2012年06月23日(土)
朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘暑い夏は肌感覚で素材を吟味’』2012年6月23日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]
蒸し暑いニッポンの夏、到来。涼を悩む季節です。
しかし、「クールビズ」という言葉は気に入らない。これまでの規範をぶち壊してしまったからです。昨夏からの「スーパークールビズ」に至っては、職場でTシャツやハーフパンツ……何でもありですか
?
地球環境への配慮は大切にしたいものですが、あえて申し上げたい。オフィシャルな場にあっては、「できるだけ肌を見せない」というのが本来の心得であります。紳士を自負なさる方なら、昔から人に会う時には上着を着用するのがエチケット。脱いでいることがあったとしても、「上着も着ておりませんで失礼いたします」と一言あるのが、ジェントルマンたる者の振る舞いです。
ネクタイなら裏地の付いていないもの、「フレスコ」と呼ばれる軽めの生地でサッパリと。最近は「エアージャケット」といった命名の、涼しげな上着も登場しています。
そうは言っても、暑いのもよくわかりますから、シャツ姿でも粋にいきましょう。江戸の時代から、日本人は絽や縮みなど、さらりと感じる肌触りの織物を愛用してきました。現代なら上質な麻、綿でも強く撚った糸で作り、シャッキリした織りの「ボイル」、シアサッカー、コードレーンなどを肌感覚、そして冷涼感で選べばいい。
「機能性」をうたう新素材も結構ですが、私は「生のもの」「無垢のもの」に勝るものなしと考えます。どうぞ麻や綿といった天然素材、そして通気のよい織り方にご注目を。
再び巡ってきた節電の夏。「粋」について考えさせられる夏ですね。
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Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 コメント ( 0 )