2007年03月06日(火)
MEN'S EX 4月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.11 [MEN'S EX 掲載記事]
菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。
「今月のテーマ」
お気に入りのドレスシューズ
今回のテーマは読者の皆様に昔から根強い人気がある「靴」。ファッション界の両巨匠が語ってくれた思い出の靴は、菊池さんが「英国靴のチャーチ」、赤峰さんが「往年のアメリカ靴」という展開になりました。ちなみに、今気になっている靴はお2人ともエスパドリーユとか。その話の内容やいかに?
■(写真右)赤峰幸生氏
・シャルベのシャツ
・アカミネロイヤルラインのタイ
・アイリッシュリネンカンパニーのチーフ
・アカミネロイヤルラインの綿ギャバスーツ
・ストール マンテラッシのスリッポン
■(写真左)菊池武夫氏
・グレースのジャージ素材キャスケット
・フェルラのシルクを渡して作ってもらったベルヴェストのジャケット
・フェイヴァーブルックのドクロ柄シルクストール
・Gスターのジーンズ
・ジョンストン&マーフィーのウイングチップ
20代の頃、菊池さんはずっと英国靴の良心と謳われたチャーチを、赤峰さんは往年のアメリカ靴を、それぞれ履いていたそうで、その頃の話で盛り上がっていました。
■菊池さんはチャーチ、赤峰さんはアメリカ靴
菊池 お洒落を本当に意識しはじめたのは18歳くらいで、それまでも意識していましたけど、変な格好していましたから。下駄履いたりとかね。18歳になってからきちんとしはじめたんですけど、当時はチャッカブーツが好きでした。細いパンツにチャッカブーツを合わせてっていう感じ。ただ、革靴は子供の頃からずっと履いていました。今と違って、スニーカーなんか逆にない時代でしたから。赤峰さんが意識し出したのはいつ頃ですか?
赤峰 やっぱり高校生、17歳くらいですかね。僕もハイカットのチャッカブーツが好きでした。「ウエスト・サイド物語」という映画があって、(注1)ジョージ・チャキリスとか、ああいう連中がブーツっぽい靴を履いていたのに影響を受けまして。意識しはじめたのは、多分その頃からですね。菊池さんは思い入れの強い靴ってありますか?
菊池 僕の場合は、なんといってもチャーチです。
赤峰 ほーっ、何歳のときですか?
菊池 20代半ばから30代後半まで。かなり長い間、ずっとチャーチばかりを履いていました。
赤峰 相当早いですよね。
菊池 早かったと思います。一時期、室内履きまでチャーチで揃えて、家の中でも履いていました。いわゆるビロードのスリッパです。
赤峰 どこが好きだったんですか?
菊池 ゴツいところです(笑)。形はベーシックじゃないですか。で、革底なのにゴツい。コバがしっかり張っていますよね。その張った感じが男らしくて好きだったんです。それ以来、僕の靴はゴツいやつばかりになってしまって。ただ、'70年代にベーシックなものを全部やめてしまった時期があるんですよ。ベルボトムパンツはいて、手作りの一枚革で作った変なモカシンみたいなのとか、オランダのサボの変形みたいなのとか、そういうのばかりを履いていて。そのときは、チャーチはほとんど履きませんでした。
赤峰 僕は渋谷が本拠地だったじゃないですか。昔の恋文横丁に「サカエヤ」っていう、いわゆる米軍の流れもののお店があって、アメリカの靴が売っていまして。あそこにあった靴には憧れましたね。その後、初めてニューヨークに行ったとき、ブルックスブラザーズでコードバンのローファーを目にして。今から40年近く前ですけど、やっぱり感動しました。とにかく高かったですけど・・・・・。
菊池 実際に買われたんですか?
赤峰 もちろん、買いました。ただ、手入れが悪かったものだから、コードバンがダメになってしまいまして。
菊池 もったいないですね。やっぱり赤峰さんの根底にあるのはアメリカの靴なんですか?
