AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2009年06月18日(木)

服の立ち位置【手を加え、受け継ぐ】 [朝日新聞掲載記事]

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朝日新聞(東京本社版夕刊)に2009年6月18日付けでファッションコラム連載『服の立ち位置(手を加え、受け継ぐ)』が掲載されました。

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2009年06月06日(土)

MEN'S EX 7月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.07 [MEN'S EX 掲載記事]

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「夏の紺×白スタイル10の着こなし」

真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授する連載。第7回は、「夏の紺×白スタイル」についてのお話です。
 

Q 紺×白に惹かれるのは何故ですか?
夏の日差しに映えるスタイルだからです
個人的に好きなのは、やや明るめのネイビー、すなわちロイヤルブルーなのですが、日差しの強い夏には、やや明るめの紺の白スタイルが、ヨーロッパのレンガの街並みに映えるんですよね。実際ヨーロッパでは夏の基本スタイルとして何十年も前から紺と白のファッションが存在しています。それゆえに奥深さがあるのです。

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(→)写真の彼らのスタイルが赤峰さん的好みかどうかは別として、夏のイタリアには、紺×白のスタイルが、ドレスからカジュアルまで本当に広く一般的に浸透しています。ちなみに右の方は、ルイジ・ボレッリのCEO、ファビオ・ボレッリさん。
 

Q コーディネイトのコツを教えてください
上下のバランスに気を配ることです。
カジュアルなトップスにはドレスのボトムスを、ドレスのトップスにはカジュアルなボトムスを合わせるのがポイントです。カジュアルになりすぎてもドレッシーになりすぎてもトゥマッチなので、自分なりのヒネリを加えてそのへんのバランスを上手に保つことが大切です。あと、紺×白のスタイルには差し色で赤を少分量使うと効果的です。

■夏のヨーロッパは紺×白が何よりの基本
M.E.  紺と白というのは、赤峰さんの中では夏に限ったお話なんですか?
赤峰  もともと子供の頃から母親が自分に選ぶ服は紺と白ばかりで、それが自分のDNAとして染み付いていて、自分に一番似合うものだと思い込んでいる部分があったんです。実際、大人になって海外に出張に行くようになると、ヨーロッパでは濃紺というよりは、少し明るめのブルーというか、ロイヤルブルーが生活の中に根差しているなっていうのを凄く感じるようになりまして。では、冬場もそうなのかというと、そではなくて、茶系やグリーン系が目立つんですけどね。で、紫外線の強い夏になると、紺と白が一気に膨らんでくるんです。夏といえば紺、というのは、自分の中で不可欠なものなんです。
M.E.  なるほど。
赤峰  イタリア人と夏に一緒に海に行くと、やっぱりネイビーと白というのが基調色としてあるのを強く感じますよね。彼らはそこに胡椒をふりかける感覚で赤をちょっと足したりしているわけです。洒落ていますよね。
M.E.  実際、アカミネロイヤルラインのコレクションでも、春夏の企画になるとロイヤルブルーは必ずラインナップされていますよね。ネイビーではなくてロイヤルブルー。アカミネブルーとでもいうのでしょうか?
赤峰  ええ、絶対に外せない。素材はリネンやコットンやモヘアなどいろいろあるんですが、明るいネイビーは絶対に外せませんね。
 

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(←)着こなし1
スーツはロイヤルブルーのトニック
アカミネロイヤルラインのスーツは、ドーメルの'50年代製ヴィンテージトニックで仕立てたもの。シャツもロイヤルライン。タイは'60年代の英国ヴィンテージのもので、靴はジョン ロブ。「夏といえばネイビーと白。特にロイヤルブルーといわれる明るいネイビーが好きで、差し色の赤も好んで取り入れています」

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(→)着こなし2
シアサッカーJKも欠かせないアイテムです
アカミネロイヤルラインのシアサッカージャケットに、同じくロイヤルラインのポプリンシャツ&トロピカルウールのパンツ、マカフィーの白ヌバック靴という夏らしい装い。「仕事に行く前の朝食時かな(笑)。仕事に行くときは、これにネイビーのタイをします」

