AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年12月04日(火)

『時代を超えて存在するもの。それがビンテージ・クロージング』 BUSINESS GHETE vol.3 11/25付け朝日新聞タブロイド判 [朝日新聞掲載記事]

11月25日付け『BUSINESS GHETE Vol.3』(朝日新聞タブロイド判)のVINTAGEの特集ページにて、代表赤峰が約30年かけて集めてきたアーカイヴコレクションの一部をご紹介しながら、「クラシックなスーツが少しづつ見直されている現状」と「ビンテージとは?」という視点からのコメントをさせていただきました。掲載ページを以下にご紹介させていただきました。


インコントロを主宰し、「Akamine Royal Line」を展開する赤峰幸生氏にビンテージ・クロージングの魅力について伺ってみた。
 

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 ビンテージの楽しさとは、それがこの世にひとつしかないということだ。それは一期一会にも通ずる。しかし、ビンテージ・クロージングの魅力とはそんなものだけではなかった。

 「30年かけて英国のビンテージ・クロージングを集めました。一見すると今の服に似ていますが、素材の質や縫製、すべてにわたって違います。ほとんどが英国サビルロウで仕立てられたもので、メンズ・クロージングの原点、源泉と呼べるものばかりです」

英国陸軍が着用したダッフル・コートやトレンチ・コートをはじめ、アクアスキュータムの1941年製トレンチ・コート、アルフレッド・ダンヒルのカー・ジャケット、アルスター・コート、ハンティング・ジャケット、クラブ・ジャケット、カバート・コートなど、赤峰氏のアーカイヴ・コレクションはすべてが粒ぞろい。これらは国内で気軽に買える古着ではなく、職人が時間と情熱をかけて作った20世紀初頭から半ばまでの逸品である。たとえば胸のボリュームを出すための細かなテクニックや、車を運転しやすいように考え抜かれた袖付けの角度。完全防水を目的に開発されたゴム引きクロス。着心地と撥水性を両立した理想的な素材であるアクアスキュータムのアクア5など、随所に目的に応じた機能性が施されている。
 博物館に永久展示したいほどの魅惑のコレクションであるが、赤峰氏は集めるのが目的ではなく、現在の服作りの教科書として捉えている。洋服の歴史をもたない日本人にとって、このリアルな原点の検証こそ大切だという。

 「ビンテージ・クロージングに使用されている服地は低速織機で時間をかけて織られています。ゆっくり織ることでウール本来の特性を最大限に生かすことができ、打ち込みのしっかりした密度のあるヘビーなものが仕上がるわけです。量産を目的に開発された現在の高速織機でこの服地を再現することは不可能なのです」

低速織機でゆっくりと織られた服地は、高い縫製技術によって仕立てられる。そしてこれらの多くは、父から息子へと代々受け継がれ、時代を超えて現在にまで生き残っているのである。では、現在巷にあふれているブランドの服が、将来ビンテージ・クロージングになりうるかといえば、答えはNOである。たとえハイエンドなブランドであっても、ビスポーク(オーダーメイド)が当たり前だった時代に作られたものに比べると、作りも服地も耐久性では劣るだろう。
 ただ、うれしいことにここ最近はクラシックなスーツが見直されてきている。それは懐古趣味的な一時のブームではなく、メンズ・クロージングの原点への回帰現象と考えていい。つまり赤峰氏のアーカイヴ・コレクションのようなビンテージ・クロージングに近づこうとする動きである。スーツの場合、既製服であっても縫製の工程数を増やしたり、使用する服地や芯地にこだわることで、長年着用できるものが増えてきた。

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 「Akamine Royal Lineでは低速織機を使って、時間をかけて織った服地を使用しています。縫製も大きな工場ではなく、国内の小さなアトリエで行っています。当時のものを復刻するのではなく、デザインは現在のクラシックです。ここから生まれたクロージングは、既製品であっても10年以上は着られます。たとえ古くなっても美しさが残るはず。今の世の中、高額な商品はたくさんありますが、上質なものは本当に少ない。真のラグジュアリーとは、時代を超えて存在するものだと思います。我々が目指しているのは明日のビンテージなんです」
 
 

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1930年代
ハンティングジャケット

1930〜1940年代にサビルロウで仕立てられたハンティング及び乗馬用のハッキング・ジャケットも兼ねていたジャケット。胸ポケットは弧を描いたスラントポケットで、深いベントが特徴。肩の縫い線が後ろ身頃にバックソーイングになっている。これはいせ込み量を増やすためである。また胸のドレープを作りだすための職人技が隠されている。

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1935
トレンチコート

第一次世界大戦のときに英国陸軍が着用したトレンチ・コート。まだコットンギャバジンが普及する前もので、防水性を考慮してゴム引きにしている。表から見るとコットンのツイル地にしか見えないが、ゴムを張り合わせることで完全防水を表現している。また、欠点でもある蒸れを防ぐために脇下付近に通気用の穴がある。当時はこれを着て何時間も塹壕の中にいたのだろう。

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1951
アルスターコート

使われている素材はキャバリー・ツイルを圧縮したような肉厚のもので、1mあたり900gはある。現在ではとても織ることができないという。コートの裏地には厚いウール×アルパカの毛布地が取り付けられていて、保温性を確保している。

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1955
ファー付きコート

衿にはファーをあしらったコート。裏地にはムートンを取り付けて防寒性を高めている。さらに袖の裏地も上側が保温性を考慮してムートンになっていて、下側は袖を通したときにすべりがいいように中綿が入っている。また裏地のムートンの下側はサビルロウらしい白黒のチェックになっている。

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1958
ダッフルコート

第一次世界大戦の頃のダッフルコートで、素材は現在のものに比べるとゴワゴワしている。裁断は直線裁ちで、トッグルの位置も上部に配されている。これによって脚が出やすくなり、歩行の邪魔にならないというわけである。またトッグルを留めている裏側の力布(補強布)には、インドのグルカ兵も愛用したドリル(太綾織布)が使われている。

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1932
レザーコート

アルフレッド・ダンヒルがモータリゼーションに力を入れていた証ともいえる、レザー製のカーレース用コート。袖はラグランスリーブなのだが、車のハンドルを握りやすいように、袖付けが前振りになっている。当時はオープンカーということもあり、保温性を高めるために裏地に毛布が取り付けられている。

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2007年11月24日(土)

OCEANS 1月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・などなど。
30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。
そんな皆さんの“駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さんの質問にお答えするのは、“人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も迷えるオーシャンズ読者に、痛快なご意見で救いの手を差し伸べてくれるハズ!
では皆さん、ご一緒に!教えてっ、マエストロ!