赤峰 そうですね。最初に出会ったのがアメリカの靴でしたから。(注2)バスのスポートカシンっていう5アイレットの型押しシューズとか(注3)ウォークオーバーとか。フローシャイム、ボストニアンとか、あの辺です。
菊池 ありましたよね。どれも懐かしい名前ばかりです(笑)。
赤峰 あの頃はアメリカの靴に憧れていて、'60年代から'70年代にかけてのアメリカの靴はだいたいひと通り履きました。イタリアのようなキザな靴は履きたくない、みたいなのがありましたからね。あとはフランスのジェイエムウエストンの対抗馬だったジャン バディなんかも好きでした。不思議と、紐靴よりはスリッポンが多かったかな。菊池さんが浮気をせずにずっとチャーチだったのとは対照的です。
菊池 そうですね。どっちかというと、普通のちゃんとした靴はチャーチで済ませてしまったというか。フローシャイムとかも履きましたけど、あまり記憶に残ってないんですよね。
赤峰 昔のチャーチはいいですもんね。最近の靴って、特にイタリアの靴とかって、表現が大げさすぎるものが目につくんですよね。
菊池 やっぱり今の靴ってデフォルメされすぎているから、ときどき恥ずかしい。若い人にはいいですけどね。実態とそぐわないようなカタチをしている靴もけっこうありますから。
赤峰 無理やりロングノーズにしてるというか。同じロングノーズの靴でも、故意にそうするんじゃなくて、バランスのよさがもたらす結果として、ノーズが長く見えるのがいい。
菊池 そうなんですよね。今日履いているジョンストン&マーフィーみたいな木型の靴を探しているんですけど、全然ないんですよね。
赤峰 そういう昔の大切な靴って、菊池さんはリペアとかされるんですか?
菊池 僕はしないんです。本当はしたいんですけど、どうしても放ったらかしになっちゃいます。
赤峰 服でもそうなんですけど、僕も手入れのいいほうではないんです。よく靴の好きな人で靴オタクみたいな人がいるじゃないですか。やたら凝りすぎている人。そういうのは苦手です。菊池さんは、靴はこうあるべき、みたいなのってありますか?例えば常にピカピカでないといけないとか・・・・・。
菊池 靴はきれいであるというより、本当に好きだったら履きますからね。だから、履いたままの感じ。ただ、やっぱりリペアして履くくらいのマメさは、あったほうがいいと思います。僕はやってないですけど(笑)。
赤峰 僕の中では、買いたての靴って嫌なんです。
菊池 あっ、それ僕も嫌です。
赤峰 ヨーロッパの車と同じで、汚れてこないと自分の靴にならない感じがして。真新しい状態を維持するような気分って嫌なんです。どちらかというと、自分の足で革をいじめてやるみたいな。いじめ込んでいかないと、自分の足の形に沿ってこない感じがしますしね。
菊池 手入れもしないんですか?
赤峰 たまにはします。でもしょっちゅうやるとか、そういうのはないです。今日は写真撮るから、あれでも一応磨いてきたんですけど、全然磨いている感じになってないですね(笑)。
菊池 僕も普段はほとんどしないんですけど、今日は一生懸命磨いて、シューツリーとか入れたことなかったんだけど入れて(笑)。
赤峰 一緒ですね(笑)。
■今年はエスパドリーユが凄く気になっている
菊池 映画から影響を受けた靴ってありますか?
