2008年10月06日(月)
MEN'S EX 11月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 vol.01 [MEN'S EX 掲載記事]
「モヘアスーツをもっと着よう」
真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授します。第1回は、「モヘアスーツ」。夏だけの素材にあらず、というお話です。
Q モヘアってなんですか?
アンゴラ山羊の毛のことです
「モヘア山羊はアンゴラ山羊の毛のことで、一般的に南アフリカに生息しているキッドモヘアの毛を使用します。縦に色糸、横に生成りの糸を使っているシャンブレー織りのものが基本。モヘアは100%ではなく、ウールと混紡・混織したウールモヘアが一般的です」
Q 生地の特徴は?
シワになりにくく、非常にタフな素材です
「張りとコシ、落ち感という、生地において大切な3要素が備わっていて、シワになりにくく、クリースも取れにくいのが特徴。非常にタフで、平気で10年は着られます。3プライの糸(2プライのものも)で織られるのが一般的で、適度な光沢を備えています。」
Q 夏の素材のイメージがありますけど・・・・・
1年を通して着られる素材です
「モヘアはシャリ感があるので特に日本では夏用素材のイメージがありますが、本来は年間を通して着られる素材で、実際、私は1年を通して最も着用している素材です。ドレスコードのあるオフィシャルな場には、私はモヘア混のスーツを着用して出掛けます」
Q 最も有名なモヘアは?
ドーメル社のトニックです
「ドーメルが1957年に開発したトニックです。縦糸に梳毛、横糸にアルパカとキッドモヘアを使った服地で、2つの天然繊維が3プライで撚り合わされています。この生地が完成したときに、ジントニックで祝杯をあげたことからこの名がついたのは、有名な話です」
■あまり知られていないモヘアの魅力とは?
M.E. 新連載、よろしくお願い致します。継続こそ最大の力なりということで、赤峰さんが今日まで蓄積されてきた洋服のイロハを、本連載を通じてたっぷりご伝授いただければと思います。
赤峰 よろしくお願いします。
M.E. 第1回目のテーマはモヘアです。
赤峰 モヘアはアンゴラ山羊の毛のことで、主に南アフリカに生息しているキッドモヘアの毛を使用しています。シャンブレー織りで、そうでないものもありますが、縦に色糸、横に生成りの糸を使っているものが多いですね。
M.E. なるほど。
赤峰 モヘアは毛自体に張り感と独特の光沢感があります。業界用語でいうところの張り、コシ、落ち感も備わっていて、特に3番目の、生地が縦に落ちて行きたがる特性を持っているのがポイントです。今日着ているスーツの生地は、アカミネロイヤルラインの3プライモヘアなんですが、これは英国式の紡績方法(フライヤー精紡機)で、空気を含ませながら糸を撚ったものなので、糸に丸みが生まれ、よりいっそうの張りとかコシが生まれるんです。そのモヘア生地の便利な特徴はなんだと思います?
M.E. シワになりにくい、ですか?
赤峰 そうですね。さらに言及すると、シワが取れやすいということです。それとクリースが取れにくいこと。ですので、海外への出張時には必ずモヘアスーツを持参します。出張前にきちんとプレスしていけば、トランクに入れて持って行ってもプレスをし直す必要がないので、大変重宝しています。
本物のモヘアスーツは10年間着たって全然平気。
非常にタフな素材なんです。
(←)赤峰さんご着用のアイテムは、スーツ、シャツ、タイすべてアカミネロイヤルライン。
3プライのモヘア混スーツは、モヘア60%、ウール40%。シューズはニュー&リングウッド。
■モヘアスーツは夏だけのアイテムにあらず
M.E. 赤峰さんは一年を通してモヘアスーツを着るんですか?
赤峰 もちろんです。生地の重さはシーズンによって使い分けますが、一年を通して着ます。日本では春夏しかやっていないところが多いですが、それは赤峰的にはおかしいと思います。冬だからフランネルのスーツを着てパーティに行くかといえば、フラノはスポーティな素材で、そういうところで着る素材ではないですから。パーティのときは白と黒の糸の、グレイのモヘアスーツ。赤峰にとっての基本の基です。
M.E. ドレスコードのスーツですか?
赤峰 モヘアのスーツをきちんと着るのが、ドレスコードの代表的なスタイルであると私自身は思っています。パーティには粋な感じが必要じゃないですか。かと言って黒を着るほどではないときに、非常にいいと思います。日本でも海外でも、オフィシャルな場に出るときには必須の1着です。
M.E. 耐久性はいかがですか?
赤峰 非常に高いですね。私が今日着ているスーツなんて、10年着ても全然平気です。普通の生地だったら2〜3年着たら膝が抜けてしまいますけど、これは全然へたりません。張り感があるので形崩れもしにくいですし。
M.E. お好きなモヘアのタイプは?
赤峰 ヨーロッパでは1mあたりの重さで生地を表すのですが、私は430gくらいのものが好きですね。一般的には280〜290gですが、これは夏用の話。ほかに大きく330〜340g、380gとありますが、380gはほしいかな。430gは夏着るには暑いですけど、冬場は非常に快適です。混率は、一般的にはモヘア30%、ウール70%が多いですが、これもモヘアは40%〜50%入っていてほしい。アカミネロイヤルラインのは、モヘア60%、ウール40%です。このくらいになると、かなりの張り感が生まれてシャキッとするというのかな、着用すると背筋が伸びる感じがします。
M.E. 最後にもう一度メッセージを。
赤峰 モヘアスーツは、フランク・シナトラ、ピーター・セラーズ、ジャン・ギャバン、マストロヤンニなど、各国の往年の洒落者が好んで着ていましたし、日本でも信濃屋の白井さん、UAの鴨志田さん、バタクの中寺さんといった本当に服が好きな人たちが、一年を通して着ています。もっとモヘアスーツを楽しんでほしいですね。
◆赤峰塾長がオススメするモヘア生地はコレ!◆
ドーメル トニック2000
'57年当時のトニックのオリジナルの製法を今風にアレンジして織った、ウール70%、モヘア30%の服地。横にウールとモヘアのブレンド糸を使用。325g/m
ウィリアム ハルステッド カンデブーモヘア
英国のミルでモヘアといえばここ。南アフリカの希少なカンデブーモヘアを使用し、かなり張りのある生地に仕上がっています。モヘア60%、ウール40%。390g/m
アカミネロイヤルライン 3プライモヘア
赤峰さんのディレクションで縦糸を2プライ、横糸を3プライにして国内で織った、モヘア60%、ウール40%の服地。素晴らしい打ち込みのよさが自慢。435g/m
カルネット タオロ2