今月のテーマ
“仕事観”

[今月の質問]
私は来年、会社勤めを始めて14年目を迎えます。年齢的にも、いわゆる中間管理職といわれるようなポストで仕事をしています。よき上司や部下に囲まれ、職場環境には比較的恵まれている気はします。しかし、役職にふさわしい給料であるかどうかがわからず、転職を考え始めています。マエストロ、転職を決意するときの大切な判断基準とは何でしょう?(36歳・文京区在住・商社勤務Y・Sさん)

Q.この方、転職したいそうです。収入アップのほかに大切なのは、ズバリ何なのでしょうか?
 何だと、もう一度言ってみろ!私の耳が遠いのか、それは収入がもっとも大切だということか?どうか聞き違いだと言ってくれ。どうして、お前はそうなんだ。世の中、何でも金、金、金。私だけでなく、多くの読者がそんな話にはうんざりしていると信じたい。収入アップのための転職だと?ふざけるな。お前は根本的に間違っていることがわからないのか。そういう輩に限って、どこそこの大学出身だの、世間に知られている会社かどうかだの、上っ面の名前に翻弄されている。そして、自分の価値を年収で測っている。金に替わる価値観を持て!そもそもお前は今の仕事に誇りを持っているのか?転職などを考える前にまず、それを自分自身に問うてみよ。どんな職業だっていい。いかほどの収入だっていい。自分の仕事を誇れるか、それが仕事に対しての唯一の判断基準なのである。最近はあらゆる業種で偽装、偽装と騒ぎ立てている。人はどうして偽装するのか?答えは簡単、金のためだ。そして、そんなまがいものの仕事には、誇りなど持てようはずもなかろう。
 私は転職を繰り返してきた。しかし、それは金のためなどではない。無論、志のためである。どの会社にいるときでも、私は自分の仕事に誇りを持ってやってきた。(注1)桑沢デザイン研究所を出て、オートクチュールのデザイナーを志したが、家の事情でフランス留学を断念。その後はアパレルメーカーでのアルバイトからのスタートだ。それからは自分の志のための、険しい修業の道程だ。だが、よき先輩に恵まれた。今でも恩師と慕う先輩から、当時こんな言葉をいただいた。「行くは小道に寄らず」。どんな道程だろうとも、男なら常に自分にとっての大道を歩めばよいということだ。それと「水を飲む人は最初に井戸を掘った人を忘れるな」。つまり、常に感謝の気持ちを持てということだ。今ある自分は、先達がいてこそ。自分独りで成し得ることなどない。先人への敬意の念を忘れてはいけないのだ。転職をやめろとは言わない。だが、金に翻弄されるな。金以外の価値を見出せるかが分かれ道である。己の志に従い、次のステージに進まんとしているか。その道の職人になれ。人からそう呼ばれれば本物だ。私も職人を目指し、毎日その修業を重ねている。それは人生の限り、続くのだ。そして、そのためにもっとも大切なのは質の高い人との出会いを求めること。職人への道はよき出会いが開いてくれる。金に翻弄された転職に光明などない。

Q.では、早く職人になれるためのマエストロ流の必殺マニュアルをぜひ伝授してくださいっ!
 このやろう、目を覚まさねぇか!伝授だと?ふざけるな。職人への道にマニュアルなどあろうはずがない。ましてや、近道など言語道断だ。だが、あえて伝えておくとすればこうだ。仕事はコミュニケーションであることを理解せよ。仕事とは、取引先、上司、部下、人と人がつながって初めて成立する。便利だからといって近ごろはメールに頼りすぎている。メールだけで済ませ、相手の言葉を聞こうとしない、顔を見ようとしない、ただこなす、だけ。それで終わっている。なかでもこなしたように見せているだけの輩は手に負えない。世の中が便利になりスピード化したことで、コミュニケーションそのものも簡略化している。それでは、職人への道は果てしなく遠い。もちろん便利なコミュニケーションツールとしてメールは活用しろ。今の時代、当然だ。だが、メールだけで事を済ませるな。相手に会って、顔を見て、目を見て、言葉を聞け。10の仕事を10合理的に済ませることばかりを考えるな。少しくらいの時間や手間をかけるだけで、それは15にも20にもなるかもしれない。いい加減、時間という制約意識から自分を解放してやれ。一見、ムダに思えて、ムダでないことがいかに多いか。どれだけムダなことをやったかが大事となるのだ。成功のためのムダであるなら大いに結構なことではないか。売り上げの数字だけを追うな。仕事をマニュアル化するな。数字を伸ばすことだけに注力した仕事は味が薄い。チャップリンの「(注2)モダン・タイムス」。あれはただネジを回すだけでその仕事の目的を知らない、または考えていない男を描いている。つまり、自分の仕事の本質を見ようともしない、愚かな男の姿である。まさに反面教師だ。

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(→)古本屋のメッカ、神保町にもよく足を運ぶというマエストロ。お店で気になる本を物色するその鋭い眼光からは、他を寄せ付けない気迫すら感じられました。場所は行きつけの古本屋「一誠堂書店」。

Q.酒好きの上司に生意気な部下、そして毎日、そんな両者の折衝役・・・・・。そんなの誰だって嫌になりますよね?
 いい加減にしやがれ、てめぇは鵜飼の鵜か!何が折衝役だ、ふざけるな!だから、ダメなんだ。お前の仕事は上から下へのただの伝達役か。しっかり仕事の本質をとらえろ。
 お酒を飲みに上司から誘われたときのうまい断り方を教えてくれだと!てめぇはただの馬鹿やろうか!そんなつまらないことで悩むのはやめてくれ。とはいえ、私も強引な誘いには困ることもある。あえてアドバイスを送るとすれば、時間は有効に使うということだ。時には、その場で適当に酔ったフリをして、周りを楽しませればいい。それよりもお前は、その場にいる人から何かを学ぶことを考えろ。何だっていい。常に学ぶ姿勢を持て。嫌々、酒に付き合うくらいなら、次は行ってみたい店を見つけて提案するくらいの図太さを持て。人と出会う貴重な機会を、逃してはいけない。決して食わず嫌いをするな!
 部下に対してもそうだ。仕事へのモチベーションを上げさせる方法を教えろだ?いい加減にしてくれ。お前は部下に成果を求めてばかりではないか自分に問うてみよ。求めるばかりではなく、部下と成果をともに分かち合え。それはお前に、「一個の饅頭を半分にして、それを部下に与える気持ち」があるかどうかだ。部下には仕事に感動があることを教えろ。例えば、アパレルメーカーであるとしよう。ならば、部下に服が作られている現場を見せろ。どこで誰が仕立てているのか、そしてその生地、さらにその糸はどこで誰が作っているのかをつきつめろ。そして、どこで誰が売り、誰が買っているのかをつきつめろ。そこに笑顔があれば、仕事に感動があることがわかる。誇りが持てることを知る。自分の仕事の意義、目的が見えてくる。仕事の根っこ、本質を求めよ。仕事の一気通貫を教えろ。木を見て森を見ないのではいただけない。その逆も然りだ。それでは部下の高いモチベーションなど夢物語だ。「仕事は人のためならず」。仕事は自分以外の誰かの喜びでもあるが、自分の喜びでもあるのだ。それは、世界中のどんな仕事にも当てはまるのである。