赤峰 「第三の男」です。あれはチャーチだったと思うんだけど、ドレッシーってのはこういうものなんだ、みたいなのが、「第三の男」にはある。あと、向こうの連中って、机の上にボーンと靴を乗っけるじゃないですか。
菊池 よくやりますよね。パカーンと乗っけてね。
赤峰 裏がピカッて光っているのが靴の文化だな、みたいな。真似て土踏まずのところを顔が映るくらいにピカピカに磨いた記憶がありますよ(笑)。
菊池 映画でコンビの靴あるでしょう、1930年代のやつ。その頃の映画の服が好きで、自分でもコンビの靴にスパッツをつけたりしましたね。手元にないので最近は履いてないですけど。
赤峰 コンビの靴だと、昔のテレビ版アンタッチャブルのフランク・ニティか、「(注4)華麗なるギャツビー」あたり。
菊池 ギャツビーは、いろいろ楽しめますよね。
赤峰 そうそう。あと、若い頃のイブ・モンタンがエスパドリーユを履いていて、それがカッコよくて、やっぱり憧れました。リビエラのスタイルはエスパドリーユ、みたいな。
菊池 僕ね、実は今、エスパドリーユが凄く気になっているんです。
赤峰 究極のリゾートであり、原点って感じで、あのキャンバスのいろんな色というのが、また何かいいじゃないですか。絶対色が落ちちゃうんだけど。特にエスパドリーユのジュートに黒を合わせるのとかいいなぁ。
菊池 それ、カッコいい!
赤峰 エスパドリーユのローファーとか作ってみたいんですよね。
菊池 是非やりたいですねぇ。
(注1) 「ジョージ・チャキリス」
1934年アメリカ・オハイオ生まれの俳優。高校生の頃からダンサーを志し、'61年の映画「ウエストサイド物語」でベルナルド役に抜擢。
(注2) 「バス」
1876年に創業したアメリカのシューズブランド。ブランドを代表する名作ローファー「ウィージュン」は、'70年代後半に日本でも大ブレイク。
(→)'70年代製バスの「ウィージュン」のデッドストック。
(注3) 「ウォーク オーバー」
'90年代までアメトラファン御用達だったアメリカのシューズブランド。レンガ色ソールをしたダーティバックやホワイトバックスが有名でした。
(→)ウォークオーバーの大定番だったダーティバックス。
(注4) 「華麗なるギャツビー」
スコット・フィッツジェラルドの小説を、1974年に映画化。ラルフ・ローレンが衣装を担当。写真は主演のロバート・レッドフォード。
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菊池さんのお気に入り3足 [MEN'S EX 掲載記事]
30年前に購入したジョン・マは色が◎
30年くらい前に購入したジョンストン&マーフィーの靴。スエードの色が気に入っていて、3年前に眠っているのを見つけてからは、ストライプスーツに合わせて履いています。
場を選ばず愛用のジョン ロブの1足
10年ほど前に購入したジョン ロブの「ノルウェー」というモデル。アッパーはドレッシー、ソールはカジュアルゆえ、スーツにもジーンズにも合わせてご愛用。凄く歩きやすいとか。
色気を感じさせるレ・ユッカス
日本人デザイナーの村瀬由香さんがデザインしたレ・ユッカスの7アイレットプレーントゥ。40カラッツを始めたときに、ビブラムソールで別注。作っているのは、ボナフェ。
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赤峰さんのお気に入り3足 [MEN'S EX 掲載記事]
赤峰さんの定番マンテラッシ
ストール マンテラッシの定番モデル、スエードスリッポン。赤峰さん曰く「主に夏に履いていて、履き潰しては繰り返し買っています。かれこれ6〜7足目かな」とのこと。
ロンドン ロブのビスポークです
20年くらい前に、ロンドンのジョン ロブでビスポークしたセミブローグ。通称ロンドン ロブと呼ばれるこちらは、パリのロブとは異なり、至って真面目な顔つきをしています。
フローシャイムのインペリアル
これまた懐かしい靴が登場。30年ほど前に購入したという、フローシャイムの最高級ライン、インペリアルのウィングチップ。往年のアメリカ靴の面影がたっぷり感じられます。
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2007年02月24日(土)
OCEANS 4月号 連載#13 [OCEANS掲載記事]
King of Elegance
マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」
グレーの“粋”
