2012年07月21日(土)
朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘夏に見る「ニッポンの誤解」’』2012年7月21日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]
最近は真夏にネクタイをしている男性を見かけることが少なくなりましたが、それでも毎年暑い季節に首をかしげるのが、「白っぽいVゾーン」です。テカテカしたサテン風の素材で、白がらみの甘い色感を多用しています。しかし、こうした日本人独特な色づかいのネクタイでは、顔まわりがぼやけて締まらない。ネクタイをアクセントにしてビシッと決めてください。
この季節にお薦めしたいのは、水玉がプリントされたネクタイです。明るいブルーに白の水玉が入ったものが、爽やかさを感じさせ、暑い季節の「基本のキ」であります。もちろん、グリーンでも、茶色でも自分の好きな色で構いません。水玉が小さくなれば、よりシックな印象をもたらします。
ほかにも、例えば春から夏にかけての生地なら、ヤギの毛を使った「モヘア」とウールの混紡が折り目正しいシャッキリ感があって望ましいとか、夏場なら「シアサッカー」や「コードレーン」といった生地がふさわしいといった、基本的な理解が日本では浸透していないように思います。
こうした言わば「持つべき服の楷書体」を学んでいきませんか。年齢や経験を重ねるうちに、「楷書体」から「行書体」へと学びが移り、その後に自分なりの解釈を加えた「草書体」になる。そうした成熟が装いにもあって欲しいのです。そのためにもまずは誤った認識は捨てて、「楷書体」の理解を進めていきましょう。
夏のセールの真っ最中、基本の「キ」のお買い得をそろえるチャンスです。改めてグレー、青、茶の「男の三原色」を思い浮かべてください。良いお買い物を!
=======================================================
*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。
Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 0 )