■軸となるアイテムはブレザーではなくニット
M.E.  その中で中心となるアイテムはあるのでしょうか?
赤峰  軸となるのはニットです。明るめのネイビーは着ますけど、一般的なダークネイビーのブレザーは個人的にはあまり着ないんです。ニットのポロシャツだったり、カーディガンだったり、あとはジップアップのアイテムだったりしますよね。そしてそれの表現としてボーダーやキャンディストライプがあったり、といった感じです。ただ、基本は無地のニットかな。
M.E.  コーディネイトにおけるアドバイスはありますか?
赤峰  これは紺×白に限った話ではないのですが、ドレスダウンしたトップスに対してドレスダウンしたボトムスを合わせてしまうとトゥマッチになってしまうので、アメリカンなトップスに対してはヨーロッパ的なトップスを合わせますし、逆にヨーロッパ的なトップスにはアメリカンなジーンズを合わせます。トップスとボトムスのメリハリのつけ方が大切なんです。コントラストがあるほうが、僕個人としては好きですね。あまりにもお坊ちゃまっぽかったりストリートっぽすぎるのは、個人的にはよしとしません。ブルーと白の自分なりのヒネリが、自分の中でのポイントです。それともうひとつはどこかにアクセントをつけるのが好きなんです。紺×白に赤というね、フランスやイギリスやアメリカの国旗のように、ほとんど全部トリコロールなんですよね。さっきも言いましたけど、赤を分量少なく使うというのも、ひとつの技だと思っています。
M.E.  昼と夜の使い分けは?
赤峰  夜にジャケットを羽織るっていうのは、ヨーロッパの中では常識ですから、そのセオリーを守ることは大切だと思います。スタイルを自分で作るにしても、紺×白というのは今に始まったものではなく何十年も続いてきたスタイルなわけですから、この期に及んで余計なことをしてもしょうがないわけです。どれもが基本なわけですから、その都度いちいち買うのではなく、自分のワードローブの中に常に取り込んでおくことが大切なんだと思います。
M.E.  今回も勉強になりました。ありがとうございました。
 
 

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(←)着こなし3
コードレーンJK×ネイビーポロも定番スタイル
コードレーンJKにポロシャツのボタンを上まで留めて襟のロールを出し、ヴィンテージのリーバイス501XX、ニュー&リングウッドの靴を。ジャケット24万1500円、ポロシャツ7万1400円/以上バランタイン(アオイ)

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(→)着こなし4
近所へのお出掛けも紺×白が基本です
ハワイマリブシャツのパーカ、ヘインズのTシャツ、リーのウエスターナー、スペルガの2750という、思いのほかカジュアルな着こなし。「近所に出掛けるときや犬を散歩に連れて行くときは、こんな感じの格好です」

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(←)着こなし5
どこにでもいるイタリア男のスタイル(笑)
ハイドロゲンのパーカに、アカミネロイヤルラインの綿麻シャツ、リーバイス501の66モデル、スナイプの靴という合わせ。「イタリアに行くとどこにでもいるオヤジです。袖をさりげなくまくって動きを出すのがポイント」

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(→)着こなし6
海辺のリゾートでは白の分量を多く
白のコットンジップニットに、ドルモアのボーダーカットソー、アカミネロイヤルラインのウールパンツ、コンバース。「伊出張で海のほうに行くと、休みの日はこんな感じ」パーカ9万9750円/バランタイン(アオイ)

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(←)着こなし7
シンプルで好感度大な街の散歩スタイル
バランタインのコットンニット、アカミネロイヤルラインのシャツ、リーバイス505のコーデュロイ、エスパドリーユ。「シンプルで好感度大の着こなし。襟で変化をつけて」ニット4万7250円/バランタイン(アオイ)

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(→)着こなし8
リゾートホテルで寛ぐときのリラックススタイル
グアベロのポロユニフォーム、Y.アカミネのショーツ、コンバースのオールスターというコーディネイト。「真夏のリゾート地でのリラックススタイル。海辺のリゾートほど、紺と白が似合うところはほかにないですよね」

