AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年12月24日(月)

スーツは3万〜10万円台でオーダー [OCEANS掲載記事]

自分に似合うスーツを突き詰めていくとオーダーに辿り着く。しかし、オーダースーツなら、なんでもいいわけではない。価格も上を見ればきりがない。ただ、きっと適正価格があるはずだ。そこで今回は、オーダーの達人である赤峰幸生さんとフィレンツェの名サルトであるアントニオ・リベラーノさんをお招きして、正しいオーダースーツ選びの極意について伺った。

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 まず、スーツをあつらえるにあたり、オーダーの意味について赤峰、リベラーノ両氏に伺った。
「オーダースーツの利点とは、既製品よりも身体にアジャストできること。選ぶ素材で目的や好みを反映できることだ。どんな材料で、どんな作り方で。誰がどれくらい時間をかけて作ったのか。そういうことが明確にわかる。つまり品質保証でもあるのだ」(赤峰)
「オーダースーツは、その人にしか似合わないが、着せのスーツはおおよそ似合う。そこに決定的な違いがある。しかし完璧なフィットは、ハンドメイドでしか得られない。それは誰にでもできるものではありません。技術が低いところでオーダーするなら、既製のほうが優れている場合がありますから」(リベラーノ)
 ではオーダーする際に、どのようなことが一番大切ですか?
「オーダーで、一番大切なことはコミュニケーション。ですから私の場合は職業、趣味、どのようなシーンで着るのかを必ず尋ねます。そして、その人の顔や体型を観察する。それから素材を決めるんです。本人が選んでも似合わなければ、その素材で作ることをお断りすることもあります。理想的なスーツを作るには、信頼関係がとても大事なのです」(リベラーノ)
「まったくそのとおり。オーダーだからといって、何でも融通が利くわけではない。会話の中で、出来上がりのイメージを共有することが大事なのだ。客はデザイナーではない。こだわるべきは、まず素材。そして、どんな着こなしにするのか。そこまでお互いにイメージを膨らませるべきなのだ。スーツだけを作って終わり、では決してない」(赤峰)
 オーダーならワガママを叶えてもらえる。ボタン位置を高くしたり、ステッチの色を変えたり・・・・・。確かに、そういったテーラーもある。しかし、オーダーの本質とは、フィット感の向上と素材選びに集約される。だからこそ、信頼に足る優れたテーラーを選ぶことこそが、最も重要になってくるのだ。
 


本誌でおなじみのマエストロ赤峰幸生さんが指南する
スーツを上手にオーダーするための7つの心得


どんな名うてのテーラーであっても、オーダーするこちら側の心得次第で、スーツの出来映えはよくもなれば悪くもなる。そこでマエストロ赤峰さんを指南役に迎え、7つの心得を伺った。
 

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1.まず話せ!
オーダーはコミュニケーションが大切。
まず話せ、とにかく話せ。どんな職業か、どんな趣味を持っているのか。
そして、どのようなシーンで着るスーツなのか。自分を知ってもらうことで、テーラーは最適なスーツのイメージを固めていく。

2.生地は、目で見極めず3本の指で感じとれ!
マエストロ曰く、オーダーは生地に始まり生地に終わる。生地選びこそがオーダーの楽しみ。ブランド名だけに頼るな!
スーパー○○'sの数字に惑わされるな!まずは触れ。
そして感じろ!長く着るためにはヘビーウェイトの生地がおすすめだ。

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赤峰さんが選んだのは、この5つ
指で触ればどんな生地かあらかた判るというマエストロ。「印象は生地で決まる。フォーマルなら薄手のしなやかな生地だが、おすすめしたいのは目が詰まったヘビーウェイトの生地。着るほどに風合いが増し、長く着続けられるからだ。よい生地は英国に多い」
1_アカミネロイヤルライン
2_レアブラウン&ダンスフォード
3_ハリソンズ・オブ・エジンバラ
4_エドウィン・ウッドハウス
5_ドーメル

3.体型の欠点を知れ
採寸では身を委ねよう。数字だけでは計り知れない身体の特徴、なで肩だったり、猫背だったり、そういった部分へのアジャストはテーラーの経験値がものを言う。ただし、自分の体型の特徴を知り、普段のスーツで困っていることを伝えることも大事である。

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1_首のつきジワ
2_なで肩
3_左右の腕の長さ
4_脚のカタチ
5_ゴージの高さ
6_前肩

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4.教条主義的雑誌の数値を鵜呑みにするな
袖丈は親指から何センチ、着丈は総丈の2分の1、裾幅は何センチでなければならない、などと雑誌で書いているが、それはあくまで目安。最適なバランスは十人十色。だから、まずはテーラーにまかせてベストの数値を出してもらう。
希望は希望として後から伝える。

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5.パンツをはいたら座れ!
パターンオーダーの場合はサンプルのパンツを試着して、フィッティングをアジャストする場合が多い。
その際に、必ず椅子に座ったときの、はき心地もチェック。
ウエストや太腿の回りの感じ方は立っているときとは随分と違うのである。

6.仕上がり後の着こなしをイメージしろ!
スーツだけを着る、ということは無論ないわけで。だから、どんなシャツ、どんなタイを合わせるのかもオーダー時にイメージしておくべき。
経験値の高いテーラーであれば、生地からでも似合うVゾーンを提案してくれる。

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マエストロは映画から着こなしイメージを喚起することが多い。「北北西に進路を取れ」のケーリー・グラントは、よき参考例のひとつ。

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7.納得いくまで、お直しを!
オーダーであっても完璧なフィットに1回目でなるとは限らない。
だから、仕上がりに満足できなければ、とことんアジャストするための修正を。
修正を嫌がるようなテーラーは信頼できない。
長く着続けたいスーツだからこそ、妥協は禁物である。

Posted by インコントロ STAFF at 00時00分   コメント ( 0 )

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