AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2012年08月04日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘自分のスタイルをさがして’』2012年8月4日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 こう暑いと「ダラ〜」としてしまっている人はいませんか?特に黒いカバンのひもを長く伸ばし、片方の肩に「だらり」とかけている姿はいただけません。日本の崩れたサラリーマンを象徴するスタイルのように思います。

 意外に思われる方もいるかもしれませんが、普段の私はスーツを着ていてもナイロンのデイパック(小型のリュックサック)を愛用しています。それを両肩で背負うのではなく、片側でかつぐ。活動的に歩き回るのが好きな私の生活スタイルに、とてもマッチしているのです。

 ただし、スーツにはアウトドアテイストが強いものは似合いません。使い込んでいるのは、フランスのエルベシャプリエというブランドで、シンプルなデザインでロゴも控えめ。茶、黒、グレーの3色を、服の色に合わせて使い分けています。

 かつては高級とされるブランドのバッグを持ったこともありました。ただ、試行錯誤の末にたどり着いたのが現在のリュックスタイル。「ブランド軸」ではなく、「モノ本位」「自分本位」で選択することが大切だと思います。

 「スーツにはかっちりとしたブリーフケースが無難」「地味な黒が汚れも目立たなくていい」といった選び方をしていませんか。私はかばんの選択、その持ち方もゆるがせにしたくないと思います。
 

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イラスト・YAB

 世の男性で、身につけるものについて「何でもいい」「考えるのが面倒」と口にする人ほど、食べるものや人生そのものも大したことがないと感じています。一度しかない人生ですから、衣食住、そして計画して出掛ける旅や選び取る本に至るまで、その楽しさをかみしめることこそが充実した「粋な人生」につながっていくのではないでしょうか。

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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2012年07月31日(火)

2012 Fall & Winter Trunk Show [Special Pattern Order会]

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 いつも当ブログをご覧いただき有難うございます。

 8月20日(月)から31日(金)まで、Akamine Royal Line のオーダー会を開催致します。

 1920年代、1930年代が世界的に注目を浴び、ジェントルマンズ・スタイルの原点と言えるこの時代は、本年度のアカデミー賞で5部門を受賞した「The Artist」や「Midnight in Paris」をご覧になれば一目瞭然です。

 今回は私が2月に訪問したFox Brothers Archiveの復刻等、この時代を彷彿とさせる生地をご用意いたし、心よりご来社をお待ち申し上げます。

Yukio Akamine


 
■Theme : VANITY FAIR

■Date :  8/20 mon. 〜 8/31 fri.

※ご来社希望日時をメール(y.baba@incontro.jp)、または【コンタクトフォーム】よりお知らせください。こちらから折り返し確認のご連絡をさせて頂きます。

■Place : INCONTRO Shiroganedai Showroom

■INCONTRO Map
印刷用地図】  【Yahoo!Maps

■お問合せ
Tel 03-3447-1891

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2012年07月21日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘夏に見る「ニッポンの誤解」’』2012年7月21日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 最近は真夏にネクタイをしている男性を見かけることが少なくなりましたが、それでも毎年暑い季節に首をかしげるのが、「白っぽいVゾーン」です。テカテカしたサテン風の素材で、白がらみの甘い色感を多用しています。しかし、こうした日本人独特な色づかいのネクタイでは、顔まわりがぼやけて締まらない。ネクタイをアクセントにしてビシッと決めてください。

 この季節にお薦めしたいのは、水玉がプリントされたネクタイです。明るいブルーに白の水玉が入ったものが、爽やかさを感じさせ、暑い季節の「基本のキ」であります。もちろん、グリーンでも、茶色でも自分の好きな色で構いません。水玉が小さくなれば、よりシックな印象をもたらします。

 ほかにも、例えば春から夏にかけての生地なら、ヤギの毛を使った「モヘア」とウールの混紡が折り目正しいシャッキリ感があって望ましいとか、夏場なら「シアサッカー」や「コードレーン」といった生地がふさわしいといった、基本的な理解が日本では浸透していないように思います。
 

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イラスト・YAB

 こうした言わば「持つべき服の楷書体」を学んでいきませんか。年齢や経験を重ねるうちに、「楷書体」から「行書体」へと学びが移り、その後に自分なりの解釈を加えた「草書体」になる。そうした成熟が装いにもあって欲しいのです。そのためにもまずは誤った認識は捨てて、「楷書体」の理解を進めていきましょう。

 夏のセールの真っ最中、基本の「キ」のお買い得をそろえるチャンスです。改めてグレー、青、茶の「男の三原色」を思い浮かべてください。良いお買い物を!