Q.日本から海外へ飛び出してバリバリ働くのも格好いいな。どこの国がおすすめですか?
 てめぇ、話がまったく違わねぇか!転職の話はどうした?いったい誰と話してやがったんだ!まぁ、海外で働くことがお前のひとつの志ならば、それも仕方ない。とはいえ、この質問に答えるのは難しい。だが、あえて答えるとするなら、どこもおすすめと言っておく。なぜなら、言うまでもなくそれはお前次第だからだ。選んだ道の職人として海外へ飛び出すならば、心して聞いてほしいことがある。それは、まず自分がどの程度この日本という国について知っているか。当然だが、国が変われば歴史や文化が異なる。となれば、まずは日本のことをどれくらい話せるか?海外へ飛び立つ前にそこを自問すべきだ。あとは、揺るぎない職人魂があればよい。
 先日、これまで面識のなかったポール・スチュアートの社長である(注3)クリフォード・グロッド氏が私のオフィスを訪れた。そして、私の作る服を「リアル・ジャパニーズ・スタンダード」と評したのだ。それは、私にとっては望外の褒め言葉であった。私が自分の仕事に誇りを持ち、その道で職人であらんとすることを実践してきた成果でもあるだろう。志を持って歩き続けること。それは決して容易なことではない。だが、大きな意味がある。自分の大道を進み続ける。男として、これ以上の格好いい生き方があるだろうか。くれぐれも読者がその道程で小道に寄らないことを祈っている。

 
(注1) 「桑沢デザイン研究所」
バウハウスの影響を強く受けた桑澤洋子が1925年に設立。日本で最初に「デザイン」を校名に冠した教育機関であり、さまざまな分野で活躍するクリエイターを輩出してきた。マエストロにとって原点となる専門学校である。


(注2) 「モダン・タイムス」
1936年のアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが監督、製作、脚本、作曲を担当し、主演したモノクロの喜劇映画である。


(注3) 「クリフォード・グロッド氏」
アメリカン・トラディショナルブランドの代表である、ポール・スチュアートの社長。稀代のウェルドレッサーとしても名高い人物。


 
 

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−近ごろのマエストロ−
「生涯の友を持て」

現在は中国に住んでいるかつての部下と、久方ぶりに酒を呑んだというマエストロ。「元は上司と部下の関係であるが、利害関係はなく、お互いにリスペクトしている。もう三十数年の付き合いとなる。いいところも悪いところも、知り尽くしている。そういう間柄の友は私にとってかけがえのない存在だ。学生時代の友人とはまた違う。仕事を通して、そうした友人を持てるか。それも仕事に誇りを持っているかどうかが、大事ではないかと思う」。

■みなさんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッション・・・・・・etc.、日ごろ読者のみなさんが抱える悩み、疑問など、相談したいことをなんでも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!インターネットの場合は[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、「NEWS」から投稿してください。郵送の場合はハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G赤峰連載への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 喜多川ビル8F オーシャンズ編集部「オトナ相談室係」までお送りください。質問が採用された方の中から、抽選で毎月1名様にマエストロ直筆の“ありがた語録”色紙をプレゼント!

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格好いいと言われる男たちは、「引き算の意識」が常識!学ぶべきは、スタイルのある達人たち [OCEANS掲載記事]

「目立つ色使いは避けて、控えめの美学で着こなす」

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人に出会って、相手に服装の印象が残るようではいけない。つまり、控えめであることこそがエレガント。そのための鍵は、まず色使い。グレースーツを軸に、モノトーンでまとめればブレない。色を使うなら、小さい面積で1色だけにとどめる。次はサイズ感。ジャストフィットでなければ、着こなしが自然に見えるはずもない。そのためにはオーダーで仕立てるのも有効だ。着ているスーツの素材はドーメルのスポーテックス ヴィンテージ。ヘビーウェイトで、保型性が高く、シルエットがきれいに出る素材だ。

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2007年11月06日(火)

MEN'S EX 12月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.19 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてお互いのファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
ツイードジャケットの着こなし方

カシミアと並ぶ秋冬のジャケットの定番素材といえば、ツイードをおいてほかにありません。実際、お2人ともツイードは昔から思い入れがたっぷりおありのようで、いつになくディープかつ、とってもためになる話を聞かせてくださいました。

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■(写真右)菊池武夫氏
・ボルサリーノの帽子
・フェイヴァーブルックのドクロ柄プリントのシルクストール
・40カラッツ&525の今シーズンの新作シャツ
・8年前のタケオ キクチ コレクションのツイード製ノーフォークジャケット
・ハーレーダヴィッドソンのショートレザーパンツ
・アディダスの「スーパースター」

■(写真左)赤峰幸生氏
・アカミネロイヤルラインのシャツ
・ダブリュビルのタータンチェックのウールタイ
・シャルベのシルクプリントチーフ
・ロバートソンのカシミアニット
・アカミネロイヤルラインのウォッシュをかけたライトウエイト ツイードジャケット
・アカミネロイヤルラインのサキソーニフラノ製ウールパンツ
・エドワード グリーンの「ドーヴァー」

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「'20年代〜'30年代のヨーロッパの少年を手本に、今風にアレンジしました」と菊池さん。一方の赤峰さんは、「クラシックとしての赤の差し色にこだわってみました」とのこと。この日はお2人とも非常にハイブローな着こなしを披露してくださいました。

