2010年03月06日(土)
MEN'S EX 4月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.16 [MEN'S EX 掲載記事]
「シャツ一枚にも着こなしの美学がたくさんあります」
真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。
氏が考える、男のお洒落を伝授する連載。第16回は、赤峰的「シャツ1枚での着こなしテク」。
シンプルな着こなしに見えて実はいろいろなテクが詰まっています
シンプルな白シャツをそのままきたら、それは単なる白シャツで終わってしまいます。襟やカフの表情、さらには生地の落ち感といったところにこだわることで、そこに表情が生まれるわけです。上質な白シャツで実践すると、その効果は絶大です。右の写真にも、さまざまな赤峰流テクニックが詰まっています。
一見フツウに見えて・・・・・
(←)フィットしたカフ回りはワンクッションが基本
「ガントレットボタンを外してカフをロールさせて表情をつけるのは、好んでしています。袖丈はゆとりをもたせて、ワンクッション入れるのがポイントです」
(→)台襟は首にくっつけて襟は指でロールさせます
「BDシャツは着ないのですが、代わりにカラーキーパーを外して、中指でロールをつけます。その際、台襟が首にひっついている感じに仕上げるのがコツです」
(←)ウエスト周りに均等にブラウジング
「パンツにシャツを入れる際、動きで生地がもっていかれないよう、全体を均等にブラウジングさせます。イタリア人的猫背と合わせて、程よいリラックス感」
(→)上着のボタンを外して表情を楽しみます
以上を踏まえた上で上着を着たのが、こちらの写真。「襟の無造作感や裾のパフ、袖口の表情が、上着のボタンを外したときに美しい絵を作ってくれるんです」
■技で表情をつけてあげれば白は最高のカラーシャツに!
赤峰 ワードローブの5割は白のシャツというくらいで、たかが白だけれどされど白。上に着ているものとのコーディネイトで変化させることもできますけど、白シャツという表情のないものにそれ単体でどれだけ色をつけられるかで、着こなしの表情はだいぶ変わってきます。
M.E. そこで、先生のシャツの着こなしテクを披露していただきたく思います。
赤峰 了解しました。私は薄い時計しかしないので、時計の文字盤が見やすいようにいつもカフを少しだけロールさせています。カフはぴったりすぎてもダメですけど、ダブダブなのはもってのほかです。フィットしたカフにガントレットボタンをはずしてワンクッション入れてあげるのが、私の好きな口の表情ですね。袖丈は延ばしたときに指の付け根までくるのが本来の長さで、その余り分がパフスリーブの分量になるわけです。
M.E. 次に襟はいかがですか?
赤峰 襟はいつも中指でRのロールを作るのが基本です。ネクタイを外したときは、もう1回ロールを作り直します。その際、襟足が首につくようにし、襟足は見せないほうが美しいと自分的には考えています。左右非対称で表情をつけるのも基本です。イタリア人は嫌がりますけど、フレンチっぽくいくなら小さなスカーフを巻いてもいいですね。
M.E. なるほど。パンツにインした裾のパフも気になりました。
赤峰 リラックス感が生まれますからね。イタリア人はみんなこれをやっていますよね。程よいゆとりのあるシャツでブラウジングを楽しむことこそ、粋な着こなしだと思います。ただ、最近のタイトフィットシャツだと、これはなかなか生まれません。
M.E. なるほど。この3つを取り入れるだけでも、だいぶ雰囲気が変わりそうですね。とても勉強になりました。
赤峰 白は最高のカラーシャツ、ナチュラルな白のシャツも上手に着れば、そこにとびっきりの洒落感が生まれますし、そうやって自分なりのこなしを楽しんでみるのは楽しいですよ。
M.E. ありがとうございました!
Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 0 )