伊ビエラの服地メーカーが、英国で織らせたモヘア。発色の美しさがポイントの、サマーキッドモヘア。モヘア55%、ウール45%。ミドルウエイトの350g/m
◆赤峰塾長がオススメするモヘアスーツはコレ!◆
しっかりした打ち込みで仕立て栄えするモヘアカシミア
サマーキッドモヘア60%、カシミア40%による英テーラー&ロッヂの非常にラグジュアリーな生地は、打ち込みの良さ◎。3ピーススーツで42万4000円(オーダー価格)/バタク(バタク)
フィレンツェの名門からモダンなウールモヘア
赤峰さんの親友、アントニオ・リヴェラーノ氏のプレタ。ウール85%、モヘア15%で、ミドルウエイト。37万8000円/リヴェラーノ&リヴェラーノ(ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館)
赤峰イズム満載の国産モヘアウールを使用
赤峰さんの親友、アントニオ・リヴェラーノ氏のプレタ。ウール85%、モヘア15%で、ミドルウエイト。37万8000円/リヴェラーノ&リヴェラーノ(ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館)
今月のおさらい
壱 シワになりにくく クリースも取れにくい モヘアスーツは、海外出張でも大変重宝
弐 形崩れしにくく 非常にタフな 赤峰的モヘアスーツは、10年間でも着られます
参 モヘアは夏だけの 素材ではなし。 ウエイトのある生地なら 真冬でも着用可能です
四 重さ380g/m以上。 モヘア40%以上の混率が 赤峰的モヘアの 基本クリア条件です
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MEN'S EX 11月号別冊付録 メガネ達人総力取材!「俺が最近買った“新定番メガネ”」 [MEN'S EX 掲載記事]
“新定番メガネ”とひと口に言っても、そのラインナップは膨大。そこでメガネ選びには一家言ある業界の達人の皆様に、最近買った新定番は何かをリサーチ。各人、目からウロコの審美眼をおもちゆえ、大いに参考にしてください。
インコントロ代表 赤峰幸生さんの“新定番メガネ”は・・・・・・
999.9(フォーナインズ)の「TW−31T」です
(→)リムレスフレームの名品
TW-31T
“新定番”の所似
造形で主張せず顔に馴染ませます
ツーポイントのリムレスフレームは自然に馴染むので、顔の印象を変えることなく愛用できるのが大きな利点のひとつです。フォーナインズのお家芸である逆Rヒンジは機能的な部分はもちろん、その繊細な意匠が実にエレガントな雰囲気を醸し出してくれます。4万9350円/フォーナインズ(フォーナインズ)
(←)※服装との組み合わせを考えてメガネの色を選ぶ
※タイの色とメガネ、シューズをコーディネート
※グレイのスーツで全体を引き締める
■着用する服とのマッチングを重視
ここ数年フォーナインズを愛用しているという赤峰さん。
「それまではブランドありきの考え方でしたが、今はナチュラルに表現できるものが好きですね。やはり日本製のシビアな物作りは心地よいです。特にフォーナインズは服やファッションに対しての意識が高いところが好きですね」
いくつかお持ちのフレームの中でも新定番として推していただいたのがこのリムレスフレームのタイプです。
「デザインに対してうるさい能書きがない点がいいですね。過度に誇張せず名脇役として馴染むところが気に入っています。着る物とのコーディネートが大切なので、実は色のないメタルは今まで買ったことがありません。時計のベルトやタイなどとのマッチングを加味して、メガネを楽しむことを重視しています」
メガネだけが浮くことのない見事な馴染みっぷり、参考にさせていただきます!
プラスティックフレームを場面ごとに使い分けるのが赤峰さん流です
赤峰さんご持参のコレクション(の一部)。フォーナインズのNP-41やNP-43をはじめ、ペルソールのサングラスなど、シチュエーションや服装で使い分けているそう。
メンズファッションの巨匠(マエストロ)は服飾界の生き字引!
イタリア語で「出会い」の意味をもつ、株式会社インコントロの代表取締役社長。昨年より新ブランド「アカミネロイヤルライン」のディレクターとしてダンディズムを追求する大御所であります。
グレイ×ブラウンで成熟した大人のスタイリングを構築!
ドーメルのトニック生地を使ったスーツに、ストライプのシャツとイタリア生産のタイをコーディネート(すべてアカミネロイヤルライン)。珍しい茶色のチーフはシャルベ、靴はシルバノ・ラッタンジ。小物をすべてブラウン系にした統一感ある着こなしです。
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2008年04月05日(土)
MEN'S EX 5月号 菊池武夫と赤峰幸生が選んだ 古今東西お洒落な男 BEST5 [MEN'S EX 掲載記事]
菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
本誌の連載ページ「Be Buffalo Forever!」のお2人に、歴史上のお洒落な人物をそれぞれ5人づつあげていただき、それぞれの5人について、たっぷり語っていただきました。
■(写真右)菊池武夫氏
・ボルサリーノの帽子
・アメリカンアパレルのジャージ素材ストール
・ヘルムート ラングのミリタリージャケット
・デンツのペッカリーグローブ
・聖林公司のカーゴパンツ
・オールデンのコードバンタンカーブーツ
■(写真左)赤峰幸生氏
・トゥータルの’50年代製アスコットタイ
・Y.アカミネのフレスコ織りシャツ
・アカミネロイヤルラインのシアサッカーパンツ
・デッドストックのフランス製ホーズ
・ニュー&リングウッドのスリッポン
MEN'S EX大賞 【第1位】
菊池さんが選んだ古今東西お洒落な男第1位は・・・
アーネスト・ヘミングウェイ
ライフスタイルを反映したスタイルに定評あり
1899年、米イリノイ州生まれ。小説家。代表作は「武器よさらば」、「老人と海」など。’54年、ノーベル文学賞受賞。私生活では、趣味のアウトドアやハンティングなどのライフスタイルを反映した、アバークロンビー&フィッチのサファリジャケットなどを愛用していました。’61年、銃で自殺。
赤峰さんが選んだ古今東西お洒落な男第1位は・・・
ウィンザー公
当時の常識を覆した稀代のウェルドレッサー
1894年〜1972年。’36年、英国王室の王位を継承し、エドワード8世となるも、女性との恋を優先して1年経たずに退位を決意。ウィンザー公となります。稀代の洒落者として知られ、今では当たり前の、グレナカートチェックスーツにスエードのブローグシューズを合わせたのも、彼が最初です。
■お2人が心底お洒落だと思った歴史上の5人の人物とは?