今年1月、次の秋冬に向けた服飾見本市(注1)ピッティウォモに行ってきた。クラシックには流行りという概念はないが、旬というものはある。メーカー主導とはいえ、時代性として少なからず意識し、柔軟な姿勢で取り入れることを推奨したい。では、その具体的な内容であるが、イタリアを中心に世界中のメーカーが集うピッティの会場で、注目すべきは(注2)グレーであった。ライトからミディアムまで、(注3)明るいトーンのグレーがこれほどに目立ったことは、かつてないようにも思われる。これは今季の春夏にも通じるトレンドだ。スタンダードなカラーゆえに、着こなしは比較的、容易に思われるが、黒やネイビーに比べて、ごまかしのきかないカラーであることに留意したい。まず、グレーは無彩色であるがゆえに、光の当たり具合やドレープにより、素材感が際立って見える。だからこそ、グレーは(注4)上質な素材であることが他の色以上に求められる。かつて、日本ではグレースーツと言えば、ネズミ色スーツと揶揄されたこともあるが、質のいい素材のピュアなグレーは実にエレガントだ。そして、質のいいグレースーツやジャケットは、旬でありながら10年以上着続けられることも魅力的だ。
上質なグレーのスーツやジャケットを手に入れたなら、次は着こなし方が課題。日本人はとかく、(注5)単品へのこだわりが強い。しかし、スーツやジャケットを着たときのエレガントな見せ方のポイントは、ズバリ色合わせのみ。点ではなく線で見せる、つまり、どのように色を繋げるかということだ。無難なのは黒。ただし、グレーに合わせる場合、黒の分量は少なめに。全体が重くならないようにしたい。そこで、おすすめしたいのは茶だ。その際はグレーと茶のトーンが揃うように心がけたい。自然に色が繋がっているようなハーモニーが、エレガントに見える秘訣。赤や青などアクセントカラーを差し込むなら一色だけ、しかも小さな面積で。ビジネスシーンはもちろんだが、この春夏にはグレーをベースにしたスポーティな着こなしもおすすめだ。今回は参考になるように、2パターンをご覧いただこう。
ドレスマインドを宿した、リゾートでのシックな着こなし
ダブルブレストのジャケットは、赤峰氏がディレクションを手がけるプライベートブランド、Y.アカミネの2007年春夏コレクションからの一着。素材はウールのようにソフトな手触りを得られる平織りのコットン。ラペル幅が広めで、着丈はやや短く、ドロップはきつめ。また、玉縁ポケットで、白の貝ボタンを採用している。イタリアンカラーの白シャツをインナーに、パンツは茶のコーデュロイ。足元はストール マンテラッシのスエードスリッポン。ジャケットのライトグレーのトーンに対して、パンツと靴の茶のトーンを揃え、キレイなグラデーションを作っているのがポイントに。
ダブルブレストのスーツは、ポロシャツを合わせて脱力で!
フィレンツェのテーラー、リベラーノ リベラーノにて8年ほど前に仕立てた6ボタンダブルブレストのスーツ。素材は英国のテキスタイルメーカー、ウィリアムハルステッド社のキッドモヘア。グレーのオーセンティックな一着は、長く使える現役選手、そんな見本でもある。インナーのポロシャツは、シーアイランドコットン製。かつて赤峰氏がディレクションしていたグレンオーバーのもので、28年ほど前から愛用。カラートーンを合わせているとともに、素材感のハーモニーも絶妙。手にはペルソールのサングラス、足元は右と同じスエードのスリッポン。
(注1) 「ピッティウォモ」
毎年1月と6月にイタリアのフィレンツェにて催されるメンズの国際服飾見本市。クラシコ・イタリア協会に属するメーカーを筆頭に、クラシックからストリートまで、世界中のメーカーが集う。それに伴い、世界中のバイヤーも勢揃い。次のメンズファッショントレンドが模索される場所なのだ。
(注2) 「グレー」
1月のメンズミラノコレクションでもグレーが主流。つまりこのグレーのトレンドは今年の秋冬まで続くということ。2006年6月号の本誌でも、「都市型グレースーツ」を特集。
(注3) 「明るいトーン」
グレーはトーンによって、さまざまなカテゴリーに分かれる。特にトレンドとして浮上しているのは、ライトグレーからミディアムグレー。チャコールまではいかないミディアムダークまでの、比較的明るめのトーン。
(注4) 「上質な素材」
特に注目すべきは、モヘアやシルクの混紡されている素材。シャイニーなグレーが、春夏にふさわしい清涼感を演出し、シックな雰囲気を醸し出す。
(注5) 「単品へのこだわり」
スーツやジャケットを購入する際には、どのように着こなすのかを頭の中でイメージすることが重要だ。ブランドのネームに惑わされがちだと単品を選んでしまう!とは赤峰氏の指摘。
写真集「Dressing in the Dark」を見ると、映画のシーンからメンズスタイルが考察できる。グレーの着こなしで参考となるのは、左のジョージ・クルーニーの着こなし。グレージャケットに白シャツが、シンプルでシック。
写真集「ALBUM ANTONIONI」より。参考にしていただきたいのは、椅子に座っているジャック・ニコルソン。グレーのこなしではないものの、脱力しながらもエレガンスをキープしているのが洒脱。
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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]
赤峰氏がプロデュースする「きもの」のスミズーラ会を紹介!