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(←)着こなし9
ブルーの色にこだわったサルデーニャスタイル
リヴェラーノの綿ジャケット、ラコステのポロシャツ、バランタインのバミューダ、オールスター。「サルデーニャの夏スタイル。海沿いのカフェで寛いでいる感じかな」バミューダ4万950円/バランタイン(アオイ)

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(→)着こなし10
プールサイドで読書をするときの水着スタイル
ジョン スメドレーのシーアイランドコットンカーディガン、ラコステのビズポロ、バランタインの水着でトリコロールスタイル。「プールサイドでは、こんな感じで読書します」水着2万6250円/バランタイン(アオイ)

今月のおさらい

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 濃紺よりもやや明るめのネイビー、ロイヤルブルーが赤峰的夏の基本色
 ドレスダウンしたトップスには、きれいめのボトムスを合わせるメリハリが大切
 ずっと着られるものなのでワードローブの中に紺×白の基本アイテムを揃えておくことが大切

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2009年05月24日(日)

OCEANS 7月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・・・などなど。30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。そんな皆さまの“駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さんの質問にお答えするのは、“人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に救いの手を差し伸べてくれるハズ!では皆さん、ご一緒に! 教えてっ、マエストロ!


今月のテーマ
“先人の言葉”

[今月の質問]
赤峰さん、初めまして。毎月、心に染み入る言葉をありがとうございます。今回、私が伺いたいのは、具体的な悩みの解決方法というわけではなく、赤峰さん自身の「好きな言葉」です。以前、赤峰さんは、「人生に迷ったとき、苦難と向き合ったとき、幾度となく先人が残した言葉に助けられた」ということをおっしゃっていました。そんな強い言葉を詳しく伺えたら、私自身も自分の人生に対して勇気が湧いてくる気がします。あつかましいお願いですが、是非よろしくお願いいたします。(34歳・東京都在住・メーカー勤務・T.A.さん)

Q.なるほど。たしかにマエストロは言葉の巨匠でもありますからねっ!そいじゃあ、早速、勇気が凛々と湧いてくる“言葉”をぶちかましてください!!
 このスットコドッコイの大ばか野郎がっ!てめえは先人の言葉を何だと思ってやがる。そのへんの応援ソングじゃねえんだ!!先人の遺した言葉は、彼らが苦労を経験して初めて得ることができた、奇跡ともいうべき遺産である。ちょっとくらい思い悩んだからといって、ハンバーガーを頼むように、簡単には出てこねえんだっ!!しかし、まあ、お前は置いといて、この読者は言葉の大切さに気付いているだけ素晴らしい。では、私の経験をお話しよう。
 私の人生に最も影響を与えた言葉はふたつある。 いずれもアパレル会社で働いていた20代半ばに、大川さんという恩師にいただいたものだ。彼は当時の私の上司で、穏やかな人柄の四十代半ばの紳士だ。当時の私は、働き始めて数年経っていたということもあり、ようやく仕事を覚えはじめ、ソツなく仕事をこなしているつもりでいた。しかし、一方でパターン化された仕事に単調さも感じていた。そんなある土曜日の夜、大川さんに飲みに誘われ、こんなことを言われた。「赤峰君よ、どんな小さな仕事をするときにでもね、初めに井戸を掘った人間のことを忘れずに水を飲まなくてはいけないよ」。そのときはピンと来なかったが、帰り道、「ああ」と思ったものだ。ひととおりの仕事を覚えた気になっていた私は、確かに当初持っていた、仕事に対する熱意を失っていたかもしれない。そしておそらくは、知らず知らずに仕事が雑になっていたのだろう。そんな私を見た大川さんは、私のことを思って「論語」にあるそのひとつ目の言葉を贈ってくれたのだ。私は翌週からすべての仕事を見直した。そしてひとつひとつの作業に関する、目的を考えるようになった。するとどんなルーティンな仕事にも、そのシステムを発案し、構築した人間がいて、次に仕事をする人が失敗したり、ミスが起ったりしないような工夫がなされていることに気付いたのだ。私はそんな“井戸を掘った人間”の存在も知らずに、何の考えもなく、ただ先人が組み立てたシステムを動かしているだけだったのだ。にもかかわらず、仕事ができている、という顔をしていた私は傲慢以外の何物でもなかったよ。
 そして二十代最後の年を迎えるころ、この言葉はまた別の響きを持つようになった。“井戸を掘った人間のことを考えているうちに、今度は私が井戸を掘ってみようという気になったのだ。大川さんに話すと、とても喜んでくれた。「『論語』にもあるように、私が話した一から、赤峰君は十を知ってくれたわけだね。赤峰君、まだ誰も掘っていない井戸を掘りたまえ。その水は多くの人に、そして後世の人に必ず何かしらの恩義をもたらすはずだ
」。私が当時、誰も注目していなかったイタリアの服に目を付けたのは、この言葉の影響によるところも大きい。そんなフロンティア意識を持つことができたからこそ、今の私があるといってもいい。
 