M.E. 今回のテーマは、「お2人が選んだ古今東西お洒落な男BEST5」です。事前にアンケートを記入していただいたわけですが、それによると、タケ先生の1位はヘミングウェイです。
菊池 ヘミングウェイの作品は子供のときから読んでいて、長編はもちろんそうなんですけど、短編も素晴らしくて、凄く共感できるんです。彼の作家として生きてきた証が、彼の風貌、服の着こなしに強く表れているんですよね。海外の戦場に出掛けたり、ハンティングや釣りを趣味にしていたりと、何かとアクティブなイメージがあります。実際、彼のファッションとしてパッと思い浮かぶのはサファリの姿です。
赤峰 今日の着こなしはまんまヘミングウェイといった感じですね(笑)。
菊池 かなりアレンジはしていますけど、彼をテーマに今っぽく着るんだったらこんな感じかなと。
赤峰 確かにヘミングウェイといったら、今日のタケ先生の格好みたいなサファリのイメージがありますよね。
菊池 そうですね。サファリの格好をイメージしながら、軍服でアレンジしてみました。アフリカの砂漠の砂嵐を防ぐ意味を込めて、いつものルイ・ヴィトンのスカーフを中に巻いて、その上にスカーフを中に巻いて、その上にスカーフを二重に巻いているのがポイントです。
M.E. 赤峰さんの1位はウィンザー公です。
赤峰 ウィンザー公っていうとスーツスタイルばかりがクローズアップされていますけど、僕の中ではひょうきんな人だったんだなというイメージがありまして。普通の人はやらないような合わせをするんですよね。(持参した写真の切り抜きを見せて)モノクロなのでわからないですけど、色のトーンを合わせながらパターン・オン・パターンとかにしていると思うんです。国を代表してのオフィシャルな場と普段着とでは、だいぶ差があったんだろうなって。堅い中にもおふざけがあるところが結構好きですね。
菊池 これはウィンザー公がやっているから成立しているっていうのもあるし、英国っていうよりアメリカに移ったあとの着こなしかなって感じですよね。それにしても、ギンガムチェックを選ぶあたりはサスガですね。
赤峰 “すべての道はロンドンに通じる”じゃないですけど、アメリカ的な表現やイタリア的な表現もあるけれども、もともとは英国だしロンドンだし、いってみればバッキンガム宮殿だし、ウィンザー公のスタイルに行き着くんですよね。
菊池 今流行しているアメリカンスタイルだって、もとをたどればほとんど英国のものですからね。
MEN'S EX大賞 第2位
ジョン・F・ケネディ
品のよいスーツスタイルが好感度大
1961年、43歳の若さでアメリカ大統領に就任。ハーバード大学出身ながら、彼が好んで着用したボタンダウンシャツを、東部のエリート色が強いという理由で、公の場では着用しなかったという逸話も。2つボタンのブリティッシュスタイルのスーツを好んで着用していました。'63年、ダラスにて暗殺。
MEN'S EX大賞 第3位
白洲次郎
サヴィル・ロウのスーツを凛と着こなした日本人
1902〜'85年。英ケンブリッジ大学留学中からブガッティやベントレーを乗り回し、戦後GHQ支配下の日本で吉田茂首相の側近として活躍。185cmの長身がサヴィルロウのヘンリー・プールで仕立てたスーツを着こなしたその姿はあまりにエレガントです。
MEN'S EX大賞 第4位
ジャン・コクトー
パリの老舗メゾンの服を愛した芸術家
1889年パリ生まれ。画家、詩人、作家、劇作家、映画監督など、さまざまな顔をもつ前衛芸術家。アルニスやランバンの服を好み、ベルルッティのビスポークシューズなどを愛用していたことでも知られています。全身を白の細身の服でまとめた写真のスタイルもまた、彼の内面が滲み出ています。1963年没。
MEN'S EX大賞 第5位
ジャン・リュック・ゴダール
フレンチテイストのジャケットをニヒルに着こなすのが彼のスタイル
1930年パリ生まれ。ヌーヴェルヴァーグの旗手であり、世界でも最も有名なフランスの映画監督。代表作は「勝手にしやがれ」、「気狂いピエロ」ほか多数。お2人の対談内に出てきたように、まさに写真のようなジャケットファッションが彼のスタイルです。
M.E. なるほど。タケ先生の2位はケネディ。
菊池 僕はケネディのスーツの着こなしが好きなんです。襟幅とかシェイプの仕方とかがアメリカっぽくないし、かといってヨーロッパかというと・・・・・・。僕にはキルトの上に着ているジャケットのような、スーツの着こなしに映るんです。彼の場合、アメリカそのまんまじゃないんですよね。当時は3つボタンが全盛だったんだと思うんですけど、彼は2つボタンのスーツを着ていた印象が強いですし。
赤峰 そうですね。ケネディは僕も好きで、イギリスのモデルの誇張感をなくしてレギュラーな感じにしたスーツを着ている感じですよね。アメリカのナチュラルショルダーとかナンバーTモデルのボックス型というよりは、適度にウエストがシェイプされたブリティッシュレギュラーモデルみたいなね、そういう感じがするんです。ロバート・ケネディもみんな同じような感じでしたよね。
菊池 ええ、ケネディって、アイッリッシュ系の大統領じゃないですか。アイリッシュなイメージはありますよね。
M.E. では次、赤峰さんの2位、コクトーです。
赤峰 ブリティッシュとかフレンチとかそういう括りではなくて、アーティストとして極めたひとつのスタイルみたいなものがありますよね。上襟が大きいバルカラーのジャケットみたいなのを、白シャツに常にブラックタイで合わせるという独自のスタイルがある。パンツが凄く細くて、それにイギリスのだと思うんですけど丈が短めのブーツをビシッと合わせているのが彼のスタイルです。
菊池 彼は顔が細いし、洋服のシェイプの仕方とか見ていると、ちょっと女性的な感覚もあるんですけど、カフスの出し方とかもう絶妙ですよ。
赤峰 あれはもう絶妙です。アーティストな着こなしのクラシックとでもいうのかな。
菊池 昔だからセオリーはあったんでしょうけど、アーティストとしてそれを崩そう、崩そうとしているのが、彼の着こなしに表れているんです。最初コクトーのところにネイビーブレザーの姿が印象的なアンディ・ウォーホルを入れようとしたんですけど、やっぱり好きなのはコクトーなんですよね。コクトーはエレガントですから。ウォーホルの着こなしはアーティストらしくはあっても、エレガントではないんですよね。
M.E. 次は第3位の白洲次郎さんです。
菊池 お会いしたことはないのでわからないのですが、町田の武相荘に行ったときにいろいろ洋服を見せてもらって、彼がサヴィル・ロウのヘンリー・プールで仕立てたスーツを着させてもらったことがあるんです。それが体にピタッと合ったのが印象的でした。それと彼は性格が変わっていますよね。反骨精神が旺盛だし頑固だし。そういうのにも惹かれますし、それと顔が美しい。日本のウォーレン・ビューティみたいなね。Tシャツ姿で写っている有名な写真があるでしょう。彼の生き方とかが滲み出ていて、カッコいいなって思います。Tシャツ1枚でもサマになるんです。
赤峰 この人は1本筋が通ったものをもっていますよね。夏目漱石とか吉田茂とか白洲次郎とか、イギリスの流儀を学んで日本人のプライドで生き抜いた人っていうのかな。ひとことでいうと毅然としていますよね。あらゆるシーンに対して毅然とした態度で臨むから、あるときは喧嘩っ早いだろうし、男気にあふれているだろうし、でもジェントルマンだっていう。
M.E. よくわかります。次、赤峰さんの3位、ジャンニ・アニエッリです。
赤峰 アニエッリね。これはなんていうか、ひと言でいうと伊達っていう。伊達を極めたイタリア人なんですよね。今でいうクラシコイタリアとかいうのではなく、英国のひとつのスタイルをイタリア人として伊達に着るっていうのはこういうことなんだというのが感じられます。シャツのカフスの上から腕時計をしたり、タイを上着の外に出したり、自分の伊達を極めた人という意味ですごい人だなっていうのがありますよね。
菊池 確かにジャンニ・アニエッリは数々のオリジナルの着こなしのスタイルをもっていましたよね。ジャン・コクトーみたいなアーティストとは違うんだけど、並では嫌だっていうのがあって、オリジナルのスタイルを築いていましたよね。
赤峰 でもそれが何故できるかっていうと、基本ができているからなんです。基本ができているから崩せるっていう。
MEN'S EX大賞 第2位
ジャン・コクトー
これぞ、コクトーのスタイル!
