシーンにふさわしいスポーティな着こなしについての・・・。それはアメリカ文化に影響された“カジュアル”とは一線を画すもの。着こなしの背景、そしてそこから生まれる品のよさ=クラススポーツの着こなしです。
 ということで、今回はクラススポーツの中でも、スキーに行く時の着こなしについて。中心のアイテムは、ハンドニッティング(手編み)の(注1)ノルディックセーターだ。今年の1月、ミラノにある(注2)ラヴィッツァという店にて購入。私はヴィンテージの服を好む。何度も何度も袖を通し、時間をかけて生まれるエイジング、つまり(注3)着込んだ服の味わいにこそ、粋を感じるからだ。それゆえに、まっさらな新品の服を選ぶときにも、5年着て、さらに10年着て、ヴィンテージのような味が生まれることを想像する。このノルディックセーターもそうだ。今はまだ味わいが足りないが、これから着続けていくことで、こなれ感が増していくことだろう。
 次は着こなしについて。私にはある種の決め事がある。それは効かせる色は1色まで、ということだ。ノルディックセーターは白×グレーに赤が効かせてある。その配色を考慮して、パンツはグレーのコーデュロイ、靴は黒のローファーに。そしてシャツはセーターと同じく、赤を効かせた(注4)ガンクラブチェック。このようにまとめれば、決してこれ見よがしに派手すぎることはなく、かつ地味すぎることもない。効かせる色は1色だけ、という決め事は(注5)スーツスタイルでもジャケットスタイルでも通じることである。
 よく、服を選ぶ際のコツを尋ねられる。私の場合は店に入ってから、アレコレと迷うことはない。それは自分に似合うもの、そして自分に似合うワードロープを把握しているからだ。アドバイスをするならば、やはりまずはワードロープを検証することをすすめる。よく着る服はどれか?それらの服の共通項を探る。そして着こなしが上手くなるには、人をよく観察して、いいところを盗むことだ。私は映画や写真集からインスピレーションを受けることが多い。粋な参考を見つけること。それがコツになる。

(注1) 「ノルディックセーター」
スキーの本場、北欧のバルト3国、エストニアのブランド、レヴァンディのセーター(日本ではなじみが薄いかも・・・)。編み地がとてもしっかりしているハンドニッティングが特徴。最近の機械で編んだセーターにはない、独特の「温もり」も実に粋なポイント。元は民族衣装のひとつともいえる。


(注2) 「ラヴィッツァ」
赤峰さんも一目を置く、ミラノにあるクラススポーツ・ファッションを中心としたショップ。日本ではなかなかお目にかかれない本格派アイテムが多数、揃っている。


(注3) 「着込んだ服の味わい」
擦り切れていたり、色がかすんでいたり。10年、20年と愛用したアイテムも多い。それが味わい深くて、粋。


(注4) 「ガンクラブチェック」
呼称の通り、クラススポーツのひとつ、狩猟の仲間が集うクラブで愛用されたことに由来するチェック。格子の中に他色の格子を配する二十格子の柄のこと。白、黒、赤茶の配色が一般的。


(注5) 「スーツスタイル」
効かせる色は1色だけという法則は、スーツの着こなしでも同じ。次号ではモヘア混紡スーツを題材に、その具体例を紹介予定。

 
 

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赤峰のブックコレクションから、フランスのスキースタイルを紹介している「le ski et ses modes」より。
スキーに行く際の、王道の着こなしが紹介されている。
時代が移り変わっても、古臭く見えない、よき参考書。

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こちらも赤峰氏の所蔵本、「A HISTORY OF MEN'S FASHION」より。シャツの上にノルディックセーターを合わせている着こなしが、誌面にて取り上げられている。
目指すべきは、こうした気品が漂う雰囲気だ。

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

バーバリーのバルカラーコート

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マエストロのワードロープから披露していただいた今月のアイテムは、12〜13年前にロンドンのヴィンテージショップにて購入した'60年代のバーバリーのバルカラーコート。名品として広く知られるコートだが、やはり'60年代のヴィンテージとなると独特の味わいが醸し出されている。リバーシブルだが、マエストロはチェック側を好んで着用するとのこと。防水性の高いコットンギャバジンは今なお、十分な機能性を発揮。ニットの上に羽織って着ることが多いそうだ。

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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Discover Japan 9月号が発売されました

Discover Japan 9月号が発売されました

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘センスは染み込ませるもの’』2012年9月8日(土)掲載

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘センスは染み込ませるもの’』2012年9月8日(土)掲載

OCEANS 2月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち!

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