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(→)真剣を振るった先月に続き、今回マエストロが往くのは腕に覚えのある書の道。しかし、手にしたのは普通の筆にあらず。なんと、身の丈を超えんばかりの超特大の筆なのでした。マエストエロには書美院の院長、内野七色さんのご指導のもと、「心」という字を書いていただきました。その力強く真っすぐな字面は、マエストロの生きざまを物語るようでした。「背筋が伸びるようなこの緊張感は、心が洗われるようだ。東洋文化の真髄といわれる書道。その奥深さは、服づくりの道にも通ずるものがある」と語るマエストロ。白×黒の千鳥格子のスーツを纏い、袴にも通ずる格式を意識して装うあたりは、やはりただ者ではありません。
 

Q.深〜い、深すぎますっ!マエストロの掘った井戸・・・・・、じゃなくて、お話がっ!!では、仕事で簡単に成功できる秘訣を教えてくれるような、便利な言葉はありませんか!?
 この大ばか野郎がっ!なんとまあ、安直かつセコイことを言う奴だ簡単に仕事で成功する秘訣だと?開いた口が塞がらねぇとはこのことだ!そんな言葉などない!ただ、進むべき方向を指南してくれる言葉があるだけだと心得よ。
 話は戻るが、私が会社を起こすと言ったとき、大川さんは、内心不安でいっぱいだった私の心を察したのであろうか、こんなメッセージをくれた。「中国にはこんな言葉がある。“往くは小道に寄らず”だよ」と。生きるということは、王道とは何かを常に探し、考え、その道をただまっすぐに突き進むこと−私は大川さんからいただいたこのふたつ目の言葉によって、それまで熱意こそあれ、目先のことしか考えていなかった自分に気付いた。頭の中は明日の予定や来月のお金のことだらけ。しかし、この言葉を知ってから、私は常に10年先のことを考えるようになった。すると日々の些細なことでくよくよ悩まなくなった。そしてバブル期にはびこった投機話の類にも、私はこの言葉を反芻し、一切手を出さなかった。ただ王道を突き進み、小道に寄ることなど、よしとしなかった
 洋服の企画に関しても同じ考え方をした。周囲を見渡すと、やれトレンドだの、次は何色が来る、など目先の予想に振り回される輩ばかりであった。私は数ヵ月後の流行など完全に無視し、10年後、いや50年経っても着られる服づくりを目指した。肌触りがよく、丈夫な生地を用い、トレンドに左右されない本物のクラシックデザイン。採算を度外視して上等な生地を用い、手作業をふんだんに取り入れた。おかげで儲けこそ少なかったが、幸いにしてファンは着実に増えていったものだ。
 そしてつい先日、大川さんの言葉に改めて感謝したことがあった。そのきっかけは、私の洋服を購入してくださっているファンの方からいただいたある手紙だった。手紙の送り主は55歳の男性で、1986年に私の作ったコーデュロイパンツを買ってくれたという。しかし、なんと彼は22年を経た今でもなお、そのパンツをはき続けてくれているというのだ。手紙の最後は、「これほど長く着られるものを手に入れられて、私は幸運です」と結ばれていた
 思わず目頭が熱くなり、私は天を仰いだ。そして心の中で、今は亡き人生の父に、感謝の言葉を述べた。「この仕事をしてきてよかった、自分は間違っていなかった」そんなふうに思える、ひとりの男として最も幸福な瞬間だった。こんな素晴らしい体験をできたのは、ただひとえに大川さんのおかげである。