タケ先生の4位に対し、赤峰さんはコクトーを2位でセレクト。「フランス的粋の本質を学べた人。特にジャケットインしたニットの着こなしとブラックタイの合わせがカッコいい」と赤峰さん。写真も無造作に挿したチーフが、実にエレガントな雰囲気を醸し出しています。
MEN'S EX大賞 第3位
ジャンニ・アニエッリ
さまざまな自分流を生んだ男
1921年〜2003年。前フィアットグループ会長。サルトのスーツにブルックス ブラザーズのボタンダウンシャツを、襟ボタンをわざと外して合わせたり、スーツにドライビングシューズを合わせたり、数々のオリジナルな着こなしを披露。今でも伊ではカリスマ的人気。
MEN'S EX大賞 第4位
ハンフリー・ボガート
トレンチコートの着こなしでは右に出る者なし
1988年〜1957年。映画俳優。代表作は「マルタの鷹」、「カサブランカ」など。トレンチコートの襟を立ててベルトを前でギュッと縛ったボギースタイルは、今もトレンチの着こなしのよき手本。赤峰さんも若かりし頃、その着こなしを随分と真似したそうです。
MEN'S EX大賞 第5位
清水幾太郎
赤峰さんに影響を与えた学者の叔父
1907年〜'88年。社会学者、評論家。スーツやネイビーのブレザーを日本橋の丸善で誂え、服も同店で買い求めていたそう。多数の著書も高い評価を得ています。赤峰さんの叔父にあたります。写真はローマで撮影したもの。
M.E. タケ先生の4位は先ほど出てきたコクトーなので、次は赤峰さんの4位、ボギーことハンフリー・ボガートです。
赤峰 ボギーはね、非常にヤクザなところがいい。特に「カサブランカ」は若い頃に観て、最後の「君の瞳に乾杯!」っていうセリフに最高にしびれましたね。
菊池 使いました?
赤峰 かなり使わせてもらいましたよ。使いすぎたかなっていう(笑)。でもね、男の中にあるヤクザ的要素と、そういうニヒルというかシリアスな部分をもちたい自分を、ボギーと重ね合わせてしまうっていうのはあります。
菊池 僕はね、ハンフリー・ボガートって大好きなんです。メンズビギの会社を立ち上げたとき、店にボガートの写真を絵のようにして飾っていたくらいですから。やっぱり男として憧れるものがあります。声も渋いし、仕草もカッコいい。
赤峰 日本でいうと高倉健みたいなイメージかな。
菊池 そうそう、だぶりますね。禁欲的っていうか、ストイックな感じですよね。
M.E. 着こなしでいうとトレンチですか?
赤峰 まぁトレンチでしょうね。あとは帽子の被り方ね、あれはボギーならではです。スーツスタイルはイメージとしてあまり出てこないですね。
菊池 「マルタの鷹」でしたっけ。モノクロだからわからないですけど、ダークスーツを着ていましたよね。
赤峰 たぶんブラックスーツですね。
M.E. では次、タケ先生の5位、ジャン・リュック・ゴダールです。
菊池 ゴダールね。ゴダールも不良っぽい。
赤峰 フランス映画の中で、従来の価値観を壊した人ですよね。
菊池 ほかにもたくさんいますけど、やっぱりゴダールなんです。世界的な価値観を変えましたよね。それと映像がもの凄く美しい。なんであの顔からあんな美しい映像を撮れるのか不思議でしょうがない。自分があまり細い顔をしていないんで、赤峰さんは細い顔をしているじゃないですか。細い顔の人ってなんか好きなんですよね。
赤峰 見えるような見えないような、あの透け具合が独特のサングラス。レイバンのようなサングラスじゃなくて。
菊池 セルのサングラスを掛けていますよね。ちょっと禿げ上がった額に黒メガネをかけて無造作にジャケットを着て立っているのを見たことがありますけど、やっぱり凄く雰囲気がありました。
赤峰 まさにフレンチな感じですよね。ラペルが細くて肩幅が広いジャケットを着ているイメージがありますけど、ゴダールって華奢だから襟が抜け気味で、ちょっと羽織っている感じがするんだけど、それが逆に決まるんですよね。
菊池 変な言い方をすると、貧相になるギリギリの格好なんですよね。それが逆にアーティストっぽいっていうか、カッコいいんです。
M.E. 赤峰さんの最後は清水幾太郎さん。
赤峰 僕の叔父の学者なんです。彼はネイビーのブレザーをよく丸善で仕立てていたんですけど、いつもタイをビシッと締めていて、どんなに暑くても絶対に上着を脱がずに凛としていたイメージがありまして。当時丸善で売っていたバーバリーのトレンチコートを譲ってもらったことがあって、それがこの世界に入るきっかけにもなったし、私事で申し訳ないんですけど、子供の頃から彼にはそういった意味で凄く影響を受けてきたので、入れさせてもらいました。
M.E. ありがとうございました!
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MEN'S EX5月号記事「俺の人生で得した買いモノBEST3」 [MEN'S EX 掲載記事]
MEN'S EX大賞 【第1位】
スマイソン ロンドンのレターセット
受賞理由 : かれこれ20年以上使い続けています
「私自身、万年筆で字を書くことが好きなので、大事な人へ手紙を送る際は、必ずこのレターセットを使っています。ボンドブルーの色合いも気に入っていますし、とにかく書きやすいのが魅力。PC時代の今だからこそ、直筆の手紙は相手にも誠意が伝わりますしね」
(→)自分だけの“モノ”が作れます。
好きな色を選んで、文字やロゴを入れるオーダーも可能。
http://www.smythson.com/
MEN'S EX大賞 第2位
ローデンクロスのニットジャケット
受賞理由 : カジュアルなのにエレガント
「7年ぐらい前に海外で購入したのですが、厚手でシワになりにくく、伸縮性もありながら非常に温かい。寒い時季は、毎日のように着ていますね。シャツの上にブレザー的な感覚で羽織ってもいいし、いろいろ使い回しの利く1着だと思います」
MEN'S EX大賞 第3位
ペルックスのオリジナル ブリーフケース
受賞理由 : 出張時には必ず持っていきます
「デザインに特徴がある訳ではないのですが、アコーディオンの仕切りで荷物も入れやすく、使い勝手は◎。10年ぐらい使っていますが、壊れたことがなく、無造作に下に置いても平気で、それが逆に格好よかったり。そんな頑丈な作りも気に入っています」
◆赤峰さんの“思い出遺産”
フローシャイムのインペリアルシューズ
30年経っても履き続けられます
「30年前に購入した靴ですが、ソールは2、3回替えた程度。それでいて、いまだに履き続けられるという、作りのよさは相当なもの。いかにもアメリカらしい存在感をもちつつ、シャープさも備えた、かけがえのない1足です」
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MEN'S EX5月号記事「イタリアを象徴する本格靴ブランド ストール・マンテラッシがみんなに愛される理由」 [MEN'S EX 掲載記事]
ファッション界の大御所もマンテラッシをご愛用!