ニッポンの男ならしっかり着こなしたい「きもの」。ということで、今月は赤峰氏がセレクションする「きもの」スミズーラ会「柳裳苑」を読者だけに特別ご紹介!3月11日、12日に東京はホテルニューオータニの芙蓉の間にて開催。会場では洋服と同じ色あわせで、氏が考える王道の5つのコーディネートが楽しめます。紋付き袴、おめし、つむぎ等を全国各地から調達。また、帯や雪駄にいたる小物まで用意し、皆さまのご来場を心よりお待ちしています。(ホテルニューオータニ)
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2007年02月11日(日)
朝日新聞 be on Sunday 日曜ナントカ学 『スーツはすぐれもの』に紹介されました [朝日新聞掲載記事]
弊社の代表赤峰の一部コメントと画像が、朝日新聞 be on Sunday ('07年2月11日付)の日曜ナントカ学:「スーツはすぐれもの」に株式会社オンワード樫山大沼勉専務・英国羊毛協会会長Mr.アークロイド氏らと一緒に日本の紳士服業界を代表して、ご紹介いただきました。
団塊世代の定年退職を目前にニッポンのサラリーマンの制服:スーツに変わるファッション提案についてコメントさせていただいています。また、近年赤峰も参加しているジェントルマンズサミットを主催しておられるテーラーケイドの山本祐平さんのコメントも合わせて紹介いただきました。
是非ご一読ください。
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2007年02月09日(金)
インコントロ“X”第4期開講のお知らせ [INCONTRO NEWS]
'07年3月から新たに第4期インコントロ“X”(赤峰私塾) をスタートいたします。
3月6日(火)迄、順次お申し込みをお受けしています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※詳細はこちらをご覧下さい。>>
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2007年02月06日(火)
MEN'S EX 3月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.10 [MEN'S EX 掲載記事]
菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。
「今月のテーマ」
2人の気分の紺ジャケット
本連載6回目('06年11月号)で「『Be Buffalo Forever!』の名を冠したジャケットを作ろう」企画が持ち上がったのをご記憶でしょうか?
4ヶ月の時を経て、この度遂に完成の運びと相成ったわけですが、いやはやお2人のこだわりが詰まった1着は、実に見事な出来映えでした。当然、今回の対談テーマはそれ。
お2人は今日も舌好調です!
■Be Buffalo Forever!の別注ジャケット■
■(写真右)赤峰幸生氏
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたシャツ
・1940年代の英国製ヴィンテージスカーフ
・ジョン・スメドレーのニット
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたウールパンツ
・エドワード グリーンのシューズ
■(写真左)菊池武夫氏
・CA4LAの帽子
・40カラッツ&525のコットンプリントシャツ
・アンセ・ムーレのスカーフ
・ロダのカシミアチーフ
・Gスターのブルージーンズ
・カチンのアリゲーターシューズ
菊池武夫×赤峰幸生×M.E. 夢のコラボジャケット完成!