■活用度の高いツイードJKは冬における男の基本アイテム
M.E.  撮影前、タケ先生はショートパンツを合わせたのがポイントで、赤峰さんは英国紳士をイメージしたっておっしゃっていましたが、それぞれツイードに対して明確なイメージがおありなのでしょうか?
菊池  ええ、あります。ツイードって聞くとやっぱり英国のほうに向いてしまいますよね。さらに言うと、今回は1920年代から'30年代くらいの少年たちの格好を今っぽくアレンジして再現してみたいなって思いまして。本当はツイードのショーツを合わせたかったんですけど、なかったので今日はレザーのショーツを合わせてみました。
赤峰  10代のときに銀座の矢島というテーラーで、ハイランドツイードの、今でいうハリスツイードのことなんですけど、茶のヘリンボーンのジャケットを1着作ったのを、今でもはっきりと覚えています。ツイードは男の服っていうイメージがありますよね。
菊池  僕も10代の後半で初めてオーダーしたのが、ツイードのジャケットでした。
赤峰  そういう意味ではツイードって入門編というか、男の基本アイテムみたいなところがありますよね。最近ではイタリアで織られたホカッとしたツイードも人気が高いですけど、ツイードってスコットランド、いわゆるハイランドの地域のものがベースにあって、自分的にはハイランドのツイードは毎シーズン着ていますし、毎シーズン作っています。冬が来ればハリスツイード、といった感じで、自分の中のマストアイテムになっているんです。
菊池  ビギを立ち上げたばかりのときにスコットランドをテーマにして、ツイードばかりを使ったんです。ただ、出来立てのツイードはあまりにもバリバリなので、しょうがないからすべてのツイードを水通ししてクタクタににたのを覚えています。当時、そんなことをする人は誰もいなかったから、僕が最初だったかもしれません。ツイードって時間の経過とともにアジが出るものですからね。今のハリスツイードは、だいぶライトになって着やすくなりましたよね。
赤峰  もともと3つくらいのウエイトがあるんですけど、今はほとんどがフェザーウエイトという一番軽いものになっています。軽いものだと400gくらいで、重いものだと600g、800gのハリスもあります。800gのハリスのコートを持っていますけど、(注1)オーソン・ウェルズが「第三の男」で着ていたような、体がないと生地に完全に負けてしまうみたいなね、でもこれがリアルなものなのかなってね(笑)。
菊池  よくわかります。
赤峰  シェットランド島、ハリス島は憧れましたね。あとは、アイルランド。ホームスパンにカラーネップがかかっているご存知のドネガルツイードですよね。シェットランドとハリスとドネガルの3つがツイードの御三家だと僕は思っています。本当、憧れました。
菊池  あっちのほうではツイードって正装にも用いられますよね。スコットランドで(注2)キルト巻いているのなんて、まさに正装ですものね。
赤峰  もともとハリスとかスコットランドあたりだとタータンが基本じゃないですか。菊池さんのおっしゃるとおり、スコットランド行くとキルトを巻いてアーガイルジャケット着てバグパイプ持って、ベレーみたいな帽子をかぶって、っていうのが本当のオーソドックスな正装ですよね。
菊池  そういった意味では、ツイードの活用範囲は広いと思います。
赤峰  ハンティングやゴルフなど、クラススポーツにツイードは欠かせない存在で、今日の先生のスタイルはそれをアレンジしたものですよね。
菊池  ノーフォークジャケット着て、切りっぱなしのニッカポッカにバルキーなホーズを合わせて木のクラブを持っていたのが、もともとのゴルフスタイルですから。

■10年、15年着られる服がクローゼットにあってもいい
M.E.  いきなりですが、ツイードジャケットをカッコよく着るにはどうしたらいいのでしょうか?
赤峰  菊池さんがおっしゃるように3年から5年着るとアジが出てくるんですよね。だから先生が水洗いしてしまうっていうのも本当によくわかります。くたつかせないと雰囲気がでてこないですからね。
菊池  あとは柄を今風に置き換えてもいいし、色を今っぽくしてみてもいい。ライトウエイトのツイードだったら、そういう選択をしてもカッコいい思います。
赤峰  アングロサクソンの骨太な身体にはオリジナルのハリスツイードが似合いますけど、日本人の骨格にはカシミアを入れたりして風合いの柔らかなツイードも似合うと思います。逆に、ツイードの真っ黒とかも面白い。あるいは、よく見ると明るい糸が入っているんだけどパッと見はダークネイビーっていうのも、なかなかデリケートで新鮮だと思います。
菊池  いいですよね。
M.E.  ツイードと相性のいいパンツはあるんですか?
赤峰  ミディアムグレイでクォーターミルドくらいのサキソニーだとか、キャバルリーツイルの細番手のものだったりね。個人的にはそのへんのパンツがオススメです。フランネルになってくると、クリースがきれいに入らないし、膝が抜けやすくなってきてしまいますから。
M.E.  なるほど。ツイードと聞いてイメージする人物っていますか?
赤峰  (注3)レックス・ハリスンとか、デヴィッド・ニーヴンあたりですかね。現代風だと、いかにもイギリス風のツイードの着こなしをしているなって思うのは、ダサいけど面白い(注4)ミスター・ビーンです。愚直な応用の利かない真面目なイギリス人で、あれはもうブリティッシュユーモアの典型ですよね。明けても暮れてもヘリンボーンのジャケットしか着ていないっていう(笑)。
菊池  イタリアとは全然違った意味での粋があっていいですよね。あの人は粋です。
赤峰  あと、映画「アンタッチャブル」の中でジョルジオ・アルマーニが衣装を担当していてショーン・コネリーがよれたツイードのジャケットを着ていましたけど、これまたとっても似合っていました。イギリス人だからこそでしょうね。
菊池  前にピカデリーのコーディングスに行ったんですけど、やっぱりイギリス人は今でもツイードジャケットを買っていますからね。お店がちょうど街との境目にあるんですけど、面白いことに街の中に住んでいる人はライトウエイトの生地を買っていって、田舎に住んでいる人はヘビーウエイトのを買っていくんですよね。文化に根差しているんです。
赤峰  なるほどね。やっぱり新しいものばかりを追いかけるのではなくて、10年、15年着られるものがクローゼットの中に2着、3着あってもいいんじゃないかなって思うんです。
菊池  確かに。いいものを作っておいて、自分に似合ったら一生涯着るような服があってもいいですよね。
赤峰  日本でも着物には、おばあちゃんが着ていたものを受け継ぐ文化とかあるんですけど、洋服になるとそれがまるっきりないんです。洋服もそうなってほしいですよね。ハリスツイードっていうのは、耐久性がありますから。
菊池  そこに英国とイタリアの差があるんじゃないですか。テレビや映画の衣装をやっている英国のアンティーク屋さんに行ったことがあって、'30年代、'40年代とか年代別に服が分けられてズラッと並んでいるんですけど、そこに濃紺のツイードジャケットがあって、あれは雰囲気がよかったなぁ。
赤峰  長年置いておくと脂が抜けてきてカサッとするんですよね。そのカサつき感が人工的なものではなくて、本当にいい雰囲気なんです。脂が抜けてくる頃合いがいいアジしているよねってよくいいますけれど、それは生地も人間も同じようなところがあるのかなって思いますね。
 
 

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(注1) 「オーソン・ウェルズ」
1915年ウィスコンシン州生まれ。俳優、脚本家、監督。代表作は、「市民ケーン」('41年)、「第三の男」('49年)、「黒い罠」('58年)、「審判」('63年)など。'85年没。

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(注2) 「キルト巻いて」
スコットランドの伝統的な、腰に巻いて身につけるスカート状の礼装。柄はタータンが一般的。プリーツ状にして作るので、通常8m以上の布地が必要とされています。

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(注3) 「レックス・ハリスン」
1908年、英ランカシャー生まれの俳優。映画「マイ・フェア・レディ」('64年)でアカデミー主演男優賞受賞。「クレオパトラ」('63年)ほか、多数の映画に出演。'90年没。

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(注4) 「ミスター・ビーン」
ローワン・アトキンソン(1952年、イギリス・ダーラム生まれ)演じるコメディドラマ。ツイードジャケットを着た彼のスタイルは、今やすっかりお馴染みです。

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菊池さん的ツイードJKの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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モダンな表現によるツイードスタイル

まんまクラシックを表現するのではなく、クラシックなスタイルを菊池さんなりにモダンに昇華。スカーフの上から、あえてTSのシルバーネックレスを見せています。

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ピンタック入りのシャツをラフに!