日本のファッション界の大御所たちには、ストール・マンテラッシの愛用者がたくさんいらっしゃいます。というわけで、古くからマンテラッシの靴を履いており、マンテラッシには一家言ある大御所に、その魅力を語っていただきました。
「古きよきイタリアのカジュアルエレガンスの薫りがするんです」
日本でマンテラッシといえば、まずこのおかた、赤峰幸生さんです。
「出会ったのは20年くらい前かな。僕の中でマンテラッシはカジュアル靴のイメージがあって、特に好きなのは、カモッショと呼ばれるヌバックタイプのスリッポン。もうずっと上級なスニーカー感覚で愛用していて、何足も履きつぶしては、買い替えています。20代の頃に観た映画の中で50代とか60代のお洒落な人たちが履いていて、古くからイタリアの文化に根ざしてきた靴なんです。どこか英国的な要素がありながらも、ラテンの文化からしか生まれてこない軽さもいい。カジュアルでもドレスのマインドがあるし、5ポケットのパンツにも合う懐の深さがある。そして何よりも、古きよきイタリアのカジュアルエレガンスの薫りが残っているところが好きなんです」
革の編み紐がアクセントのグレイスエードのスリッポン
「今も昔も、マンテラッシといえば、夏に素足で履ける軽快な作りの靴が好き」と赤峰さん。サドルについた革の編み紐がアクセントになったスエードスリッポン。9万8700円
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2008年03月06日(木)
MEN'S EX 4月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.22 [MEN'S EX 掲載記事]
菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてお互いのファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。
「今月のテーマ」
旅
タケ先生がヨーロッパ各国&NYの出張から帰ってきたかと思ったら、今度は赤峰さんが今年2回目の海外出張でミラノ&ロンドンに。そんなこんなでスケジュールの調整がどうしてもつかず、今回はそれぞれを単独取材。理由が理由なので、テーマを“旅”にしました。海外を忙しく飛び回るお二人ですが、その旅に欠かせないものとは?
■(写真右)菊池武夫氏
恐るべし、タケ先生。ヨーロッパへの2〜3週間の出張でも、こんな小さなカバンで出掛けます。この日は、ニューヨークハットの帽子、40カラッツ&525のカシミア混ジャケット、クラブキングのTシャツ、Gスターのジーンズ、ダグ マークソンのシューズ、アンティークのスカーフ、クリケットのチーフ、ノッシュのウエストポーチという合わせ。機内に乗るときもこのまんまです。
■(写真左)赤峰幸生氏
機内に乗るときの格好を再現していただきました。シャツはジュンヤ ワタナベ マンとセントジェームスのダブルネーム、それにリーバイスのコーデュロイパンツ、コンバースのオールスターというコーディネイト。セントジェームスのシャツといい、オールスターの紐の通し方といい、ちょっとしたところでヒネリを演出するのが赤峰さん流です。カバンはリモワ。
■歳を重ねるごとに荷物が小さくなりました
菊池 2〜3週間の海外出張が多いんですけど、最近は驚くほど荷物が少ないんです。
M.E. タケ先生、これ小さすぎです。国内の2〜3泊用ですよね(笑)。
菊池 何が少ないって、洋服が少ないからでしょうね。「えっ、これだけで来たんですか?」ってよく驚かれます。洋服は基本的にカジュアルパンツ1本と、靴は履いている1足だけ。パーティとかがない限りはほとんどこんな感じです。ただ、下着だけは2週間あったら10日ぶんくらいはもっていくかな。僕は昔から自分で洗濯するんです。
M.E. 旅の必需品を教えてください。
菊池 バリカン、室内履き、霧吹きです。2〜3日ごとに頭を刈っているのでバリカンは必需品ですし、室内履きもホテルによってはないので必ず持っていきます。昔はアイロンを持っていってたんですけど、今は着る服もカジュアルになったし、大変なので、1日着たら、霧吹きをしてひと晩置いておくんです。すると、大抵はもとどおりになっていますね。この3つがない旅は考えられません。>
M.E. 今日してらっしゃるウエストポーチも、海外でいつもしてらっしゃるような気がするのですが・・・・・。
菊池 よく気がつきましたね(笑)。実は海外で財布をすられたことが3回もあって、それもあって、海外ではウエストポーチをするようにしたんです。必ず真ん前にしてね。これだったらさすがに盗られないでしょう(笑)。
M.E. 確かに。もうひとつ気になったのは、今日の小物はどれも形がかわいいということ。
菊池 必要なものでも形がかわいくないと、買う気がしなくてね。この霧吹きひとつにしても、フォルムがすごく美しいですよね。
M.E. カバンの中身を拝見しているだけでも楽しいです。
(→)必要最低限のものしか入れません
45歳くらいまでは大きなトランクを3つくらい持っていっていたそうですが、歳を重ねるごとに荷物は小さくなっていきました。今では2週間の出張でも、国内の2〜3泊用のカバンで間に合わせてしまいます。下着以外の服は、必要最低限。
・(上左)エールフランスのアメニティケースをオードトワレ入れとして使用
・(下左)大のお気に入りのプラダのデニム製ポーチ
プラダのデニム製ポーチは、グルーミングバッグとして活躍。「ポケットが多数ついていて非常に使い勝手がよかったので、同じデザインのでこれが2つめになります」とタケ先生。
・(上真中)小物はデザインにこだわっています
何気なくカバンに詰め込まれている小物の数々は、どれもタケ先生のお眼鏡に適ったもの。ホチキス、鉛筆削り、ボウタイ2本、メガネケース。「必要なものがあってもデザインがいまいちだったら買いません」という徹底ぶりです。
■旅行や出張も“生活の移動”、服を選べる余裕がほしい
M.E. 先生は旅の荷物が多いので有名です。
赤峰 海外出張はだいたいいつも10日〜2週間なんですけど、今日持ってきているリモワと、サブのリモワ、それとビジネスバッグを持っていきます。1月のピッティに行ったときは、行きの時点で40kgでした。
M.E. 大半はワードローブですか?
赤峰 そうですね。スーツ3着、ジャケット、スラックス、ジーンズ、シャツと下着を日数分、タイ20〜25本、チーフ10枚、靴3〜4足とジョギングシューズ。あと、パジャマも2枚持っていきます。
M.E. さ、さすが。随分と多いですね。
赤峰 出張や旅行も僕にとっては“生活の移動”なんです。使わないかもしれないけれど、朝起きて、その日の気分で服を選ぶ余裕は常に持っていたい。ホテルも値段の高い安いではなくて、クローゼットの大きさが重要なんです。クローゼットの小さなホテルには泊まりません。
M.E. 絶対に欠かせないものって何ですか?
赤峰 イタリア出張が多いので、イタリア仕様のアイロンはいつも持っていきます。シャツはもちろん、チーフやパンツに至るまで自分でアイロンをかけるんです。あと、毎回必ず持っていくのは画材。絵の具と筆をもって1リットルのペットボトルに水を入れて、オフの時間に水彩画を描くんです。あとはお気に入りのCDとCDプレイヤー。中島みゆきも聴けば、美空ひばりだって聴きます。
M.E. イタリアで美空ひばり、素敵ですね。
赤峰 あと欠かせないのがスエードのブルゾン。機内でもカーディガン代わりに着っぱなしです。それと夏場はモヘアのスーツ。クリースが取れにくくて、出張には絶対に欠かせない存在です。一日着ても、風呂場にひと晩つるしておけばもとに戻りますから
(→)行きの時点で40kgを超えることも!
