AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2013年05月14日(火)

朝日新聞be on Saturday "『赤峰幸生の男の流儀 『流行の源流を訪ねて』 2013年5月11日(土)掲載" [朝日新聞掲載記事]

 「ファッションの流行は、いったいどこから生まれてくるのか」と不思議に思ったことはありませんか? もちろん、各地のデザイナーが新しい服を作るわけですが、実は材料を調達する生地の展示会こそがトレンドの源流と言えるでしょう。

 特に欧州では服地メーカーが潮流を踏まえて各自のコレクションを発表し、トレンドを支配しています。年に2回、パリ郊外で開かれる「プルミエール・ビジョン」は代表的な国際見本市。日本ではアパレル企業がメーカーに生地を特注することがありますが、海外ではメーカーが主導的立場のようです。

 私のように、服を作って生きている者にとって、展示会は真剣勝負の場。パリでも朝は奮発してタクシーで会場入りし、車中では目を閉じて集中力を高めます。700社以上がブースを連ねる広い会場を歩き回って、次々に指で生地の感触を確かめていきます。はさみを持参して、「これは」と思う生地は分けてもらうようにしています。

 ここのところ、服地の大潮流は「クラシック」です。目詰まり感のある、しっかりとした素材が重要視され、チェックや千鳥格子など、伝統的な柄が人気になっています。ただ、こうした伝統的なものをそのまま出すだけではなく、モダンなしつらえを各社が競います。

 例えば重いツイードを軽く、春夏向けにもアレンジしてしまう。最近では「だまし絵」のような商品も目に付くようになりました。普通なら織りで表現する柄を、プリント加工にしてしまうのです。現代的な着心地と低価格を兼ね備えた素材です。

画像(180x153)・拡大画像(640x547)

イラスト・YAB

 私が目指す「クラシックの追求」とは違う方向ですが、新しいものがなければファッションは面白くない。新発見が生地展を訪ねる楽しみでもあります。

============================================

*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

Posted by インコントロ STAFF at 10時24分   コメント ( 0 )

コメント

コメント投稿フォーム

名前:(この情報をCookieに保存させたい場合にチェック)
メールアドレス: (表示はされません)
URL: (名前にリンクされて利用されます)
コメント:
パスワード: (削除時に利用)

ページのトップへ ページのトップへ

5

2013


      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

PHOTO

服の立ち位置【着る人八分 洋服二分】

服の立ち位置【着る人八分 洋服二分】

MEN'S EX 2013年7月号 赤峰幸生の「服育のすゝめ」 vol. 7

MEN'S EX 2013年7月号 赤峰幸生の「服育のすゝめ」 vol. 7

MEN'S CLUB 11月号 ハンサム男の作り方

MEN'S CLUB 11月号 ハンサム男の作り方

検索


カテゴリーリスト

最近の記事

最近のコメント

リンク集

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2005 INCONTRO Co.,Ltd. All rights reserved.