中に合わせているのは、ピンタックが入った40カラッツ&525のドットプリントシャツ。フォーマル感のあるアイテムを、裾を出してあえてラフな雰囲気で着こなしています。

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ショーツを合わせるのが気分

次の春夏でスーツの短パンを作ったそうですが、菊池さん曰く「ツイードのパンツで短パンであればパーフェクト」とのこと。この日はレザーのショーツを合わせていました。

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赤峰さん的ツイードJKの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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ハリスツイード&千鳥格子が気分

千鳥格子は、赤峰さんの今年の気分だそう。とはいえ大きい柄のものは気分ではないとのこと。同時にハリスツイードもまた今年の気分だそうです。

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赤の差し色は赤峰さんの定番

赤峰さんが差し色でよく使うのが赤。今回のニットのほか、グレイスーツ&白シャツに赤のタイをすることもしばしば。曰く、「モダンではなくクラシックとしての表現です。」

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タイとチーフでも赤を使っています

色はなるべく使わない赤峰さんですが、タイのタータンチェックに用いられている赤を拾って、シャルベの赤のチーフを差し色にしています。非常に洒落た雰囲気です。

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2007年10月24日(水)

OCEANS 12月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち!VOL.2 [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
先月号での新連載第1回目は“マエストロ”こと赤峰幸生氏の痛快な回答に大反響をいただきました!
悩み相談のお便りも編集部に届き始め、悩めるオーシャンズ世代のみなさまが光明を見出せるようにお手伝いを続けていく所存です。
それでは今月も始めます。
教えてっ、マエストロ!

今月のテーマ
“女”

[今月の質問]
2児の父である僕は、結婚5年目。妻と子供に囲まれ幸せな毎日を送っている、そう思っていました。ですが最近、気になる女性ができてしまったんです。夫婦関係はもちろん悪くありません。妻も子供ももちろん愛しています。ですが、頭の中は彼女のことでいっぱいなんです。そんなヨコシマな思いを抱く自分が許せない気持ちと同時に、でもどうしていいかわかりません・・・・・。マエストロ、こんな僕はいったいどうしたらいいのでしょうか?(35歳・港区在住・飲食店経営Y・Mさん)

Q.やはり結婚したら、ほかの女性と付き合うことは難しいのでしょうか?
 馬鹿やろう!この「オトナ相談室」はまだ2回目だが、近ごろの男からはその手の質問しか出てこないのかとまず言いたい。いい年にもなって、まだそんなことに悩んでいるのか。浮気、ましてや不倫なんてありえないだろう。そんなことをしている男は、この「オトナ相談室」から即刻退場してほしいね。しかし、結婚しているからとはいえ、ほかの女性に気が移らないとも限らない。男と女、性の違う者同士が互いに興味を抱き惹かれ合うのは、止めようがない。それは事実だ。だがもし、結婚していながら、ほかの女に恋をしたなら、男らしく筋を通せ。妻と別れてから、正面から本気で新しい女と付き合え。二股など愚の骨頂だ。往年の名女優イングリッド・バーグマンと再婚した(注1)ロベルト・ロッセリーニもそうだ。私もそうしてきた。覚悟を決めろ。覚悟がないなら、新しい女との付き合いなど望むべくもなし。
 結婚するときには別れを想定するはずもない。その女と生涯をともに過ごしたいと思って、結婚するのだ。しかし、自分の気持ちにはいつだって正直でありたいとも思う。自分を偽らない。結婚していても新しい女に恋をしたならば、その道を進む。ただし、覚悟しろ。生半可な覚悟での安易な行動派は慎むべきだと言いたい。ひとりの女と生涯をともにするということは素晴らしいことである。もしそれでも、新しい女性の元へ走るというなら、それ相応の代償には腹をくくることだ。

Q.では、生涯の伴侶とすべく「イイ女」を見分ける簡単な方法を教えてください!
 ふざけるな!そんな方法があると思っているのか。もしあるというなら、ぜひ教えを乞いたいね。「(注2)人は見た目が9割」という本がベストセラーとなり、話題となった。無論、見た目とは外見のことだ。世の中には、この言葉に翻弄されている男女が多い。しかし、私に言わせれば、大事なのは服でも、顔の造形でもない。つまり、見た目とは容姿ではない。「イイ女」を簡単に見分けたい、そう思っている日本の男に、あえてアドバイスを送るならこうだ。それは“目”だ。相手の“目”を見るのである。なぜなら“目”は化粧ができない。決して「飾ること」ができないのだ。自分を偽ることができない。“目”は、ありのままの自分を相手に見せてしまう。“目”は口以上に心を語るのである。だから、私はまず“目”を見る。「イイ女」かどうかは、相手の“目”を見て判断ができる。逆も同じで、女も私の“目”を見ている。それゆえ相手が自分に興味を抱いているか、それも瞬時に察知できる。「イイ女」を簡単に見分けたいのならば“目”で会話するのだ。
 (注3)フェデリコ・フェリーニの映画には、胸と尻がデカい女がよく登場する。しかし、ヒロインは必ず、胸の小さい痩せ型の、そうでない女なのである。この配役が意味するのは、胸と尻がデカい女が「イイ女」であるということを否定したごくごく単純なこと。よく考えてみてほしい。果たしてそれがいい女の条件か?いや、瑣末なことである。肌を露出する服の女が魅力的か?いや、そんなことはどうでもいい。
 ところで、私はナンパは嫌いではない。新しい女と出会うことは、自分への刺激となる。そして私が女に声をかける判断基準は、もちろん、その女の“目”だ。それに尽きるのである。
 私にとっていい“目”をした「イイ女」の代表は、(注4)宮本信子だ。とても知性的である。年の取り方もいい。小津安二郎の映画に登場する(注5)東山千栄子も「イイ女」である。味覚、聴覚、視覚など、人間にある5つの感覚。生涯の伴侶とできるような、素晴らしい女と巡り会いたければ「イイ女」を見抜く“女覚”を磨くことだ。そのためには“目”を見て相手を理解できるようになれ。外見に惑わされるようであれば、男としてはまだまだだ。