赤峰さんのお荷物で特筆すべきは持っていくワードローブの多さです。少しでも減らしたい荷物ですが、赤峰さんはそんなこと気にしません。行きの時点で40kgを超えることもしばしばというから驚きです。
・(上)タイは基本的に20〜25本。茶とネイビーが基本
・(下左)靴は最低3足。黒と茶のドレスシューズ、スエードのカジュアル靴が基本
・(下右)スーツは基本3着。半分に折って、肩には下着などを入れて型崩れを防ぎます
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菊池さんの三種の神器 [MEN'S EX 掲載記事]
モダンなデザインの霧吹きです
アイロン代わりのアイテムとして、出張時に欠かせないのが、こちらの霧吹きだそう。それにしても、タケ先生らしいセレクトの、とっても素敵なデザインです。
絶対に欠かせない16年愛用のバリカン
右は、2〜3日に1回頭を刈るタケ先生にとって欠かせない、お気に入りのバリカン。左は、ハサミやピンセットなどのケア用道具が入った革ケース。入れ物にもこだわります。
20年愛用のルームシューズ
今から20年以上前に購入したというトリッカーズのルームシューズ。以来、海外に行くときには、いつも持参している愛着たっぷりのアイテムです。いい感じに味が出ています。
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赤峰さんの三種の神器 [MEN'S EX 掲載記事]
イタリア用のアイロンは毎回持参
イタリアで購入したアイロンは、イタリアへ行く際、必ず持参。赤峰さんがホテルに着いて最初にチェックするのは、クローゼットの大きさと電源の位置だそうです。
CD&CDプレイヤーは欠かせません。
ホテルの部屋では、耳馴れた曲を聴きながらレポートを書いたりすることもしばしば。ヴィヴァルディ、アンドレア ボチェッリ、ジプシーキングス、バロックなどがお気に入り。
これまでに海外で50枚以上描きました
絵の具と筆、スケッチブックは毎回持参。ペットボトルに水を入れて街を歩き、お気に入りのの場所で絵を描きます。今年1月、伊のトリエステに寄って、湾を描いたもの。
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2008年02月06日(水)
MEN'S EX 3月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.21 [MEN'S EX 掲載記事]
菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてお互いのファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。
「今月のテーマ」
巻き物講座
この連載で、毎回巻き物をしてご登場くださっている、巻き物大好きな菊池さん。一方の赤峰さんも、巻き物をするときは見せ方にかなりのこだわりがおありのようでして。だったらそれを披露してもらいましょうということで、今回は、巻き物講座。
■(写真右)菊池武夫氏
・ウェグナーのフェルトハット
・アン・クラインのシルクスカーフ
・40カラッツ&525のヘリンボーン一枚仕立てのウールカシミアジャケット
・40カラッツ&525のシャツ
・Gスターのジーンズ
・MBTのシューズ
■(写真左)赤峰幸生氏
・アカミネロイヤルラインのプロトタイプのアスコットタイ
・アカミネロイヤルラインのシャツ
・ヴィンテージのシルクのブラックチーフ
・リヴェラーノ&リヴェラーノのドーメルのトニック生地製ス・ミズーラスーツ
・ジョン ロブのシューズ
■イタリアやイギリスではなく巻き物といえばフランス
赤峰 巻き物といえば、菊池先生ですよね。
菊池 巻き物って洋服と合わせるのが前提ですから、それなりのバリエーションが必要だと思うんです。でも、僕の場合、ルイ・ヴィトンは別として、どこのブランドのものかわからないようなものもたくさんあります。マーケットで数百円とかで手に入れたものもありますし、値段にはあまりこだわらずに色や柄で気に入ったものがあるとその場ですぐに買っています。だからそのぶん数は結構持っています。
赤峰 その中で今の気分に合っているものを選んで、使っているんですね。
菊池 ええ。この間まではストール風のものを巻いていることが多かったんですけど、ここ最近は大判のハンカチタイプを小さく畳んで巻くスタイルが好きですね。春だとそういうほうが合っているのかなと思います。あと、もうひとつ、ルールとか特に考えずに自分の好きなように巻いています。自分流の巻き方を身につけるには、やっぱりフランス人の巻き方が参考になります。映画「ペペ・ル・モコ(望郷)」とか、崩し具合っていうのかな、なんかこう絶妙にカッコよかったのを覚えています。
赤峰 巻き物っていうと、イタリアとかイギリスじゃなくてフランスなんですよね。文化の中に巻き物が根差しているとでもいうのかな。フランス人って、より自由自在に自分のイメージで巻くみたいなイメージがありますよね。
■往年の映画俳優の巻き方は大いに参考になった
M.E. 赤峰さんはあまり巻き物をされているイメージがないですよね。
赤峰 最近はあまり巻かなくなりましたけど、昔はよくやっていましたよ。一番憧れたのは、ケーリー・グラントの映画の中で出てくる巻き方で、グルグルに巻かれたストールがタートルの下からチラリと覗いているんです。巻いてからタートルネックニットを着るなんて技があるんだって思いましたね。もうひとつは映画「ジャッカルの日」で襟腰の高いシャツにかなりグルグルにアスコットを巻いているシーンがあるんですけど、それもまた凄く印象に残っています。
菊池 あの俳優はカッコよかったですね。映画として面白かったですしね。
赤峰 あとはパトリス・ルコント監督の「イヴォンヌの香り」。エルメスのだと思うんですけど、女性もののスカーフをオヤジが巻いたりしていてね。そういう文化がフランスにはあるんですよね。あと、イタリア人だとマストロヤンニ。
菊池 ああ、上手いですね。マストロヤンニはやっぱり格好いいですよね。
赤峰 映画「甘い生活」の中で、白のスーツに黒シャツを合わせて、黒のハンカチをピッと結んでいるシーンがあるんだけど、イタリア的には胸がはだけた感じをアピールして着るのが基本ですよね。やっぱりその辺に国民性が出てきます。
(→)タケ先生のここ最近のお気に入り私物
タケ先生私物。背もたれにかかっている左の3点は、70年代に流行ったレーヨンのストール。一番右のものは最近購入。座面にある右の4点がルイ・ヴィトン。座面の左は一番手前がアンナ・マトッツォ。ほかはアンティークショップや蚤の市などで購入したもの。
M.E. なるほど。ところで今日は、お二人にお気に入りの巻き物を持ってきていただいています。タケ先生、たっぷりありますね(笑)。面白いところだと、レーヨンのタイプ(↑写真・ソファの背もたれに掛かっている左の3点)があります。細くて最近はあまり見かけないタイプですね。
菊池 ’70年代にローリング・ストーンズとかがしていて、ミュージシャンの間で流行っていたやつです。
赤峰 タイ代わりにアクセントとして首に掛けていましたよね。こういうのって、シルクだといいんですけどふかつくんです。言ってみれば、落ち着きがない。その点、レーヨンだとドボッと重たい感じがして安定感が出るんですよね。だいぶ印象が違います。
菊池 僕もやっぱり垂らす用として使っています。
M.E. なるほど。次、タケ先生の大定番のルイ・ヴィトンのストールです。
菊池 これは本当に気に入っていて、かなり重宝しています。何がいいって裏と表で色が違うので、洋服に合わせるのに非常に便利でして。
赤峰 ほーう、表と裏で素材も違うんですね。羽二重とジョーゼットの組み合わせですかね。羽二重は光沢のプリントで、ジョーゼットは透かしのジャガードになっているのか。これはなかなかですね。非常に面白い。