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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2012年07月07日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘暑い季節の大人カジュアル’』2012年7月7日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 前回は夏のオフィスシーンにおける装いについて、「クールビズありきではなく、会う人への気持ちを表現したい」とお伝えしました。今週はオフの装いについて考えてみたいと思います。

 私が暑い季節のカジュアルの基本にしているのは、ボロシャツ。Tシャツより、やはり襟の付いたものが大人にはふさわしいと思います。特に歴史のある「ラコステ」を愛用していますが、裾を出して着ることが多いので、丈の長さには気を使います。ちょうどお尻のトップにくるぐらい、あるいは少し短いぐらいに、場合によっては直して着ています。身幅もほどほどピタっとしたものを選ぶようにしましょう。ダラリとした印象を与えてはなりません。

 そして、男を最も美しく見せてくれる上着は、盛夏においても活用しています。コットンあるいはリネンのものをさらりと羽織れば、体形をカバーしてくれる上に、簡単にスタイルが決まります。

 下半身には、ショートパンツやバミューダパンツをもってくることが多いのですが、細畝のコーデュロイのジーンズなんかもいいと思います。

 そして活動的に過ごしたいので、足元にはスニーカー。デザインし過ぎたもの、大きさを感じさせるものは避け、コンバースのオールスター(ローカット)やイタリアのスペルガといったものを薦めます。ポロシャツの色に合わせて、白、生成り、紺、黒あたりがいいでしょう。
 

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イラスト・YAB

 「オフだから何でもいいや」なんて、もうやめ。夏の海を思わせる明るいブルーのニットジャケットに、白い波頭に寄せて白色ポロシャツ、砂色ベージュのショートパンツなんてどうですか? 自然からの発想でいかにも粋ですね!

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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2012年06月23日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘暑い夏は肌感覚で素材を吟味’』2012年6月23日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 蒸し暑いニッポンの夏、到来。涼を悩む季節です。

 しかし、「クールビズ」という言葉は気に入らない。これまでの規範をぶち壊してしまったからです。昨夏からの「スーパークールビズ」に至っては、職場でTシャツやハーフパンツ……何でもありですか

 地球環境への配慮は大切にしたいものですが、あえて申し上げたい。オフィシャルな場にあっては、「できるだけ肌を見せない」というのが本来の心得であります。紳士を自負なさる方なら、昔から人に会う時には上着を着用するのがエチケット。脱いでいることがあったとしても、「上着も着ておりませんで失礼いたします」と一言あるのが、ジェントルマンたる者の振る舞いです。

 ネクタイなら裏地の付いていないもの、「フレスコ」と呼ばれる軽めの生地でサッパリと。最近は「エアージャケット」といった命名の、涼しげな上着も登場しています。

 そうは言っても、暑いのもよくわかりますから、シャツ姿でも粋にいきましょう。江戸の時代から、日本人は絽や縮みなど、さらりと感じる肌触りの織物を愛用してきました。現代なら上質な麻、綿でも強く撚った糸で作り、シャッキリした織りの「ボイル」、シアサッカー、コードレーンなどを肌感覚、そして冷涼感で選べばいい。
 

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イラスト・YAB

 「機能性」をうたう新素材も結構ですが、私は「生のもの」「無垢のもの」に勝るものなしと考えます。どうぞ麻や綿といった天然素材、そして通気のよい織り方にご注目を。

 再び巡ってきた節電の夏。「粋」について考えさせられる夏ですね。

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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