2013年04月09日(火)
MEN'S EX 2013年5月号 赤峰幸生の「服育のすゝめ」 [MEN'S EX 掲載記事]
季節の装いを知る その2
雨の日の装いを愉しむ
先日、ロンドンへの出張時、舞台版「雨に唄えば」を観てきました。ジーン・ケリーの名作映画に比肩する素晴らしい演出に感動しました。もうすぐ日本も、梅雨の季節がやってきます。
お洒落をするうえで、雨というのは気が重いものです。服装や靴は濡れても乾きやすいもの、汚れても構わないものなど、選択肢は制限されがち。そかしそれではお洒落も消極的になってしまいます。
私なら雨の日ならではのお洒落を楽しみます。晴れの日にはできない、レインコートの装い。雨に濡らすことで生地がこなれ、パッカリングが浮く。味出しするのに絶好の機会です。まだ若いレインコートに袖を通して、やがて表れるエイジングを想像しながら、わざと少し傘を傾け街を歩くもよし。また、何年もかけて身体に馴れ、濡れては乾きを繰り返すことで油が抜けた、味出しの済んだ昔のレインコートを纏うのも嬉しいものです。
赤峰氏愛用のレインコートとは?
私が所有するレインコートをご紹介しました。まず、若い頃ロンドンで手に入れたバーバリー。いまもクラシックな美しい佇まいです。次に、もうひとつの大定番、アクアスキュータム。こちらはパリで購入したもので、袖の鎌が高く垢抜けた印象。このほか、ポリエステル+コットン素材のブルックスブラザーズ、アカミネロイヤルラインのブリティッシュハンティングコートなどなど。各国のいろいろなレインコートを愛用しています。しかしそのなかでも、最も気に入っているのが「ロンドンフォッグ」というメーカーの一着。ロンドンと冠されていますがアメリカのメーカーで、第二次大戦中は米海軍にコートを納品したり、デュポン製撥水生地のコートで人気を博した歴史あるブランドです。30数年前にポートベローの蚤の市で購入したのですが、当時の価格で5〜6万円と強気な価格でした。ラグランスリーブのAラインシルエットが絶品です。
雨の日が愉しくなるコーディネート術
レインコートを着るときはボタンを上まで留めて、ベルトとともに袖口のベルトもしっかりと留め上げます。足元はハンティングブーツにパンツの裾をインして、あるいは短靴にオーバーシューズを履くことも。実は今、素敵な長靴を探しているのですが、神田須田町に良さそうな日本の長靴を扱う店を見かけ、ゆっくりと訪れてみようと思っているところです。
赤峰氏にとって雨の日は「お気に入りのレインコートが着られる!」と、心待ちにしている日。雨に濡れてもクリースがとれない、目付け440g/uの「アカミネトニック」生地のスーツにオーバーシューズを履いて街を歩けば、過日ロンドンで観劇した「雨に唄えば」の名シーンのように歌い踊りたくなるような気分になるのだそう。ちなみに傘は少し大きめが好みとのこと。
Posted by インコントロ STAFF at 18時10分 コメント ( 0 )