菊池 ジョーゼットの面のほうが大抵色が濃くなっていて、重宝しています。とにかくこれは、色違いで5枚くらい持っていて、それほど気に入っているんです(笑)。
■ルールにとらわれるのでなく自分らしさを表現するのが大切
M.E. 赤峰さんはヴィンテージのお気に入りを絞り込んでご持参くださいました。
赤峰 今しているドットのやつは、アカミネロイヤルラインのサンプルで、持参した2枚はヴィンテージです。1つはシルク、1つはレーヨン。僕の場合、最近は巻き方も限られてきていますけど、いずれもあまり凝らずにシンプルに巻くのが好きですね。ただ、こだわっているのは、首の高い位置で巻くこと。必ず後ろからきっちり見えるように巻いています。その中で未だにやってしまうのは、普通にクルッと巻くだけの一番シンプルなスタイル。子供のときにスキーをしていたときの延長のスタイルを、ついつい反抗的にやっちゃうんですよね。これでいいじゃないかってね(笑)。もっと凄いバージョンのだと、イタリア人とかで肩に掛けているだけの人とかいますから。
菊池 ハッハッハッ(笑)。
赤峰 と言っても本当、老人の紳士ですけどね。で、風がピュッて吹くと「寒いね」とか言いながら、その大判のやつをグワッと巻いてね。それが凄く絵になるんですよね。
菊池 それは凄い。計算してやっているんでしょうね。ヨーロッパの人は年齢の高い人とかコートに手を通しませんものね。きっと彼らにしてみれば、ケープやマントを羽織る感覚なんでしょうね。
赤峰 あと、昔の西部劇のアラン・ラッドとかじゃないですけど、バンダナのデカいのをピッと巻いてね、あれもカッコいいですよね。日本でいうとほうきで掃くときに豆絞りをするのと同じ感覚です。
菊池 そういえば、中学生のとき、高下駄履いて手拭いを首に巻いてバンカラぶっていたことがありました。その頃から首に巻くのは好きだったのかもしれません。今でも手拭い屋で買った手拭いも愛用しています。結構お洒落でいい柄があるんですよね。
赤峰 必ずしも洋服屋に売っているものだけでなく、あまり制約を持たせずに色合わせだけ気をつけて、いろいろ試してみるといいと思います。
菊池 本当、そのとおりだと思います。
赤峰 最近、多摩川をジョギングしていて、無地のウエアにタオルを首に巻いて走ってるんですけど、タオルの色が気になって、なんでもいいよってワケにはいかないんですよね。気分によってはACミランのスポーツタオルがいいなっていう日もありますし、その感覚はストールやマフラーにもあてはまるわけです。本当、そんな感じでいいんです。
菊池 大切なのは、どういうルールがあるかではなく、どう今の自分を表現するか、そこにあると思います。
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菊池さんが好んでしている3つの巻き方 [MEN'S EX 掲載記事]
その1.正方形タイプの基本型
この日のタケ先生がしていた巻き方で、正方形の大判スカーフで使える技。1.半分に折って三角形にし、細長く畳みます。2.それを、後ろから首にグルリと巻きます。3.両端を1回結びます。4・5.それをもう1回結びます。6.完成!
その2.細長いタイプの基本型
長いストール系のもので使える技。1.長さはそのままに、幅を20pくらいに折ります。2・3、首に掛けて前で交差させます。4.交差させたほうの片側を整え、最初に折った幅にして前へ整えます。5.端をシャツの中に入れれば、はい完成!
その3.独自性のあるスタイル
非常にシンプルな巻き方で、正方形に近い形のスカーフで使える技です。1.最初に三角に折って、首の後ろから掛けます。2.それを前で一度結びます。3.それをもう1回結べば、パリっぽい、とってもエスプリの利いたスタイリングの完成!
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赤峰さんが好んでしている3つの巻き方 [MEN'S EX 掲載記事]
その1.基本は首の高い位置から
「横から見たときにストールがチラリと見えるようにします。今のシャツの台襟は高いので、首の高めの位置から巻くのがポイントです」と赤峰さん。1.首の後ろから掛けます。2.片側をグルリと1回巻きます。3.それをクロスさせます。4.完成。
その2.クルーネックからチラリ
「クルーネックのニットやカットソーからチラリと見える、上品な巻き方というか演出法です」と赤峰さん。1.ストールを二つ折りにして、後ろの高い位置から掛けます。2.交差したときにクロスさせます。3.前を整えます。4.中にしまって完成。
その3.超シンプルもあり!
「子供の頃にスキーをしていたときの巻き方ですけど、たまに反抗的にやりたくなってしまうんです」。と赤峰さん。超シンプルな巻き方です。1.これも首の高い位置から掛けます。2.交差させて一度結びます。3.ちょいと整えて、完成!
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2008年01月04日(金)
MEN'S EX 2月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.20 [MEN'S EX 掲載記事]
菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてお互いのファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。
「今月のテーマ」
カシミアアイテムとのつきあい方
今回は、より多くの人に親しまれるようになったカシミアをはじめとする、“ポスト羊”の冬素材がテーマ。菊池さんはキャメルのシャツジャケット、赤峰さんはいつもと変わらないスタイルのカシミア混スーツでご登場。素材に対して人一倍こだわりが強いお2人ならではの、ちょっぴりディープなお話です。
■(写真右)赤峰幸生氏
・アカミネロイヤルラインのシャツ
・アカミネロイヤルラインのタイ
・ヴィンテージのシルクチーフ
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたカシミア60%混のスーツ
・ジョージ クレバリーのシューズ
■(写真左)菊池武夫氏
・ボルサリーノの帽子
・ルイ・ヴィトンのシルクシフォンのモノグラム柄ストール
・40カラッツ&525のキャメルのシャツジャケット
・40カラッツ&525の2008年春夏の新作ジョッパー
・オールデンのシューズ
それぞれが持参してくださったお気に入りのカシミアアイテムを手にしながら、ディープな話で盛り上がっていました。赤峰さんは、菊池さんのエルメスのニットにぞっこんでした。
■冬らしい質感をもった素材を愉しみたい
M.E. 温かみのある冬の着こなしを考えたとき、ウールだけでなくカシミアをはじめとするポスト羊の素材が鍵を握ってくると思うんですけど、そのポスト羊の素材をいかに楽しめるかが、大人のお洒落だと思うのですが・・・・・。
菊池 ポスト羊というのは、確かに気になるところです。最近、季節感のない着こなしが増えてきている中で、カシミアもキャメルもアルパカもビキューナも、どれも風合いが独特で、それぞれ質感を冬らしいスタイルで楽しめますから。
赤峰 そうですね。ただ、カシミアは上質素材ではありますけど、今の時代どこも扱っていて、差をつけるための素材とはいえなくなってきているじゃないですか。大きくいえば高級品という位置づけのものではなくて、素材からくる手持ち感に羊とは違うよさがあるというかね。カシミアの魅力はそこにあると思うんです。ただ、僕的にはあまりにも肌触りのいい、いかにもカシミアらしいカシミアを着るのはあまり好きではありません。すぐにはそれとはわからないようなカシミアを、さりげなく着るほうほうが好きなんです。
菊池 それ、よくわかります。赤峰さんは、今日の着こなしもいつもと全く変わっていませんものね。
赤峰 そうなんです。菊池さんは?