 

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(→)今月はマエストロが20代半ばから通い続けているという人形町の江戸前寿司屋「喜寿司」(tel.03-3666-1682 東京都中央区日本橋人形町2-7-13)の赤峰氏を撮影。寿司屋に行ってまず味わうべきなのは、ずばり“お茶”だと語る。カウンターで新鮮な寿司のネタを吟味しているの氏の“目”は、やはりスーツの生地を選ぶときの“目”と同じなのでした。

Q.逆に、簡単に「イイ男」に見られる、マエストロ流の着こなしを教えてください!
 てめぇ、今の今まで何を聞いてやがった、この大馬鹿やろうが!この「オトナ相談室」は、まだ2回目だが、いったいその手の質問は何回目だ。もううんざりだ。何がマエストロ流だ。そもそも「イイ男」に、つまりモテる方法を人に聞くような男が、女にモテようはずがない。昨今は大人の男に向けたファッションを扱う雑誌が「この服を着ると女にモテる」という類のコンセプトで誌面を作っている。それを見るたびに、私は目を疑う。そんな雑誌を見て、そこに載っている服を着て、それでモテるだと?そんなことは万に一つもなかろうが。もし、仮にそれでモテたとしても、女は服を見て上っ面だけで「イイ男」かどうかを判断しているだけ。高い服を着ているから、金を持っている、だから付き合う。そんな女と相場は決まっている。男が男なら、寄ってくる女も女。私なら、そんな考えの女は願い下げだ。上っ面で自分を語ろうとするな。何の車に乗っているか、何の時計をしているか、この靴は・・・・・。そんなことはどうだっていいと、先月も言った。裸で己を語れ。モテる男は何を着ていたってモテる。ただ、それだけだ。

Q.では、マエストロ十八番の妻の喜ばせ方を教えてください!
 やっと改心したのか。近ごろは世話をかけさせる男が多い。だがひと言、馬鹿やろう!とだけ言っておこう。そんな質問をするな。自分で考えろ。だが、アドバイスは送ろう。どんなときも、金だけで解決しようとするな。例えば愛する女の誕生日、どのようにして女を喜ばせるか?大半が「あるブランドの高価なジュエリーを贈ればいい」と答える。だが、私に言わせればそれは間違いだ。「贈ればそれでよし」とする、その心がもはや救いがたい。このように「金をかけること」をある種のセレモニーとするのは下品で、いただけない。愛する女に失礼ではなかろうか。例えば妻の誕生日であれば、「祝うという気持ち」が何より大事なのである。だから私は、バースデーレターを贈る。女への愛情を己の文字で伝えるのである。それは言い換えるなら、ともに積み重ねた日々への感謝の気持ちを伝えるのである。もはやそれは、女を喜ばせようとする目的ではない。ましてや世辞などでもない。自分が感じた本心を、そのまま女に伝えるのだ。そして、本当にそう感じていれば、あとは“目”が語ってくれる。問題は、君が愛する女に本当に感謝の気持ちを抱けるかどうかだ。妻を本当に喜ばせたいと願うなら、もはや悩みの答えは出ているだろうが。
 当然であるが、ここでの話はなにも記念日に限ったことではなく、日常にも当てはまる。例えば、女を「褒める」ということも大事なことだ。私はあまり言わないが、女の着飾った姿を「美しい」と思うなら、それを「褒める」ことは大事なことである。ちなみに、私は「イイ女」であると思った相手には、率直にこう言う。「気持ちのいい目をしていますね」と。そして、「素晴らしい生き方をなさっていらっしゃるのですね」と。目はその人の心、すなわち生き方を映し出すのだ。
 女との付き合い方は、百人いれば百通り。ハウトゥや正解などない。必要なのは、とにかく己を磨くこと。それは、自分に誇れる生き方をするということだ。自信を持って、真っ直ぐに歩んでいけ。そうすれば、道は開かれる。そして“目”はその輝きを増していく。“目”は心、すなわち生き方を雄弁に語るのである。

 
(注1) 「ロベルト・ロッセリーニ」
イタリア人の映画監督。代表作は「無防備都市」。この映画を観たハリウッドスター、イングリッド・バーグマンがロッセリーニに手紙を書き、それを機にふたりは映画史にも残るロマンスを繰り広げることになった。


(注2) 「人は見た目が9割」
竹内一郎著、新潮新書。非言語コミュニケーションの入門書。85万部を超えたベストセラー。

(注3) 「フェデリコ・フェリーニ」
20世紀を代表するイタリア人の映画監督、脚本家。映像の魔術師との異名を持つ。退廃的なローマ社会を描いた代表作の「甘い生活」では、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。


(注4) 「宮本信子」
夫である故伊丹十三が監督した作品「お葬式」に出演し、女優としてブレイク。最新出演作は「眉山(びざん)」


(注5) 「東山千栄子」
大正、昭和期に活躍した女優。小津安二郎監督作品「東京物語」に出演し、映画出演の代表作とした。


 
 

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−近ごろのマエストロ−
「新しければよしとするな」

ミラノとパリへの出張から東京に戻ったばかりのマエストロ。「海外へ出かけると日本のいいところ、悪いところがより理解できる。今回の出張で改めて感心したのは街並みについて。ミラノは40年くらい前に初めて訪れてから、今もほとんど変わらない。それは、歴史や文化を重んじる姿勢があればこそ。日本はスクラップ&ビルドの繰り返し。古き良きものが継承されないことは、実に嘆かわしい。新しいものばかりを好む日本人に渇!」。

■みなさんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッション・・・・・・etc.、日ごろみなさんが抱える悩み、疑問など、相談したいことをなんでも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!インターネットの場合はwww.oceans-ilm.comへアクセスのうえ、「NEWS」から投稿してください。郵送の場合はハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G赤峰連載への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 喜多川ビル8F オーシャンズ編集部「オトナ相談室係」までお送りください。質問が採用された方の中から、抽選で毎月1名様にマエストロ直筆の“ありがた語録”色紙をプレゼント!

