2013年04月01日(月)
朝日新聞be on Saturday “赤峰幸生の男の流儀” 『自然から発想する色合わせ』 2013年3月30日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]
前回はメンズファッションの色合わせについて、「青、茶、グレーの『男の三原色』から2色(+白)が基本」とお伝えしました。色は装いの要点ですので、もう少し続けましょう。
空、海、森……。私たちは自然の中で生きているのですから、その環境に逆らわず、同化する意識をもつことが、装いをうまくまとめるコツだと思っています。例えば靴は大地の茶、ジャケットは大空の青で、シャツはご飯のように何にでも合う雲の白、といった感じです。実際に、茶に緑が入ったアイルランドやスコットランドのツイードジャケットは冬場に枯れてゆく草原や林の表現で、その場に立つと抜群になじむのです。
私はイタリアに行くと、家々の壁の色に似た薄いベージュのジャケットを着て、屋根のえんじをネクタイに取り入れるなど、目に映る色を服で楽しんでいます。場への敬意の表現でもあります。
一方、黒やネオンカラーなど、大自然の中で目にしない色は取り扱いが難しい。またグレーは万能色ですが、イタリア人が好きな明るすぎるものは要注意。着合わせが難しくなります。何事も控えめが肝要です。
強調しておきたいのは、日本人は明るいブルーが抜群に似合うということ。「鉄板」と言っていい。「空と雲」のようなブルーと白の組み合わせが一番のオススメで、そこに大地の茶系を取り込んでいくのが基本的な考え方です。
パソコンから顔を上げて外を見れば、明るさを増す春の大地、朽ち果てようとする神社のかすんだ茶色、桜の上品な薄ピンクなど、すてきな色がたくさんあります。
自然に目を向け、粋に楽しんでください!
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Posted by インコントロ STAFF at 18時21分 コメント ( 0 )