40カラッツ&525にて限定20着!8万9250円
モーリス・ロネをイメージした、トリプルネームジャケットです
今回のジャケットのテーマは「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネ。ドロップしつつも美しいショルダーライン、浅めのベントや短めの着丈など、当時のパリの雰囲気を見事に再現した1着です。玉縁ポケットで、袖口のボタンは3つ。2月6日(火)より、タケ先生のお店「40カラッツ&525」にて、限定20着のみ展開されます。8万9250円(ビー バッファロー フォーエバー!/40カラッツ&525 tel03-3408-8562)
生地はエンブレム社のコットンリネンを使用
アイルランドはエンブレム社のコットンリネン(コットン55%、リネン45%)。ヘビーウェイトすぎずでも打ち込みはしっかりしていて、着るほどに味が出ます。
夢のコラボジャケットのスペシャルタグです
今回のトリプルネームタグ。上の帽子マークがタケ先生の「40カラッツ&525」、中央が赤峰さんの「Y.AKAMINE」、下に「Be Baffalo Forever!」の名前が入ります。
■長いプロセスを経てようやく完成しました■
お2人のこだわりが満載です
◇上・上中 最初にテーマを決め、打ち合わせを重ねてディテールや生地などを決めていきました。
◇下中 菊池さんオススメのパリの生地屋に、赤峰さんと生地を探しに行きました。
◇下 パリの生地展、プルミエールヴィジョンにて。今回使用したエンブレム社のジム・コンウェイ社長と赤峰さんの2ショット。
■いいバランスで出来上がったと思います
M.E. 昨年の11月号で、「連載のタイトル『Be Baffalo Forever!』をブランド名にしたジャケットを作りましょう」という企画が持ち上がり、その後お2人の力を結集して着々と作業を進めていただいたジャケットがこの度遂に完成しました。いろいろとこだわりが詰まった1着になったかと思いますが、まずは実際に袖を通した感想を伺いたいと思います。
菊池 本当にいいバランスに仕上がったと思いますよ。そもそもこのジャケットを作るにあたって、みんなで打ち合わせを何度か繰り返し、最終的にフランス映画の「死刑台のエレベーター」をテーマにしようと決めて進めていったのですが、そのあたりの雰囲気はしっかりと表れていますね。例えば着丈は短いんだけど、今風にピチピチしているんじゃなくて、どことなくゆったりした感じがあるところとかね。あとはポケットの位置をやや低くして、ベントを浅くしたのもポイントです。全体のバランスは非常によくまとまっていると思います。
赤峰 菊池先生のおっしゃるとおりですね。テーラード感を保つことのできるギリギリのレングスが絶妙です。しかも、ゆったりとした感じに見えるんだけど、肩にキチッとハマっているから非常に吸い付きもよくて、肩甲骨のあたりの線がちゃんとキレイに出ています。最近のジャケットは、これくらいの着丈になるともうちょっと肩が中に入ったりしているんですけど、これはフレンチの流れを汲んでいるからドロップショルダー気味に仕上がっていますよね。
菊池 それってまさしく今の僕の気分なんです。ゆとりがあるっていうのかな。今の男のエレガンスって、なんでもかんでもイタリアに向かっちゃってますけど、そうした流れに対するひとつのカウンターとして今回のジャケットはあると思います。
赤峰 着丈がちょっと短くて、ベントは浅め。肩のラインはややドロップ気味だけど、意外に硬直的で存在感があって、なおかつ腰にかけては少し絞り感もある。まさしく'60年代のフレンチアイビーの現代版アレンジといったところですよね。
菊池 ドロップサイズも6から7の間ぐらいじゃないですか。今の細身のものってだいたい8ぐらいでしょ。だからシルエットもだいぶ違いますよ。カジュアルにジャケットが出来上がっているっていうのかな。ストンと落ちたシルエットは一見するとダサく映るかもしれませんが、そういった雰囲気ってしばらくなかったから今になって凄くカッコよく見えるんですよね。