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2007年10月06日(土)

MEN'S EX 11月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.18 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてお互いのファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
コートで築くダンディズム

スーツ以上に男のダンディズムを表現できるアイテムといえば、コートに限ります。今回は御歳70歳、信濃屋の白井俊夫さんにゲストとしてご登場いただき、その着こなしを披露していただきました。
 

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■(写真右)赤峰幸生氏
アクアスキュータムの1941年製のトレンチコートに、ドーメルのヴィンテージのスポーテックスを使って仕立てたリヴェラーノ&リヴェラーノのスーツ、シャルベでオーダーしたシャツ、それにドミニクフランスのタイ。足元はジョン ロブの「ダービー」。
■(写真中央)白井俊夫氏
チェスターバリーの25年ほど前のアルパカコートに、フランコ バッシのシルクストール、8年前くらい前に仕立てたA.カラチェニのスーツ、それに47年前に購入したサクソンのスエードシューズでご登場。ペッカリーグローブはエルメス、帽子はボルサリーノ。
■(写真左)菊池武夫氏
カシミア70%、ミンク30%のルカ ヴェンチュリーニのコートに、ダンヒルのマフラー、約20年前に購入したエルメスのニット、ベルヴェストのスーツ下のパンツ、デュカルのスエードシューズ、クールのホンブルグ帽と、デンツのペッカリーグローブという合わせ。

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ファッション界のビッグ3といっても決して過言ではない顔ぶれ。コートを脱いだ姿も実に決まってらっしゃいます。長年の経験から導き出したそれぞれのファッションスタイルは、何よりも説得力があり、昔話にも花を咲かせていました。

■最近は軽いコートのほうに惹かれてしまう(菊池、白井)
M.E.  偶然ながら、今日着てらっしゃるコートは皆さんベージュ系です。
白井  冬だから暖色系を選ぶことは多くなりますよね。これは、イギリスから昔の資料を取り寄せて、それをもとにして25年くらい前にチェスター・バリーに作ってもらったアルパカのコートです。キャメルでも作ったんですけど、どちらもすぐに完売しましたね。
M.E.  白井さんの中で、コートスタイルのルールってあるんですか?
白井  コートの5点セットというのがあって、コートのときは、帽子、ステッキ、グローブ、マフラーは僕の中では欠かせません。でも正直、最近は今日着ているようなヘビーウエイトのコートは、ほとんど着なくなりました。
菊池  わかります。コートは結構好きなんですけど、私も最近なんとなくはまっているのは、ヘラヘラの一重仕立てのタイプなんです。
赤峰  今日着てらっしゃるコートは、ラグジュアリーな雰囲気ですね。
菊池  ありがとうございます。ルカ ヴェンチュリーニというブランドのコートで、今年の秋冬に40カラッツ&525で展開するものなんですけど、ミンクとカシミアが入っていて軽くていいんです。今日もそうなんですけど、最近は下にジャケットを着ないで直接着ることが多いですね。さっぱりしているほうがいいかなと思っていて、それでシンプルにタートルネックニットを選んだんですけど、コートだと首元が大事ですしね。マフラーをしましたけど、着こなしとしてはこれもなくていいのかなとも思います。
M.E.  赤峰さんはいかがですか?
赤峰  コートは男の特権ってわけじゃないですけど、最も分量が多いわけですから自分を表現しやすいんです。クルト・ユルンゲンスとか、イヴ・モンタンとか、アラン・ドロンとか、フレンチギャングじゃないけど硬派な雰囲気で、シリアスにビシッとタイドアップして決めたい気分だったので、アクアス(アクアスキュータムの略)の、ウエストのベルト位置の高い'40年代のトレンチコートを選びました。正確には'41年製で、自分がまだ生まれていない頃のものなんです。'50年代の気分になれるっていうか、映画を見てなんとなく想像していたものを、着用すると俳優が着ていたシーンと重ね合わせられるというか。
M.E.  赤峰さんは、トレンチコートには一家言ありそうですよね。例えば、その着こなし方とか。
赤峰  後ろで結ぶのは勘弁してくれっていうか。女の子じゃあるましし、やめてくれって感じですね。ベルトはギュッと結んで垂らすのが流儀だと思うんです。後ろで結んで垂らすんだったら、トレンチとか着てほしくないよね。
白井  ああ、あれ最高にイヤだね。イヤなこったね。
菊池  僕はポケットに突っ込みます。
白井  それはいいですよね。
赤峰  トレンチを着ていても片方のベルトが抜けてズルズル引きずって歩いている奴とかいるからね。
白井  そういう奴は、踏んづけてやればいいんだよ(笑)

■往年の俳優や紳士のコートの着方は大いに参考になる
赤峰  コートのボリュームは男らしさを強調しやすいですよね。どのコートのカッティングも前がラウンドではなくて縦にスコーンと落ちる、そこがコートの気分のよさだと思うんです。白井さんの場合、イギリス的な着方というよりはイタリアの(注1)ヴィットリオ・デ・シーカのように、なんとなくガウンっぽく軽く巻きつけたりっていうような、丸み感のあるスタイルというか、そういう感じですよね。白井さんが好きだった映画俳優っているんですか?
白井  映画俳優で好きだったのは、(注2)ゲーリー・クーパーかな。(注3)ルチアーノ・バルベラなんかは、クーパーを完全に意識しているよね。ストライプのスーツの下にニットのベストを合わせて、全く同じ着こなしをしているのを見たことがあるから。
菊池  クーパーでもの凄く印象的だったのは、「モロッコ」でしたっけ。あのときは確かトレンチみたいなのを着ていたと思ったんですけど、あれはカッコよかったなぁ。あと、アラン・ドロンのシリーズがありましたよね。「サムライ」とか今見ても面白いし、カッコいいと思います。あの辺の映画には影響を受けました。ただ、時代の中でコートも少しずつ変化している部分があって、最近は軽さの方に惹かれてしまうんです。軽いということはキチッとした形を保てないわけですから、ダラッとした中にコートの魅力を感じるっていうのかな。ただ、今でも惹かれるのは'30年代、'40年代のなで肩で少し大きくてウエストがグッと絞られていて、裾のところがボリュームがあるコートですね。あれはカッコいいと思います。
白井  ああ、いいですね。ここ一番のときは紺のカシミアのチェスターコートとか着ますけど、僕も最近は軽さを重視してしまいます。
赤峰  クルマが発達して、オフィスも暖房が利いて、温暖化も手伝ってコートがだんだんと必要とされなくなってきて、結果としてコートを作るメーカーも少なくなってきたじゃないですか。かつてはこういうコート屋があったよねっていう話が最近多くなってきましたよね。ちょっとした雨くらいなら傘を差さずにトレンチコートの前を締めてキチッと着る、みたいなヨーロッパの紳士のスタイルは個人的には好きなんですけど。
菊池  前にも言ったと思うんですけど、僕もコートのフロントを完全に締めて襟を立てて着るのは好きでしたね。
M.E.  ジェントルマンの着こなしという感じでカッコいいですよね。
赤峰  19歳のときに日本橋の丸善でバーバリーのトレンチコートを買ってきて、箱から開けてフロ桶の水にそのままつけたらオフクロにひどく怒られたのを覚えていますね。その当時で確か8万円くらいしたと思います。襟にパッカリングが出ないと気分が悪くてね。やっぱり映画の影響なんですけど、クルト・ユルンゲスとかストラップをギュッと締めて真っ黒いティアドロップをしているのに憧れていまして。1週間くらい陰干ししてから着たのを覚えています。
M.E.  恐るべき19歳ですね。
白井  当時洋服を好きだった人は若い頃からみんなそうでしたよね。僕もみんな洗ってしまいますよ。
菊池  僕もすぐ洗ってしまうんです。でも、いいですよね、そのほうが。