Q.う〜ん、いいですねっ!!これぞ、まさに先人の言葉!でも、どうすればそんなラッキーな言葉に出会えるのですかっ?
 てめぇ、しまいにゃぶっ飛ばすぞ!!ラッキーなどと浅薄な表現を・・・・・これじゃ、余韻も何もないな。いいか、先人の言葉とは「処方箋」のようなものだ。言葉が良薬となり得るかは、その言葉を信じようとする自分の心の持ち方次第なのだ。また、その言葉を与えてくれる「医師」にあたる人物に敬意を払っているかどうか。そして「薬」そのものの力。それらが渾然一体となったとき、初めて言葉は“力”を持ち得るのだ。
 先人の言葉との出会い方は、たくさんある。私は人や本から出会うことが多い。我が国の文豪、夏目漱石の「こゝろ」やフランス作家アルベール・カミュの「太陽の讃歌」は、私の人生のバイブルともいえるものだ。自分の好きなことわざや故事成語などを書き出して、常に目に見える所に貼っておくのもいいだろう。単なる昔の言葉だと思うなかれ。これらもほかならぬ、先人の言葉なのだ。どうか耳を傾けてほしい。先人の言葉は、あなたのすぐそばにもある。あとは、あなたがそれに気付けるかどうかなのである。
 「言葉は心根につながっている」というのが私の信条だ
。無論、先人の言葉は彼らの心にもつながっている。だからこそ己と共鳴する言葉と出会えたとき、まるで先人に導かれるかのように、それが自分の進むべき道の指針になったり、傷を癒してくれる薬になったりするのだ。
 青臭くたっていい、五感を研ぎ澄まし真剣に生きてみることだ。そうすれば、血となり肉となる素晴らしい言の葉に出会えるはずだ。
 

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−近ごろのマエストロ−
講演をすることが多い私は、いつも“人に届く言葉とは何か”を考える。最近、改めて気になるのが、2001年に他界した稀代のシンガーソングライター・河島英五氏の歌詞だ。「酒と泪と男と女」や「時代遅れ」など名曲が数あるが、その中でも私が愛しているのが「旅的途上」である。





春はあざやか 菜の花畑で
雲などながめコップ酒
夏は星降る 浜辺に手まくら
波を相手に 旅の酒

人恋しさに飲んだ酒が
なお人恋しくさせる
年がら年中 恋焦がれ
人生 旅的途上

作詞・作曲/河島英五


河島氏の歌の魅力をひと言でいうならば、「整った自分を見せようとしていない」ところに尽きる。彼の郷里、大阪の言葉で言うなら「エエカッコしない」というところか。一切のてらいがなく、シンプルで温かい。私は車の中でよく「旅的途上」を聴く。口ずさみながら、このように潤いがあって、真っすぐな言葉を紡ぎ出せれば最高だ、といつも思う。
 

■皆さんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッションetc.・・・・・・、日ごろ読者の皆さんが抱える悩み、疑問など、相談したいことを何でも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!少誌ホームページ[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、トップページ投稿してください。

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2009年05月21日(木)

服の立ち位置【ダシの利いた服を】 [朝日新聞掲載記事]

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朝日新聞(東京本社版夕刊)に2009年5月21日付けでファッションコラム連載『服の立ち位置(ダシの利いた服を)』が掲載されました。

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2009年05月06日(水)

MEN'S EX 6月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.06 [MEN'S EX 掲載記事]

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「ラコステのポロシャツ10の着こなし」

真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授します。第6回は、「ラコステのポロシャツ」についてのお話です。

Q 赤峰先生にとってラコステとは?
自分の相棒のような存在です
ポロシャツのクラシックといえばラコステ。私のスタイルを築く上で欠かせない、まさしく相棒のような存在です。特に好んで着ているのは、長袖のポロシャツです。イタリアでは年間を通して長袖のポロシャツを着るのですが、私も夏でも袖をまくって着ています。なかでもネイビー、白、グレイ、黒は基本として押さえておきたい色ですね。
 