赤峰 クラシコイタリアだとか、肩パッドのないアンコンジャケットといった流れがあって、その後はタイトフィットが隆盛を極めている状況が続く中で、改めてこのジャケットを手に取ると、適度なゆとりが感じられて不思議と新鮮さを覚えるっていうのはあります。まさにモーリス・ロネ(『死刑台のエレベーター』の主演俳優)のイメージで、フレンチシックに着こなしたい1着ですよね。
■カーディガンのようにさらっと羽織る
M.E. 生地にもこだわりました。赤峰さんとは一緒にパリの生地展や生地屋巡りもしましたよね。
赤峰 アイルランドのダブリンにある「エンブレム社」ってところの、コットンリネンを使用しています。ラルフ ローレンやジョルジオ アルマーニにもデリバリーしている生地屋ですよ。ここの社長は昔から知っていましてね。かれこれ30年前でしょうか。彼が日本に初めて売り込みに来たときに最初に買ったのが僕でして、彼とはそれ以来の付き合いなんです。アイリッシュリネンの中には糊で固めたようにハードなものもありますけど、ここの生地は割りとソフトなフィニッシュになっているのが特徴です。
菊池 アイリッシュリネンだからか、やっぱり少し光沢がありますよね。コットンリネンだと普通はそんな感じはしないんだけど、これはいい具合にツヤが入ってる。そしてなんといってもカジュアルに見えますよ。ウールだとこうはならなかったでしょう。
赤峰 普段着感があるのは断然こっちでしょうね。で、そのほかの利点としてはリネン100%だとシワが出やすいけど、コットンが入ることによってそれが目立たなくなりますよね。
菊池 そうです。だからこれはシワが目立ちにくいうえに、麻のタッチも残ってますから、そういう面でよかったんじゃないかと思います。
赤峰 バリエーション的にはいろいろな合わせ方ができると思うんですよね。オーソドックスに考えれば、僕のようにグレイパンツに合わせるというのもあるし、一方で菊池先生のようにデニムとのコンビネーションで合わせる手もある。着こなしの選択技は相当多いと思います。
菊池 いや、本当にレンジは広いですよ。色もネイビーで合わせやすいですし。実をいうと、最初の頃はわりと明るめの色を探していたんですけど、'50年代の雰囲気にするのであれば、落ち着きがあっていろいろと着こなしやすい色ということでこれにしました。
赤峰 まさにオールマイティー。カーディガンを着ているような気分で、さらっと羽織ってみるといいのではないでしょうか。
今回も愉快な対談となりました
今回は「40カラッツ&525」のバーカウンターで対談。その際、カメラマンからの「カメラを意識せずに会話してください」というオーダーに対し、菊池先生の第一声は「赤峰さんは何座ですか?」。これには一同大爆笑でした(笑)。
■当時のパリの気分を思い出して作った
菊池 今回はフレンチテイストに仕上げましたけど、やっぱりフランスの服ってイギリス的な要素だったり、イタリア的な要素だったりをバランスよく取り入れた中庸の上手さってのがあると思います。さっきもいいましたが、なんとなく今の僕の気分としてはあんまり尖った感じじゃなく、だけどコーディネーションが成立しているっていうのがいいんですよね。
赤峰 わかります。いってしまえば、究極の普通ってやつですよね。シンプルであればあるほど、そのもの本来の美しさが現れてくる。そういった部分を、今回我々はゆったり感だったり、リラックス感というイメージで捉えてみたわけですよ。
菊池 そうそう。だらんと着た感覚を表現しました。で、そういうアンニュイでスローな感じがあるところとなると、やっぱりフランス、それもパリだと思うんですよ。
赤峰 デカダンな雰囲気がありますね。小難しい哲学の話を延々と夜通しやり合って、それでも解決しないからまた翌日もやっちゃうのはパリならではですよ。だからこそ文化とかアートといったものが根付くんでしょう。
菊池 このジャケットを作るにあたって「死刑台のエレベーター」をイメージしたっていいましたけど、あれって音楽はマイルス・デイビスですよね。もちろん彼はアメリカ人ですし、ジャズ自体もアメリカのニューオーリンズから生まれているんですが、それでも「死刑台のエレベーター」の音なんてすごくアンニュイでフランス的。
赤峰 たとえ同じ曲でもパリで聴くと途端にアートっぽくなるっていうのはありますよね。そうさせてしまう力がパリにはあるんでしょうね。