菊池 僕はカシミアの何が好きって、色なんですよね。艶やかさと柔らかさもあるんでしょうけど、ウールとは微妙にトーンが違うんです。それとやっぱり肌に直に着ても大丈夫なところがいいですね。ウールだとチクチクしちゃってダメなんですけど、カシミアだけは大丈夫なんです。マフラーやニットなど、そういう面でカシミアは凄く重宝しています。あと、前にも話しましたけど、僕はカシミアのジャケットでもフツウに水洗いしてしまうんですね。カシミアだからといって構えるのではなくて、それくらい気軽に着るのがいいかなって思うんです。ただ、頭の中にはカシミアを着ているという意識はどこかにありますけど(笑)。
赤峰 ところで菊池さんが今日着ているジャケットはキャメルですよね?
菊池 そう、カシミアの話をしていましたけど、これは実はキャメル100%なんです(笑)。40カラッツ&525を立ち上げたときに作ったシャツジャケットなんですけど、キャメルでこういうデザインのってほかにあまりないから気にいってまして。キャメルといえばコートが多いですからね。これはコロンボ(イタリア最大の獣毛繊維メーカー)のかな?
赤峰 多分コロンボのでしょう。
M.E. キャメルって最近あまり見なくなりましたよね。
赤峰 流行ったのは'60年代ですよね。当時ブルックス ブラザーズだとかがポロコートを出して人気が出たんです。
菊池 確かにポロコートといえばキャメルですものね。でも、最近は確かにあまり見かけなくなりました。
赤峰 キャメルのほうがドライで、カシミアのほうが水っぽいというかヌメッとしているんです。
*菊池さんのお気に入り
すべてカシミアで、左から時計回りに、エルメスのキャメル色ニット、40カラッツ&525のラベンダー色ニット、ダンヒルのハウンズトゥースチェックのマフラー、ノーブランドのマフラー。
■お2人が持参したお気に入りアイテム
M.E. あと、今回はお2人のお気に入りのアイテムをそれぞれいくつかお持ちいただきました。赤峰さんが持ってこられたグレンマックのオフホワイト色のニットとタケ先生が持ってこられた40カラッツ&525のラベンダー色ニットは、同じカシミアなんですけど肌触りが対極ですよね。
菊池 たまたま僕が持っていたマフラーと全く同じ色だったので、だったらニットも作ろうということで、オリジナルで作ったんです。2プライのカシミアなんですけど、見た目はアンゴラみたいですよね。
赤峰 今日持ってきたグレンマックのニットは4プライのやつです。クリアフィニッシュでコリコリしていて、見た目はラムズウールの上質なやつっぽいんですけど、着ていると本当に温かいですから。昔のカシミアのこなし方ですよね。今は仕上げの段階でブラッシュするのが一般的で、そっちのほうが肌触りが優しくなりますからね。
M.E. タケ先生がお持ちになられたキャメル色のタートルネックニットはとても上質そうですね。
菊池 ああ、エルメスのタートルネックニットです。
赤峰 (手に取って)うわっ、これはいい。本当に素晴らしい。これは相当詰まっていますね。カシミアだけど、質感までキャメルみたいですよね。着なくてもマフラー代わりに首にまいても温かいでしょうね。
菊池 買ったのは20年ちょっと前だったと思います。
赤峰 色も最高ですね。菊池さんもおっしゃっていましたけど、カシミアの場合、なかなか羊じゃ出せないような色に惹かれて買うことが多いんです。カシミアって例えば同じネイビーでも少しテカリ感のある独特のネイビーだったりしますから。
M.E. ひと口にカシミアといってもいろいろありますね。
菊池 イタリアには透けそうなくらい薄いニットとかもありますものね。行き着くところまで行ったらもとに戻るかもしれませんけど・・・・・。
赤峰 そうなんです。そもそもイタリア的カシミアの楽しみ方とイギリス的カシミアの楽しみ方は全く異なっていて、イタリア人は色で楽しんで、軽くて薄いジャケットやニットを着たりするんですけど、イギリス人は3プライとか4プライとか太番手のものを、暖をとるために着ている感じがします。イタリア人にとってカシミアはお洒落をするための素材なんだけれど、イギリス人にはそういう感覚はあまりないですものね。
菊池 今日持ってきたダンヒルのカシミアマフラーは割りと最近購入したものなんですけど、いかにもイギリス人が好みそうなカサッとした感じが気に入ってるんです。
赤峰 これも凄くいいですね。スコットランドあたりで作っているカシミアってこういう感じですよね。太い糸を手機で織っていて。日本もようやくカシミアがフツウのものとして定着しましたよね。
菊池 この3〜4年でしっかり定着しましたよね。前は高級品、手が届かないものというイメージがありましたけど、日常の中で着るアイテムとして位置づけられていますよね。
*赤峰さんのお気に入り
すべてカシミアで、左から時計回りに、色がお気に入りのボッテガ・ヴェネタのニット、信濃屋の半袖ポロ、グレンマックのVネックニット、英国製のタイ、ラヴィッツァのマフラー。
■スーツの場合は少量のカシミア混でも効果大
M.E. ウチの読者のかたはウイークデイはスーツを着ている人が大半なのですが、カシミア混のスーツも最近は人気があります。今日の赤峰さんの格好なんか、本当にいいお手本になると思います。
赤峰 今日着ているのは、カシミアが半分くらい入ったフランネルのスーツなんですけど、カシミアが5%〜10%くらい入っていると、独特のタッチが表現されるんです。ただ、カシミア混の場合、打ち込みが甘いとスラックスの膝が抜けやすくなるので、スーツのときは気をつけたいところです。
M.E. 5%混くらいならウールと値段もそんなに変わらないですし、雰囲気もあっていいですよね。あと、最近はカシミア1%混のスーツなどもよく見かけます。
赤峰 1%であっても、生地に多少の滑り感が表現されるんですよね。
菊池 されますよね。まずは身近なカシミアから冬の素材をもっと積極的に取り入れると、ファッションがもっと楽しくなるのでは?
'90年代初めにショーで使ったコート
ショーで使うために'90年代の初めに作ったTKのカシミアコート
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菊池武夫さんの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]
やっぱり巻き物は必須です
色違いで揃えているほどのお気に入りで、本連載でも度々登場しているルイ・ヴィトンのシルクシフォンのストール。モノグラムながら、すぐにはそれとわからないところが◎。
ジョッパーを合わせています
今、凄く気分だというジョッパーは、2008年春夏の新作。立体的なシルエットが美しく、足元のジップを少しだけ開けることで、着こなしにニュアンスが生まれるそうです。
Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 Permalink コメント ( 0 )
赤峰幸生さんの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]
カシミアを着ようがあくまでオレ流
「Vゾーンに使う色は基本2色まで」。赤峰さんが常々口にされている言葉です。上品な光沢感があるカシミア混のスーツを実に控えめに着こなす様に、究極のエレガンスを感じます。
シャツのカフスを半分だけ折り返し
着こなしのニュアンスをつけるのは天才的に上手な赤峰さんは、その日の気分でシャツのカフを半分だけ折り返しています。まさしくニッポンのジャンニ・アニエッリ!
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