■今回着たのはこの10枚■

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ラコポロは何枚あっても重宝します
1.台襟付きボタンダウンの長袖タイプ、ビズポロ 1万5750円、2.赤の長袖ポロシャツ 1万1550円、3.緑の長袖ポロシャツ 1万1550円、4.ヴィンテージウォッシュの白ポロシャツ 1万3650円、5.10年前にパリで購入した私物のボーダー鬼鹿の子ポロシャツ、6.ネイビーの長袖ポロシャツ 1万1550円、7.パープルの半袖ポロシャツ 9975円、8.私物のハイネックカットソー、9.エクリュ色の半袖ポロシャツ9975円、10.黒の半袖ポロシャツ 9975円/以上ラコステ(赤峰さん私物の58を除き、ラコステ)

■ラコステはポロシャツの基本の基といえるアイテム
M.E.  ラコステのポロシャツは、ヴァルスターブルゾンなどと並ぶ赤峰さんの七つ道具のひとつですが、出会いはいつ頃に遡るんですか?
赤峰  40年以上前ですね(笑)。20歳のときに学校でカトリーヌ・スパーク主演の「太陽の下の18歳」というイスキア島が舞台の映画を見たんですけど、その中に出てくる人物のほとんど全員がラコステのポロシャツを着ていたんですよね。ヨーロッパに根差しているな、カッコいいなって、心の中に凄く印象に残ったのが最初です。その後25歳のときにヨーロッパへ旅行したとき、パリのラコステで買ったのが僕とラコステとの出会いです。
M.E.  それからラコステひと筋で?
赤峰  そうですね。彼の地に行って、ラコステのポロシャツはフランスに土着した基本の基のアイテムなんだと肌で感じ、自分自身も白のポロシャツを買ってから、いろいろと揃えていきました。「太陽の下の18歳」の時代のヴィンテージラコステなども、ひなびたスポーツショップでデッドストックを買い漁ったり(笑)。エレガントスポーツの匂いがするという意味では、今も昔もなんら変わっていないんですよね。ラコステのポロシャツというのは特別な存在で、鹿の子ポロシャツとラコステのポロシャツというのは似て非なるものなんです。
M.E.  「太陽の下の18歳」でのラコステは、夜のプールサイドで着ていたりとラフな感じだったと思うのですが、今日赤峰さんが見せてくださった着こなしの中には、ドレスアップしたスタイルもありました。
赤峰  そうですね。ただ、決して肩肘の張った感じではなくて、イタリアのお爺さんたちが、中はラコステでフツウにスーツを消て、ピアッツァ(広場)で談義しているみたいなね。そういうお爺さんが着ているようなラコステのポロシャツの自然なこなしに影響を受けているんです。ラコステはフランスのものでもあるにもかかわらず、イタリア人の中での土着感みたいなものがあって、彼らにとっても基本の基のなんですよね。
 

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(←)着こなし1
夜のお出掛けはアイリッシュリネンスーツで
リヴェラーノ&リヴェラーノのアイリッシュリネンスーツに長袖のビスポロ、マンテラッシのスリッポンを素足で。「襟はさりげなく無造作に。テーマはリゾートの夜。」日本ではレストランの食事のときなどに」

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(→)着こなし2
赤のポロシャツ&ジャケットで築く週末スタイル
リヴェラーノ&リヴェラーノの綿ポプリンのJKに赤の長袖ポロシャツを合わせ、赤の長袖ポロシャツを。「赤は赤峰的差し色。ウイークエンドスタイルですね。ボタンは上まで留め、裾を軽く出しているのがポイントです」
 