菊池 ただ、ことファッションに関していうなら、最近のパリにはそういった魔力みたいなものはほとんどないですよね。フランスの影響を受けているファッションってほとんど出てきてないと思いますよ。
赤峰 確かにありませんね。振り返ってみると、僕なんかも若い時分にパリに行き始めたときは、カルチェラタンとかに行ってはクリエイティブな匂いを嗅ぎ回っていた思い出はありますよ。そういった意味で今回のジャケットは、当時のパリの気分を思い出して作ったともいえます。
菊池 ですね。かなり満足のいく形で出来上がったと思います。
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赤峰さん的紺ジャケットの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]
この色合わせが気分です
フレンチタッチなジャケットには濃いめのオレンジを合わせるのが赤峰さんの気分。で、スカーフを。
胸の膨らみがエレガント
胸の膨らみをもたせた豊かな曲面を描くドレープが、スタイリングを効果的に演出してくれます。
こんな着こなし方もあります
スカーフを出して、シャツの襟も無造作にロールさせる。赤峰さんの得意とする着こなしテクです。
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菊池さん的紺ジャケットの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]
バッジをアクセントに!
レイ・ペトリさん(スタイリスト集団「Buffalo」を率いた人)のレプリカバッジをアクセントに。
中には派手プリントのシャツ
カジュアルにこなしたい菊池さんは、曰く「プリントシャツでいかれた感じに」コーディネート。
こだわりのディテール
ポケット位置が低く、ベントは浅め。菊池さんのこだわりがしっかり表現されたジャケットです。
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Be Baffalo Forever! クリスマスパーティーは大盛況のうちに終わりました [MEN'S EX 掲載記事]
三代さんをゲストに迎えた本連載での対談をきっかけに、みんなで盛り上げようという目的で、クリスマスパーティを12月13日、表参道のモントークにて開催しました。
パーティに来てくださったかたがたをパチリ!
パーティの主役4名です
左から、バセット ウォーカーの三代彰郎さん、赤峰さん、タケ先生、M.E.編集長の松尾。パーティの主役4名です。300名は優に超えるゲストのかたがたが遊びに来てくださり、イベントは大盛況。とっても楽しいひとときを過ごせました。
(←)日本の本格靴シーンを牽引するお2人です
靴特集の度にお世話になっているギルド・オブ・クラフツの山口千尋さん(右)と、ユニオンワークスの中川一康さん(左)。山口さんはドーメル、中川さんはバタクのビスポークスーツ。
(→)40カラッツ&525のMD山口貴光さんです
パーティの企画を練ってくれた40カラッツ&525の山口貴光さん(右)には、マフィアをテーマにご登場いただきました。左は、アクセサリーデザイナーのロジャーさん。
(←)ファッション界の重鎮 吉田十紀人さんも!
トキトのデザイナー、吉田十紀人さん。トキトのカシミアジャケットに、エルメスのカシミアマフラーを合わせた、フレンチエレガンスを感じさせる大人の上質スタイル。
(→)注目のカッター、有田一成さんも!
自身のお店「テーラー&カッター」をオープンし、今最も注目されているカッター、有田一成さん。スーツはもちろん、自分のところで仕立てたもの。有田さんを見れば一目瞭然ですが、ムードたっぷりなスーツを得意としています
(←)M.E.のメインモデル、マルセルも!
本誌のメインモデルのマルセルと、モデルでマルセルの彼女のリサさん。美男美女カップルで遊びにきてくれました。マルセルも日本語で「今日は楽しいネー!」。
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