AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2014年04月26日(土)

朝日新聞be on Saturday " 赤峰幸生の男の流儀 "「茶」の奥深さ" 2014年4月26日(土)掲載"

日差しが冬から春、夏のものへと明度を上げていくと、明るい色のスーツの出番です。

私はパリッとしたリネンの、薄いベージュのスーツが大好き。中には必ず白いシャツを着ます。そしてネクタイは、若葉を思わせる緑色か、ベージュとの重なりでマッチする赤茶系。シャキッと決めて楽しみます。

画像(320x277)・拡大画像(640x555)

イラスト・YAB

装いの基本となる「男の三原色」については、繰り返しお伝えしてきました。

グレーは雲、ネイビーは空や海。そして、大地を思わせるブラウンこそが、色を楽しむことにおいて、最後に残る色だと考えています。

茶色のトーンを考える時、私はよく紅茶の例えをします。ストレートティーの茶色に、どのぐらいミルクを入れるかで、ベージュの色が変化していきますよね。この感覚を知っておくと、全身を茶系のトーンでまとめる時に役立ちます。

茶系のコーディネートは靴に至るまで、同系色になることが多いですから、いかに色をかぶせ、ほかの部分から拾っていくか、その奥深さはたいへんに面白い。「男は最後は茶」と勝手に唱えて楽しんでいます。

茶にはもう1系統あり、それは緑に砂を混ぜていく感覚の茶色です。若葉から枯れ葉への変化だと思って頂ければわかりやすい。

常に周囲の自然に目を向けてください。ベランダのプランターで育てる花や野菜でも、生きている色が見えてきます。秋になれば、枯れた野山のベージュ色に、熟した柿を思わせるオレンジを効かせた装いなんてすてきです。

和食が無形文化遺産となり、その美学は世界から大きな注目を集めています。服でも日本人の繊細さを生かして、「和魂洋装」が粋ですね。

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朝日新聞社に無断で転載することを禁止します
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Posted by インコントロ STAFF at 09時00分   コメント ( 0 )

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