■夏でも袖をまくって長袖を一年中愛用
M.E.  イタリア人は長袖を好んで着て、一年を通して愛用していますよね。
赤峰  そうなんです。で、日本では半袖に人気が集中していますけど、個人的には長袖を腕まくりして着るのが好きで、特に洗いざらしたラコステの袖口をまくって、それが味となってなんとなく雰囲気を醸し出すのが僕的には好きなんですね。袖口がびよびよに伸びちゃったりするんですけど、それもまた味わい深いかなって。
M.E.  そういう赤峰さん的な演出のテクニックを教えてください。
赤峰  襟に表情をつけますね。ただ、襟巻きトカゲみたいに極端に立てるのは好きではありません。丈が長すぎるのも好きではないので、場合によっては短くお直しして着ることもあります。裾を出したときの見え方は大切なので、そのへんは各人で調整するといいと思います。
M.E.  参考になります。
赤峰  あともうひとつ大切なのは、二の腕のフィット感。半袖の場合、腕の筋肉に対してちょうちん袖がきついくらいの感じでフィットしているのが、ポロシャツの着こなしではマストだと思います。
M.E.  勉強になります。ちなみにラコステは何枚くらいお持ちなんですか?
赤峰  昔買ったものも全部残してあるので恐らく40枚くらいだと思います。リーバイスの501にはノーマルから自分の色に落としていく楽しさがあるのと同じで、ラコステのポロシャツも、ガンガン着倒してからが、またいい味になるんですよね。そういった一枚を、襟に自分なりの表情をつけて着るのが赤峰的には好きですね。
M.E.  今回もとっても勉強になりました。ありがとうございました!
 
 

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(←)着こなし3
革ブルゾンで築く伊カジュアルの王道スタイル
32年着ているコノリーのレザーブルゾンに、リヴェラーノのピケパンツ、足元にはスペルガの2750。「レザーブルゾンとポロシャツは王道の組み合わせ。ザーブルゾンはパツパツで、ボタンをひとつだけ留めて着ます」

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(→)着こなし4
夏らしさ全開!白ポロシャツ+シアサッカーパンツ
ヴィンテージウォッシュのポロシャツに、アカミネロイヤルラインのシアサッカーパンツ。で、足元はスペルガの2750.「洗いのかかったポロシャツが、リラックス感を上手く引き出してくれます。夏らしさを表現した普段着」

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(←)着こなし5
ボーダーポロをパンツにインした街の散歩スタイル
メランジ調の鬼鹿の子のボーダーポロをリーバイスのコーデュロイパンツにイン。足元はコンバースのオールスター。「休日に街を散歩するときは、こんな感じかな。太めのベルトがアクセントになっています」

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(→)着こなし6
長袖&ショーツでリゾート地での散歩スタイル
紺の長袖ポロに、Y.アカミネの綿ツイルのショーツ、エスパドリーユという組み合わせ。「夏でも長袖を袖まくりして着るのが好きなんです。長袖のラコステは本当に重宝します。これはリゾート地で散歩する格好かな」

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(←)着こなし7
半袖ポロ裾を出してカジュアルに
パープルの半袖ポロシャツに、リヴェラーノのドリルクロスのパンツ、フローシャイムのコブラヴァンプというシンプルな合わせ。赤峰さんのスラックスの裾はすべてダブル。「パープルとベージュは好相性。裾を出して」

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(→)着こなし8
プールサイドで読書するときの水着スタイル
ポロシャツではないですけど、息抜き番外編。紺の長袖ハイネックカットソーに水着を合わせ、足元はコンバース。「海やプールサイドでの格好です。リラックス感を出すべく、長袖のカットソーで。サングラスは必須です」

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(←)着こなし9
ホワイトフランネルのパンツを合わせた正統テニススタイル
エクリュ色の半袖ポロシャツに、アカミネロイヤルラインのフランネルパンツ、マカフィーのホワイトバックスという合わせ。「全身をオフホワイトでまとめてみました。フランネルのパンツを合わせた正統テニススタイルです」

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(→)着こなし10
全身を黒でまとめたトレーニングスタイル
黒の半袖ポロシャツをトレーニングウェアとしても活躍しています。トレーニングをするときは、キリリと全体が引き締まった印象に映る黒で統一。下に合わせているのはアディダスのジャージ。「イチ、ニ、サン、シ〜」
 

今月のおさらい

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 赤峰先生にとってラコステに勝るポロシャツは存在しません
 長袖のポロシャツは夏でも袖をまくって着るのが赤峰流
 ちょうちん袖は二の腕にぴったりフィットが絶対条件

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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MEN'S EX 9月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.16

MEN'S EX 9月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.16

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘コートが気になる季節’』2012年12月1日(土)掲載

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朝日新聞 “be on Saturday” 赤峰幸生の男の流儀 『姿勢を意識して』

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