■自分の体温でコートを慣らしていくのがいい(赤峰)
M.E.  ところで、赤峰さんの場合、白井さんや菊池さんと違って軽いコートがいいとかそういうのはないですよね。
白井  若いもんね、まだね。
赤峰  この中では一番若いですけどね(笑)。ヨーロッパの公園のベンチに座っている爺さんを見ていると、カッコいい人がたくさんいるんですよね。もう適わないなと。こういう爺さんには足元にも及ばないなって思いますよ。
白井  昔は日本にもたくさんいたんですけどね。話はずれてしまいますけど、昔、本当にお洒落なお客さんが信濃屋にもいまして、「麻のスーツは仮に3年着るとしたら、2年は無駄に着ないとダメなんだよ。少しホケホケしたところで、あと1年で着るのが麻のスーツなんだよ」っていうのを教えてくれましたね。それはコートも然りで、アジが出てくるまでにはそれなりの年月を必要としたものです。
赤峰  そうですね。高い安いは別にして、使い込んでくるとアジが出てくるじゃないですか。そこを大事にしてほしいっていうのはあります。できたてのものは、36.5度というか、自分の体温でクセ取りしていくっていうか慣らすんだという、そういう気分です。
菊池  結局、軽いコートがいいというのは、軽さだけじゃなくて、ちょっと着ただけでも演出的にいうと、着込んでいる感じが出るっていうのもあるからなのかもしれません。ただ、これからはどうなるかわからないですよね。またガッチリっていう時代が来るかもしれないですし。

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(注1) 「ヴィットリオ・デ・シーカ」
1901年イタリア生まれ。映画俳優から映画監督に進出したイタリア映画界の巨匠。監督代表作に「自転車泥棒」、「ミラノの奇蹟」、「ボッカチオ'70」、など。'74年没。

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(注2) 「ゲーリー・クーパー」
1901年、アメリカ・モンタナ州生まれ。映画「モロッコ」('30年)で一躍スターに。「ヨーク軍曹」('41年)、「真昼の決闘」('52年)でアカデミー主演男優賞。'61年没。

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(注3) 「ルチアーノ・バルベラ」
伊ファッション界を代表する洒落者。自身のブランド「ルチアーノ バルベラ」ほか、高級生地メーカー「カルロ バルベラ」の2代目オーナー。

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白井俊夫 Toshio Shirai [MEN'S EX 掲載記事]

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1937年神奈川県生まれ。横浜の老舗洋品店、信濃屋の顧問。本牧を闊歩するアメリカ兵に憧れて育った幼少時代。白井さんのファッションの原点はアメリカにあります。クラシコイタリアを日本に最初に紹介した人物としても有名。

白井さんの着こなしテク

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ストールはあくまで無造作に巻きます

「小細工をするのは男らしくありません」と白井さん。ストールはあくまで無造作にするのが白井さん流。クルッと適当に巻いてVゾーンを隠すだけ。

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47年前に購入した英国靴です

なんと、この日の靴は47年前に購入したもの。イギリスの「サクソン」のスエードシューズです。これをカラチェニのスーツに合わせるとは、参りました。

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菊池さんの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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コートの下にはシンプルにタートル

シャツ&タイを合わせるのではなく、あえてシンプルなタートルネックニットを選んだのが、この日の着こなしのポイント。ネックレスはお気に入りのTX。

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起毛感のある服に合わせてスエード靴

パンツにベルヴェストのスーツの組下を合わせるあたりは、さすが菊池さん。起毛感のある洋服に合わせて、足元にはデュカルのスエードシューズを選択。

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赤峰さんの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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ジャケットの柄を拾ってVゾーン構築

ジャケットのガンクラブチェックの色を拾ってVゾーンをコーディネイトしています。赤峰さんのVゾーンにおける色使いには、必ず一貫性があります。

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パリを感じさせる着こなしです

靴は、名作中の名作、ジョン ロブの「ダービー」。シャルベのシャツといい、ドミニクフランスのタイといい、パリを感じさせる洒落た着こなしです。

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別冊付録「MEN'S EX Eyewear」記事 [MEN'S EX 掲載記事]

いい大人にこそ似合いますクラシックメガネ、俺ならこう掛ける
技術の進歩で先進的なデザインのメガネが現在の市場を占拠しています。しかし、いい大人にはやはりクラシックなメガネが似合うのでは?原点回帰の4タイプを、着こなし達人に“掛けこなして”もらいました。

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(↑)赤峰幸生さんが選んだのはこちら
【ウェリントン】 最厚部分はなんと8ミリ chorus
かなり太めのセルフレームによるブラックモデル。掛けるだけで意志の強さを感じさせます。まさに骨太。
2万3100円(エフェクター/オプティカルカラー クレイドル青山店)

 

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力強くシャープな雰囲気がイイのです
 スーツのトレンドであるグレイストーンの着こなしで現れた赤峰さん。選んだクラシックメガネはウェリントンタイプ。
「僕の中でウェリントンはドレスアップのイメージ。スーツを颯爽と着こなしている感じなんです。ちょうどイギリスの俳優、ピーター・セラーズみたいな雰囲気を思い浮かべます。だからスーツも英国調の張りがあるトニック。メガネのシャープな印象を生かして、ネクタイも緩みなくキリッと結ぶ感じがマッチすると思うんです」 なかでもウェリントンを選ばれたのは何故でしょう?
「今の時代はなんでも薄く軽くなっているでしょう。ウェリントンのメガネは骨太な男らしさと独特のキレがあるように思います。なかでも今回選んだ1本は、当時('50〜'60年代)流行った骨太な時代の雰囲気が再現されています。そんな力強さに惹かれたのかもしれません」
 ウェルドレッサーである赤峰さんは、メガネを着こなしの一部と考えているとのこと。
「ネクタイに合わせて赤いメガネとか、ジャケットに合わせて茶のメガネとか、いろいろ掛けて楽しんでいます」

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘Vゾーンの色は足さずに拾う’』2012年11月17日(土)掲載

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘Vゾーンの色は足さずに拾う’』2012年11月17日(土)掲載

MEN'S EX 9月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.20

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